山川健一のレビュー一覧
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「ブログ文章教室」となっているが、もっと幅広く「文章」というものの本質について深い考察をしている。著者は作家なので文学について見識が深いのは納得なのだが、そこにITやウェブの分野での経験も加わることによって独特の文章読本となっている。というよりも、インターネット上での書き込みが一般化して現在では、むしろこうした視点での「書き方講座」のほうが普通なのかもしれない。
鉛筆で書こうがキーボードで打ち込もうが文章の本質は変わらない。ただ「書く」という行為を一つの「運動」としてみた場合、やはり筆記具をクルクル回しながら考えるのとパソコン画面を見ながらのそれでは頭の動き方も異なる。そうなれば文面に現 -
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大好きな山川健一氏のノベライズ本。やっぱり、この人の文体というかタッチは肌に合うようで、しっとりじっくり楽しく読めました。
さっそく動画を見てみたところ、小説の第2章「出会い」は存在しなかったので、これは山川氏により追加された部分です。(確かに、”水平対向エンジン”の黄色いビートルや”単気筒の”オートバイ、ロックミュージック(ビートルズやロッド・スチュワート)、さらにはSE/30など、氏の好きなものがわんさか出たので間違いなし!)
2016年に公開されたこの映画は、「池中玄太80キロ」を作った石橋冠監督によるもので、佑馬役に竹野内豊、瞳役に新人の高橋ひかるを起用、その他、豪華俳優陣より、富 -
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カフェテラスの待ち合わせ。叩きつけるように降る雨の中のクルマ。コーラ・ブラウンのストッキング。ストリートの上のキス。
女の子達は、DJの「ぼく」がかけるレコードに合わせて踊っている。THE POLICE/MESSAGE IN A BOTTLEのリクエスト・カードに添えられた、別れのメッセージ。
友人の山口が書こうとしている『カンサー』というタイトルの小説。二人の共通のヒロイン、宏子のアート。不思議に優しい、三角関係。真夏のビーチに建てられたピンクのハウスが、三人のベースだった。
スーパートランプ、ポリス、オーティス・レディング、スプリングスティーン。ビートの中を駆け抜ける、アスファルト -
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実はストーンズはあまり聞きませんでした。どちらかと言うとビートルズ派でしたが、ストーンズの黒っぽい音のかっこよさを横目でみていました。しかしここまで長い間転がり続けるとそれは歴史的な価値をも生み、ストーンズがロックの歴史となってしまいます。あの独特の音はブルースをベースにしたロックの発明によると著者も言っています。振り返ってみればロックと言ってもブルースロックと言われるロックが好きでした。クラプトンやサザンロック、カッコいいギターリフ、特にブルースで多用されるスライドギターの音に惹かれてブルースロックをよく聞いていました。読めば又違った見方でストーンズが聞きたくなる本。ロック最長不倒距離を更新