ガブリエル・ゼヴィンのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
島で唯一の小さな書店「アイランド・ブックス」の店主、フィクリー。愛する妻を事故で亡くし、1人きり本を売る日々を送るうちに、偏屈な性格になっていた。
ある日、書店の中にぽつんと幼女が置き去りにされた。幼女の名前はマヤで、彼女の若い母親は遺体で発見された。
フィクリーは戸惑いながらも使命感を覚え、マヤを引き取り育てることに決める。そして時間は過ぎ、フィクリーは再び女性を愛することが出来るようになり…。
物語の冒頭、主人公のフィクリーはとても偏屈で嫌な男として映る。だけどそれには抱えた悲しみとか孤独感とか理由があって、読み進めるにつれて彼の人間的な魅力がどんどん明かされていく。
フィクリー以外もキャラクターがとても魅力的。ほんの少しずつ悪い心を持ち合わせていたりするところが人間臭くてリアル。
フィクリーの亡くなった妻の姉・イズメイ、フィクリーの友人であり警察署長のランビアーズ、フィクリーの後の妻で編集者のアメリアのキャラクターがとくにとても好きだった。
ポップな雰囲気だけど、人間関係の入り組み方がけっこう複雑だったり、悲しい死が訪れる場面もいくつかある。だけど悲壮さをあまり感じないのは恐らく、前向きに強く生きる人々が描写されているから。
フィクリーの娘となったマヤは聡明な少女へと成長し、書店主の娘らしく文学の才能を発揮し始めるところも素敵。マヤが小学生になり学校の課題で書いた掌編が出てくるのだけど、とても素晴らしい内容だ。
各章の冒頭に、実在する本がたくさん登場するところが面白い。その本についてフィクリーが語り、そして次のページから始まる本編とも関わっていく、というつくり。
オコナーやサリンジャーなど有名な作家の本も取り上げられていて、また読みたい本が増えてしまった。
悲しく思えたラスト近くの後に訪れる本当の結末はとても希望的だった。
誰かを想う気持ちが人の生き方を変えることは現実にもある。そういう人々の生き様を、温かい気持ちで見届けられる結末だった。 -
Posted by ブクログ
本を愛する、書店を愛する人たちの物語。
愛する人を失った時、癒してくれるのは何?
それは人によってそれぞれですが、その一つは人との繋がり。
愛する妻を事故で失って、投げやりになっていたフィクリーが前向きに生きていくようになったのには、そんな人との出逢い、繋がりができたから。
そしてフィクリーにとっては、本も大きな役割を果たしていた。
「ぼくたちはひとりぼっちではないことを知るために読むんだ。ぼくたちはひとりぼっちだから読むんだ。ぼくたちは読む、そしてぼくたちはひとりぼっちではない。」
そう語るフィクリーだから。
この本を読んで、ますます本を大切にしていきたいと思った。
小さな島にあるたった1軒の書店を経営するのは、数年前に妻を交通事故で亡くしたフィクリー。妻の事故死以来、お酒に溺れることもあり、どこか投げやりな毎日を送っていた。
そんな彼がとても大切にしていた本が盗まれた。そして、数日後、彼の書店に2歳になる女の子が置き去りにされていた。名前はマヤ。母親は自ら命を絶ったので、フィクリーはマヤを育てていく決心をする。
マヤを育てていく中で、人との繋がりができてきて、フィクリーは変わっていく。 -
Posted by ブクログ
「ゲーム」イコール青春とも呼べるような、ゲームをする側でなく作る側の葛藤記のよう。てんでゲームはしない私でもグラフィックやキャラクター、ストーリーなど漫画や映画とは違い自分でストーリーを進める事で完成する自分の別の人生を送るそんな特殊立ち位置であるゲーム。それをしているのを見るのは好きだった。ではそもそも作る側の人達のストーリーとは?という点で幼少期から始まり再会し、その後大人になって、その出会いと別れや各々の人生において何が大切で何が心の拠り所だったのか。海外のストーリーは翻訳が海外あるあるのそんな言い回しするか?直訳でなく日本のニュアンスで変換できないのかな?という引っ掛かりが少なく読みやすく感じた。またキャラクターも片仮名になると途端にイメージ出来ずに何度も誰だっけ?という前頁に戻るという手間もなく、ハッキリイメージしやすい。特にセイディは勝手にゼンデイヤのような聡明かつ人懐こいのに芯のある、しかし内にある自己肯定感が低いのを隠した危うさがピタッとハマって頭の中ではゼンデイヤで再生されたのも読み進めやすかった。内容としては基本ゲームを作る側の大変さからそれを作成する為の人生の中の引き出し、また価値観や自分の功績を尊厳とする意志の強さ、そして男女の友情は確立できるかと言う所まで詰め込まれ壮大な話だった。場所や世界は特に壮大ではないが、意識や考えが壮大で、それはゲームの中のバーチャルな世界が壮大なのとも結びついているように思う。
しかし、後半ハプニングがありおいおいやり過ぎだろとツッコミ。そこまでしなくてもこのストーリーは確立できていたのに味付けが濃いなと思って海外らしいあるあるが星3つだった。 -
Posted by ブクログ
アイランドにたった一つある書店の書店主である、A.J.フィクリーの物語。
いろいろな愛の形と、人生について書かれている小説だと思った。
海外小説の翻訳物のいうこともあり、読みにくさも少し感じた。
あと、様々な海外の文学作品が登場して、自分の今の知識量だと存分には楽しめない話だと思った。
(色々なネタが隠されていて、訳者あとがきにもあったが、注釈を書いていたらキリがないくらい)
海外文学にたくさん手を出せば、もっと楽しめて読める話だったと思い、残念に思った。
まだ、再読チャレンジするのも良いが、時間を莫大に要しそうで気が遠くなる。笑
文学や本についてたくさん書かれているので、その点では楽しめた。