梅原克文のレビュー一覧
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多数巻同時読破&夏の角川ホラー祭。
長野の山奥で、青いガラス製土偶を見つけたと同時に、宇宙(?)からの声を聞いた葦原志津夫。洞窟の外には、カムナビの跡と見られる高温で溶けた石があった。ヤマトタケルと卑弥呼の共通点を見つけ、ヤマトタケルの持っていた三種の神器の一つ、クサナギの剣を手に入れるべく、名古屋の熱田神宮へ向かう。
上巻での各地でのバラバラ感を一気に回収するかのように、下巻ではこれまでの登場人物が一堂に会するとともに、まとめられてくる。しかしながら、これまでにはなかった、視点をいろんな人物に飛ばし、その際に時間が戻るという書き方を多用されるため、上巻にあったスピード感が失われて -
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突如現れた怪物テュポーン。
隔離された空間で未知のモノに襲われる恐怖。
人知の及ばないモノと対峙する恐怖。
隣人が見知らぬ存在に変貌していた恐怖。
テュポーンが繰り出してくるパニックにとめどがない。
そして、明らかに敵意を持って存在しているという共通点が、逃げ場をなくします。
その怪物テュポーンに立ち向かう警視庁・自衛隊の面々の仲間意識、使命感、絶望に屈辱。
応援・同情・歓喜・達成感。彼らのプロフェッショナルに共感します。シンプルだけど、呼び方ひとつで変わるんだよなぁ。
ある科学者の挫折と暴走の結果、この世に発現した怪物テュポーン。人間と似て非なる知的生命体。ガイア理論。
ARMS?と -
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エンターテイメントとしてなかなかだと思う。そりゃあ大傑作「ソリトンの悪魔」に比べたら驚きも興奮もイマイチだが、ジャンルも違えば3ケ月連続発売ということで狙っているところも違うんだろうし、これはこれで良いと思う。買っただけの価値はあったしね。
まあ、SF的な設定はあっても、薀蓄にプラスされる発想の飛躍が(過去の作品に比べれば)あまりなく、知的興奮度は低めか(でもこの作品にはバランス的に丁度良いのか?)。物語もごく限られた人間の中で終結してしまうのでスケール感はあまり無い。敵の怪物度がもう一つ突き抜けていない。その辺りがやや不満点。作者のポテンシャルの高さを知っているだけに惜しい感じ。でも、 -
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やっぱりシリアスになりきれなかった雅之。
最後の場面なんか、本当なら怖い話だと思うんですが・・・。
シャーマンの話とか人類の進化の過程まで言及していて、
なかなか興味深かったのに。
ちょっともったいない感じがします。
一応表面的な出来事はまるく収まったようですが、
雅之が実際に対面した人々は氷山の一角で、
シャーマン一族の全体像は謎のまま。
更には世界中にいるらしいシャーマン達や「神」のような存在も、
会話にチラッと出てきただけで終わっちゃった。
そっちの方が気になる。
大きなテーマ・・・人類の進化などを背景にしながら、
自分の体と心の(人知を超えた)変化を、
舞さんの存在だけで納得できてしま -
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前回、諦めていた心臓移植が適い、
命拾いして喜んだのもつかの間、
今度は得体の知れない記憶や体の変化に不安を覚える雅之。
今回、その謎が徐々に明らかになっていきます。
まず病室を訪れた謎の人物達の身元と、シャーマンという存在。
そして移植された心臓が原因で、
覚えのない記憶と能力に目覚めていくということ。
それにしても雅之が年齢より幼く感じます。
多分雅之のリアクションが独白も含めてストレートだからでしょう。
人間不安になれば少しは負の感情も出てくるでしょう?
殺されそうになったり、結構酷い目にあってますが、
それでも舞さんに気を取られているあたり、
無邪気というか、能天気というか・・・。
お -
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主人公の雅之はちょっと意外な感じがしましたが29歳。
表紙の絵からもう少し若いと勝手に想像してました。
粗筋は内容紹介のとおり、タイトルで分かるとおりまだ続巻があるので、
真相や結末はまったく分からず導入部といったところでしょうか。
でも他人の心臓が体内にあって、
日々侵食されていくように自分が自分ではなくなっていく、
そんな恐怖は充分伝わりました。
冒頭の移植手術の場面や、
本来移植の順番はまだまだ先の筈だった雅之が、
幸運に次ぐ幸運の末繰り上げとなって手術に至った件など、
裏というか真相がありそうな気もします。
タイトルは連続殺人犯を表しているのかもしれませんが、
心臓移植後、雅之の体に起 -