川島誠のレビュー一覧

  • セカンド・ショット

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    少年という存在の気持ちよさもやさしさと残酷さも、あまりにも繊細な心の痛みも、のぞきみえる官能すらも―思春期の少年がもつすべての素直な感情がちりばめられた短編集。

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    2016年11月15日
  • もういちど走り出そう

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    「彼女が単に、とても植物園にいることを楽しめるということ。それ自体を私はうらやましく思った。
    なぜなら、私の場合は、同じくらいの喜びを得ようとするなら、四〇〇メートル・ハードルをしなければならないのだ。」
    なんだかここが好き。鞠子という名前も可愛くて好き。

    はじめは文体に慣れなかったが段々と楽しめた。
    読んでる最中はそんなに古い小説だと思っていなかったが最後の方で出てきたインプラントの記述を見て奥付を開いてみると1994年刊行でびっくり。文体も昔の本だからなのかな。
    この作者の最近の小説を読んでみたいと思った。

    あと、題名がダサいと思う。

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    2016年08月14日
  • 800

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    二人の視点で話が描かれている。
    最初気がつかなくて違和感がすごくあった。

    気づいた時に最初から読み返してしまった。
    陸上部だった高校生の時に勧められて買って、
    それから10年経ってやっと読んだ。

    もっと早く読んでいれば当時勧めてくれた人のことをもっと理解できたかもしれない。

    本ってそういうもの。
    と思えた一冊。

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    2015年08月17日
  • もういちど走り出そう

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    35歳の主人公。
    妻は美人でスタイルもよく、娘はもちろん(なぜもちろん?)可愛らしい。
    普通の歯科医院より3倍も多く設備やデザインにお金をかけた個人歯科医院を経営し、丘の中腹に建つゴージャスなマンションでは、後付けで工事してもらって寝室で有線放送も聞けるんだってさ。
    主人公の車はボルボ、妻の車はプジョー。
    本人はスポーツマンで、金もセンスもある。
    とことんいけ好かない奴ではないか。

    で、妻が、いつの間にか小説を書いていて、新人賞を受賞し、売れっ子として活躍しだしたところから夫婦の歯車が狂いだす。

    それのどこが挫折なんですか?
    甘ったれるのもいい加減にしろ。
    確かに妻の書く小説は、過激な性描

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    2015年03月17日
  • セカンド・ショット

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    青春とスポーツと性という、明るいもやもやを書かせたらうまいひとという印象が強かったけど、この作品集は割と暗い色合いが強かった。

    世の中に責任がなくて、スポーツをしているときだけ充実していて、あとは女の子のことで頭がいっぱいな中学生・高校生。
    親の無理解に押しつぶされて、声にならない悲鳴を上げている子ども。

    どちらもリアルに繊細だ。

    私が中学生男子だったら、ものすごく共感できたのかもしれない。
    でも、悲しいけれどもう大人になってしまった私には、彼らの気持ちを忖度することはできても、共感することはもはや難しい。

    ただ「田舎生活」や「ぼく、歯医者になんかならないよ」から聞こえてくる悲鳴を、絶

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    2014年11月18日
  • 夏のこどもたち

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    4編の短編集
    裏表紙に「少年たちに衝撃を与えた傑作青春小説!」とありますが、キラキラした青春じゃないです。表紙に騙されてはいけない。生々しい。それを良しとするかどうかで好き嫌いが分かれそうだなあ。

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    2015年12月06日
  • セカンド・ショット

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    とにかく勢いを感じた。
    作中に、小中学生が喜ぶお下劣な表現がよく登場するところ
    からも特にね。

    勢いだけで面白く感じたものもあれば、なるほどと唸らせるもの
    も確かにある。

    じっくりと(まじめな)長編を読んでみなければなんとも
    分からないが、この短編集における作風の印象はまあまあ
    普通という感じ。

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    2012年09月23日
  • 夏のこどもたち

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    ネタバレ

    なんだろう。「好み」だって思う気持ちと「それほどのものか」と思う気持ちが交互に表れる作品。表題作の他に3篇入ってるけど、それも「いい」と思う気持ちと「ふーん」って醒めた気持ちが同居してる。もっとやっちゃてもよかったのかな?もしくは切り口はいいけど、寸足らず?って感じ。川島誠らしい「青春」に生きてる子が主人公で、そのスピード感は絶品なんだけど・・・なんとも。 でも、きっとかみ締めればかみ締めるほど味は出てくる作品なんだろうなと思う。左目がないことと、見えること見えないこと、見ようとしないこと、親との関係、クラスメートとの関係、教師との関係、恋人との関係・・・etc。斜に構えて物事をとらえて、いろ

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    2012年08月26日
  • 800

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    冷静沈着、既に上位の記録を持つ広瀬と、バスケから陸上へ転向、常にトップでありたいがる中沢。この二人の視点を交互に置き、800メートルという競技を視界に残しつつ、ストーリーは進んでいく。青春小説。でも、恋愛小説。
    話的には、とても淡々と。二人の物語は、口調の上下はあれど、私的にはとても、淡々。
    だた、時折彼らの会話のにものすごいリアルを感じてしまう・・・その瞬間が痛いかな。
    私のこの時代は、こんなにもスピード感があったのかしら?なんてね。

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    2012年08月15日
  • 夏のこどもたち

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    この作品って1991年刊!?とても驚きました。作風が、あまりにも新鮮に感じたものですから(@_@)しかし賛否両論ありそうですね。私も新鮮には感じたものの、全面的に好きとは言えません。読んでる最中何度も指で背中をツゥってやられてるような薄気味悪さを感じましたし、表題作の主人公・朽木君に魅力を感じませんでした。でも好きに感じた部分もあります。終盤、彼がショックに体を硬直させてしまうところ…とても生身の中学生っぽくて同情してしまいました(・_・)

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    2012年05月03日
  • 800

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    優等生の広瀬と、野生児の中沢が、800メートルという競技を舞台に青春する小説。
    距離を測って、800メートルも恋愛も着実に計算高くこなしていく広瀬。それに対し、真っ直ぐで最初からぶっ飛ばして、恋愛も好きになれば目もくれない。練習も野性的な中沢。

    よくある青春物語の設定だが、広瀬中沢どちらの面も人間は併せ持つため、交互に綴られるストーリーに俺はどっちなんだろうか?とか考えながら読み、思慮深い気持ちに浸るのも良い。

    800メートルという全く興味のない競技も丁寧な描写と、読み易い文体ですいすい読める。青、汗、風、恋を感じるエネルギーを閉じ込めた小説だ。

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    2012年03月24日
  • もういちど走り出そう

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    最近読んでいた川島誠とは一味ちがう。でも主人公の歯科医もかつてインターハイハードル選手だった。幸せな家庭。妻が小説で新人賞を取るまでは。
    年を取ると軽く、速くは走れない。でも、意味をたくさん背負って走るんだ、もう一度。

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    2012年05月28日
  • 800

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    これが青春小説なのかも。 
    800を走る中沢と広瀬の対比と友情。確かに「型破りにエネルギッシュなノンストップ青春小説」だ。

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    2012年05月28日
  • 夏のこどもたち

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    表紙と題名から爽やかな話を想像していたらそうでもなかった。

    主人公のドライになりきれない感じがなんとも。

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    2012年02月12日
  • 800

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    ネタバレ

    最初は、どうも、語り口調が…う~ん…だった。
    中沢くんにどうしても腹がたつ。
    でも最後の方はそうでもなかったです。
    むしろどうやって終わるんだろう、と思ったし。

    ただ、やっぱり「一瞬の風になれ」が大好きだから
    期待が大きすぎたのかもしれないです。

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    2011年10月17日
  • 800

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    優等生の広瀬と、野生児の中沢。対照的な二人の高校生が走る格闘技、800メートル走でぶつかりあう。軽い語り口のスポーツ小説。ライトで楽しく読めて、800のよさもしっかりつまっています。

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    2011年09月26日
  • ロッカーズ

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    フィクションだけど、
    ロックスターの自伝ふうにかかれていて
    私にとっては新鮮で面白かった。

    あまり好まないシーンも多かったけど
    読めてよかったなぁと思う。

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    2011年09月17日
  • 800

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    文章のスピード感というよりは、テンポてきな部分にスピード感を感じた。中盤少し、ん?となったけれど、読み終わってみれば、もう一度読みたくなったので、評価があがるような気がする。

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    2011年07月27日
  • 800

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    日記だな、ほとんど。
    ざっくりとした喋り口調で読みやすく面白くはあるんだけど軽い。
    大分性の話にウェイトが置かれてる気がするが、陸上と性の繋がりがあまりないように思われる。爽やかなスポーツをオブラートに性的な話を包みたかったのかな?

    しかし如何せんどいつもこいつも貞操観念を持ち合わせていない。

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    2011年06月23日
  • 800

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    さすがというか、さわやかな展開の中で性を書く。いやそれもまたさわやかさなのか?とにかく陸上をテーマにするのは合ってる。おもしろいなー

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    2011年06月16日