あらすじ
落伍者のフリした、人間関係の天才。
男女の疑問は、太宰に聞け!
生身の女に全身でぶつかり、太宰治は三十九歳で死んだ。
太宰治の、文学上の共犯者となった「五人の女たち」
最初の心中相手で、一人絶命した「田部あつみ」
最初の妻で不貞をはたらき離縁された「小山初代」
『ヴィヨンの妻』の“椿屋のさっちゃん”のモデルで、二番目の妻「津島美知子」
『斜陽』のために自分の日記を提供した「太田静子」
玉川上水で太宰との心中を遂げた「山崎富栄」
二十一歳の太宰治が心中を試みた時、相手の女・田部あつみは、死の直前で他の
男の名前を叫んだ。それに気づいた彼は、二人を固く結んでいた手首の紐を断ち切って、一人生き残る。太宰治の小説はすべて、女の嘘から始まったのであり、
常に生身の女を描いたものだった──。太宰治の作品と人生、そして、そこに介在し小説モデルにもなった五人の女たちを紹介しながら、男女の機微をも読み解く
画期的な一冊!!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
著者が太宰のことを書くとロックスターみたいになるだろうなぁと思っていましたが、期待通りの内容。太宰の台詞を引用した模擬インタビューは軽くロックスターのレベルを超えてかっこよすぎて笑ってしまいます。小説家が太宰のことを一冊の本にするのは大変勇気のいる作業と思います。文学論は避けて女のことだけを取り上げたとのことですが、女性と太宰の作品の密接な関係をわかり易く解説しており、十分に文学しています。太宰と女性にたいする著者の思いも強く感じます。昭和初期は、文学が先端だったと気付かされます。
Posted by ブクログ
太宰治の人生について、彼に関わった女にフォーカスを当てて書かれた本。はじめて太宰関連の本を読んだ。著者が男性ということもあり、共感できない部分もあったが、おもしろかった。太宰治は、女性読者よりも、男性読者をシビれさせるほうかも知れない。いますぐ太宰の作品が読みたい。
Posted by ブクログ
男・太宰治の人生を、彼を取り巻いた女たちから考えた本。
これを書いた人は太宰治が好き。
そして、その周りの女たちのことも、
分け隔てなく好きであるように感じられた。
とても面白く最後まで読めました。
Posted by ブクログ
まず、読み始めてようとした瞬間にお風呂に水没。ちょっと泣いた。ペリペリはがしながらよみました。
太宰は、自分のこと好きすぎて、一人で死ねなかったんだろうなぁ。