中場利一のレビュー一覧
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トシの喧嘩は、オラの喧嘩だ!
普通のいわゆる新選組と違う、なんとも柄の悪いお兄さんたち!主人公は歳さんです。試衛館から池田屋までなので、新選組にとったら一番いい時期なのではないかな。ですのでとても安心して読めます。尊王攘夷や、倒幕といった幕末の思想は基本的に関係無しに暴れ回る新撰組がとてもすてきです。「おれは売られた喧嘩は買うんだよ!」というチンピラ姿勢。あの時代の主義主張というのは同じ方向に向かえる機会が本当にたくさんあったのに、各藩、幕府、朝廷、の益や意地がそれを良しとしなかった、とても切ないものだったように思います。勝や小栗、容保が幕府の側から、慶勝が尾張から、松蔭が長州から、島津が薩摩 -
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ベタベタの大阪出身の作家にはついつい惹かれてしまうのが大阪人。大阪府岸和田市出身だという著者の面白そうなタイトルとジャケットを見て即買い。
主人公の健二は長距離トラックの運転手。妻の香織はといえば、家事全般が苦手なうえに、金は空から降ってくるとでも思っているのかクレジットカードで買い物し放題。まだ2歳半の娘の詩織を連れて出かければ、詩織の存在を忘れてひとりで帰ってくることもしょっちゅう。だけど美人でナイスバディの香織を健二は愛している。ところがある日の夫婦喧嘩後、数日経ってから健二が帰宅すると、部屋の中から一切合切の家具が消えていた。蛍光灯まで持って香織は家出したらしい。しかも詩織を健二の実 -
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みんな大好き新選組。ですが、歴史小説を読んだことのない私です。新選組の本がどれなんかもわからずウロウロしていたところ、見つけたのがこれです。表紙がどうみても土方さんなんで、解説がどう見ても重松清なんで。そんなわけで。
まず、歴史小説らしからぬ文体で読みやすかったです。「この人はこういう逸話があって、後々こういうこともあるんだけれどね、余談だけど」みたいなのを小出しにしながら語る不思議な文章です。
ストーリーは新選組を結成する前、京都に上がり、あの手この手で一団を大きくし、規律を作り、統率し、そして池田屋事変…!!というところで終わります。そのあと、新選組が悩み、迷い、そして散り散りになると