あらすじ
――なぜ800メートルを始めたのかって訊かれたなら、雨上がりの日の芝生の匂いのせいだ、って答えるぜ。思い込んだら一直線、がむしゃらに突進する中沢と、何事も緻密に計算して理性的な行動をする広瀬。まったく対照的なふたりのTWO LAP RUNNERSが走って、競い合って、そして恋をする――。青空とトラック、汗と風、セックスと恋、すべての要素がひとつにまじりあった、型破りにエネルギッシュなノンストップ青春小説!
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Posted by ブクログ
走る中で自分を見つめ直し、精神を研ぎ澄ます。そんな彼等と対峙する少女達も自ずから精神性を向上させていく。対照的な二人のランナーと、彼らの出会う仲間達による、情熱的かつ優美的な物語。個人的に非常に好みでした。
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自分の中の青春小説NO1。
高校生のときになんの予備知識もなく読んだので色々な意味で衝撃的だった。(相原さんと広瀬!?ええー!みたいな)
対照的な2人の主人公の一人称で語られていくストーリーはとても青臭くそれでいて大人びていて時々恥ずかしくなるがそこが良い。
定期的に読みたくなる大好きな本。
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この文庫も夏が近づくと読みたくなる。広瀬と中沢が交互に語っていく。全く方向性の違う2人が800mという競技で相対する。理論派の広瀬と感情派の中沢。だが、理論だけではどうにもならない衝動や感情だけでは答えの出ない関係。中距離走とセックスって似てる気がする。
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ある人に誘われて読みました。なかなか爽やかな青春小説です。
読み始めは中沢のキャラに引っ張られて、なんだかスラムダンクみたいという感想でした。確かにキャラがみんな極端で、そういう意味では漫画チックな印象は最後まで残ります。
しかし、後半は恋愛模様が入ってきて俄然冴えてきます。
ただ、私には一寸若すぎるなというのが感想です。しかし、著者の川島さん、ほぼ私と同年齢なんですね。もっとも1992年の作品ですけど。
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終盤、躍動感があって良かった。タイプの全く違う二人だけど、自然と切磋琢磨してる状況が微笑ましかった。それにしても、女性陣はみんな大胆なキャラクターだった。
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陸上の800m走を専門種目とする、2人の男子高校生が主役の青春小説。元800mランナーとして手に取らずにはいられませんでした。
競技中の描写を読むと、未経験の方にも800m走、あるいは陸上競技の良さが伝わるかと思います。R18的な部分が強いのが少し残念。
Posted by ブクログ
情熱的で健全な、高校生のTWO LAP RUNNERとセックスの話。
江國香織が言っていたようにどこかポエジーを感じさせる描写が心地良い。とてもリズミカルで。
読んでいて、走りたくなった。
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面白かった。
それぞれのキャラクターが魅力的で、テンポも良くて、800のスピード感も伝わってきて、グイグイ引き込まれました。
中・長距離経験者としては、もう少しレースのシーンを増やして欲しかったなぁ。
Posted by ブクログ
陸上競技が題材になっている青春小説です。陸上競技を扱っている小説は数あれど(そしてわたしは全てを読んだわけじゃないけれど)川島誠さんの小説がいちばん好きです。この小説のどこが好きかと聞かれれば、説明し辛いです。読んでいる間も楽しいし、読後も楽しい気分になれます。
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二人の主人公の視点で同時進行していく、800メートルを走る少年たちの青春小説。
二人の性格の違う主人公や、出てくる女の子はみんなキャラクターがたっていて、つまりは全然リアルじゃないんだけれど、生き生きしている。
800メートルの競技シーンは、二人の視点が交互に切り替わることで展開を軽々と描かれていて、その他のシーンもテンポがいい。
中高生にしては性に奔放すぎたり、全然爽やかなストーリー展開じゃないのだけれど、全体的にすごくさわやかに感じる。
青春映画のような小説だと思う。
Posted by ブクログ
「なぜ800メートルを始めたのかって訊かれたなら、雨上がりの日の芝生の匂いのせいだ、って答えるぜ。」で始まるこのストーリー。
実は決して爽やかでもないんだけど、実に爽やかな青春モノ。
面白くて1日で読んじゃいました。
やんちゃで不良っぽくて女好きの中沢と真面目で優等生の広瀬。
この対照的な二人の生活や思いが一人称、二元中継、同時進行でリズム良く語られます。
800m走という欧米に比べて日本ではあまり人気の無い競技だけど、広瀬が語る800mの魅力。日本では人気のないこの種目の面白さ、難しさを語っていて新鮮!
そして彼らのラブストーリー。
中高生なのにちょっとセックスに奔放過ぎない?って思う点もあるけど、そこがこの小説を爽やかに重たくしていない要素かも知れません。
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5年以上前に読んだけど、10代の爽やかなエネルギーを感じてあっという間に読めたような気がします。何かに夢中になって真剣に勝負するっていうのはもうないだろうなぁ。
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陸上にかける青春。優等生の広瀬と野生児の中沢。全く正反対の少年二人の800mにかける戦いと恋愛を描いた青春小説の傑作。これほどキラキラしてリアルな若さを描ききった小説は中々ありませんよ。自分自身が学生時代体育会系な青春を送っていたのでなんとも懐かしく、甘酸っぱい思いに浸れました。できれば10代に読んで欲しいな。角川文庫。
Posted by ブクログ
10代の頃に初めて読んで気に入って、遠く離れたこの地まで連れてきていた一冊。ページをめくるのは実に15年以上ぶりで、物凄く久し振りの再読である。
読み出す前から、薄々感じていたことが裏付けされていく数日間だった。今の私の感覚では、もうこの作品を純粋に楽しむことができない。出産を経験したことが大きいのかもしれないが、明らかに子どもである登場人物がカジュアルに法律違反してしまうのが、もう駄目で。それが物語の中で重要な鍵になっていたりとか、キャラクターを引き立たせるための行動描写だったりは平気なのだけれど、ここではみんながみんな当たり前のように受け入れている。いや、わかる、昔は大らかだったの。その空気感はしっかり経験してるからわかってはいるんだ。ただ「当たり前」で「イケてる若者は皆そうでしょ?」みたいなのが、もう感覚的に受け入れられない。性的な触れ合いも、微妙さを感じて現実に引き戻されてしまうことがままあった。
でもやっぱり、文章の疾走感は圧倒的に清々しくて。中沢と広瀬のコントラストと、交わる関係性とを乗り越えた先にある新人戦のレースは改めて読んでもゾクゾクする。一人称だからだろうか、800mを駆け抜ける二人の身体感覚にシンクロできるのが気持ち良い。ラストのレース描写によって、青春の爽やかさはしっかりと得られた。
そう、爽やかさは確かに感じはしたのだけども……若かりし頃とは作品の印象ががらっと変わってしまったことが寂しい。あと地元出身者として「相模湾はそんなにきれいだったかなあ……」という野暮な疑問さえ頭をよぎった。作品を摂取するには適切な年代がある場合もあるんだなあ……と、しみじみと今、考えている。
Posted by ブクログ
水と油のような二人の高校生目線が交互に入れ替わって話が進んでいく。
走ることの気持ち良さが夏の爽やかな風、キラキラした日差しの雰囲気と共に伝わってくる。
高校生らしい、友人や恋愛・性に関する悩みとかがあって陸上一色で生きてる訳ではないリアルさがある。
物語の結末のレースに立った時「自分らしさ」を求めて走る姿が爽快だった。
Posted by ブクログ
二人の視点で話が描かれている。
最初気がつかなくて違和感がすごくあった。
気づいた時に最初から読み返してしまった。
陸上部だった高校生の時に勧められて買って、
それから10年経ってやっと読んだ。
もっと早く読んでいれば当時勧めてくれた人のことをもっと理解できたかもしれない。
本ってそういうもの。
と思えた一冊。
Posted by ブクログ
冷静沈着、既に上位の記録を持つ広瀬と、バスケから陸上へ転向、常にトップでありたいがる中沢。この二人の視点を交互に置き、800メートルという競技を視界に残しつつ、ストーリーは進んでいく。青春小説。でも、恋愛小説。
話的には、とても淡々と。二人の物語は、口調の上下はあれど、私的にはとても、淡々。
だた、時折彼らの会話のにものすごいリアルを感じてしまう・・・その瞬間が痛いかな。
私のこの時代は、こんなにもスピード感があったのかしら?なんてね。
Posted by ブクログ
優等生の広瀬と、野生児の中沢が、800メートルという競技を舞台に青春する小説。
距離を測って、800メートルも恋愛も着実に計算高くこなしていく広瀬。それに対し、真っ直ぐで最初からぶっ飛ばして、恋愛も好きになれば目もくれない。練習も野性的な中沢。
よくある青春物語の設定だが、広瀬中沢どちらの面も人間は併せ持つため、交互に綴られるストーリーに俺はどっちなんだろうか?とか考えながら読み、思慮深い気持ちに浸るのも良い。
800メートルという全く興味のない競技も丁寧な描写と、読み易い文体ですいすい読める。青、汗、風、恋を感じるエネルギーを閉じ込めた小説だ。
Posted by ブクログ
最初は、どうも、語り口調が…う~ん…だった。
中沢くんにどうしても腹がたつ。
でも最後の方はそうでもなかったです。
むしろどうやって終わるんだろう、と思ったし。
ただ、やっぱり「一瞬の風になれ」が大好きだから
期待が大きすぎたのかもしれないです。
Posted by ブクログ
優等生の広瀬と、野生児の中沢。対照的な二人の高校生が走る格闘技、800メートル走でぶつかりあう。軽い語り口のスポーツ小説。ライトで楽しく読めて、800のよさもしっかりつまっています。
Posted by ブクログ
文章のスピード感というよりは、テンポてきな部分にスピード感を感じた。中盤少し、ん?となったけれど、読み終わってみれば、もう一度読みたくなったので、評価があがるような気がする。
Posted by ブクログ
日記だな、ほとんど。
ざっくりとした喋り口調で読みやすく面白くはあるんだけど軽い。
大分性の話にウェイトが置かれてる気がするが、陸上と性の繋がりがあまりないように思われる。爽やかなスポーツをオブラートに性的な話を包みたかったのかな?
しかし如何せんどいつもこいつも貞操観念を持ち合わせていない。