ガブリエル・ゼヴィンのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
これは傑作だった。
ゲーム開発の本というとジェイソン・シュライアー著の『血と汗とピクセル:大ヒットゲーム開発者たちの激戦記』という傑作ノンフィクションがある。
AAA級タイトルとは別に、『Stardew Valley』などのインディタイトルも登場するのだが、その開発の様子がまさに『トゥモロー・アンド・トゥモロー・アンド・トゥモロー』にそっくりだった。後半にゲームを持ち込んでくる2人が影響を受けたゲームが『牧場物語』だったりするのも繋がってる気がして感慨深かった。
サムとセイディ、幼馴染2人の一筋縄ではいかない愛と友情の様も良かったが、何よりも自分は創作に対する姿勢にやられてしまった。ゲーム -
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Posted by ブクログ
★5 秀才ゲームクリエイターの愛と友情の物語 #トゥモロー・アンド・トゥモロー・アンド・トゥモロー
■はじめに
子どもの頃、友人と一緒にファミコンで遊んだ日々が懐かしい。スーパーマリオ、ゼビウス、ドルアーガの塔、ドラゴンクエスト…数々の名作を思い出す。
大学生の頃はアルバイトで稼いだお金を全て話題作につぎ込み、休み前は友人宅で夜通しで対戦ゲームに入れ込み、初めてつないだオンラインゲームで、見も知らずの外国人と朝までチャットに興じたり。
今ではあまりゲームに時間を割くことは少なくなりましたが、私も本作の登場人物と同じように、ゲームが大好きなひとりなんですよね。ゲームクリエイターたちの物語が -
Posted by ブクログ
ゲームをラブレターにするかのようなボーイミーツガールな出だしから一気に心をわしづかみにされた。
甘酢なジュブナイルものかと思いきや、展開は意外に重くなっていく。サムとセイディはソウルメイトだが、誤解やすれ違いも多く、結局それが種明かしや解消されないまま進んでいくのが、人生の話だなと感じた。(そしてわたしはマークスも大好きだったのでかなり落ち込んだ。)
現実では無理でもゲームの中なら乗り越えられること、二人が進んできた道のりを愛の轍として見られるようになることー読者も最後までいっしょに経験させてもらった気がする。
おそらくインテリでリベラルでサブカルおたくの筆者。他の著作も読みたいし、絶対に -
Posted by ブクログ
冒頭でゲームとかプログラミングのジャンルとわかり、難しいと楽しめないので嫌だなと思っていたけど、一気読みだった。
任天堂とかドンキーコングとか、実在の名前を挙げてくれるので、どのくらいスゴイものなのか、イメージがわきやすい。
また、何より心理描写が素晴らしい。サムとセイディの心のゆらぎが(相手には話さないものの)、可能な限り言語化されようとしている気がする。
訳者さんも好きだし、そのおかげもあるのかも。
若い二人がゲーム制作に没頭し、成功していく前半と、失敗も経験し、意見が食い違っていく後半。
前半で無敵の二人を見ていたぶん、後半がひどくもどかしく切ない。
著者の既刊も読んでみよう。 -
Posted by ブクログ
なんだか最近レトロ・ゲーム愛が止まらない。年とった証拠か。
そんなゲームの制作を背景にした男女の物語があると聞いて読んでみる。うーん、男女の友情?愛が一周回って友情ってなる?
中身はそんな薄っぺらな話ではなかった。80年代から2010年代付近までのゲーム開発に情熱を傾ける人々の物語であり、その時代ごとに変わっていく愛についての物語でもあった。男女の愛が一周まわって友情になんかならないから悲劇も生まれるわけだけれども、そんな中でも結局尊敬しあい支え合って生きていく姿はなんだかホッとするとともにとても切ない感じです。
登場人物の一人に、愛とは結局のところ何ものだ?と語らせています。「進化のために -
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Posted by ブクログ
【あらすじ】
その書店は島で唯一の、小さな書店―偏屈な店主のフィクリーは、くる日もくる日も、一人で本を売っていた。かつては愛する妻と二人で売っていた。いつまでもそうすると思っていた。しかし、彼女は事故で逝き、いまはただ一人。ある日、所蔵していたエドガー・アラン・ポーの稀覯本が盗まれる。売れば大金になるはずだった財産の本が。もう、なにもない、自分にはなにも。それでもフィクリーは本を売る。そしてその日、書店の中にぽつんと置かれていたのは―いたいけな幼児の女の子だった。彼女の名前はマヤ。自分も一人、この子も一人。フィクリーは彼女を独りで育てる決意をする。マヤを育てる手助けをしようと、島の人たちが店に