あらすじ
電話がなっている。だけど、ぼくは、電話器をとることができない。いまのぼくには、君と話をする資格なんてない。だって、ぼくは……。あわい初恋が衝撃的なラストを迎える幻の名作「電話がなっている」や、バスケ少年の中学最後の試合を爽快に描いた表題作。少年という存在の気持ちよさ、やさしさと残酷さ、あまりにも繊細な心の痛み、のぞきみえる官能――思春期の少年が持つすべての素直な感情がちりばめられた、みずみずしいナイン・ストーリーズ。
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「800」と並んで傑作に推したい。
9編からなる短編集で、3編目「電話がなっている」は普及の名作。衝撃的なラストは誰もがビビるはず。明るい作品からホラータッチなものまで、中学生を通して描かれる人間の本質は、どこか鬼気迫るものがあります。
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青春のひとこまひとこまを写し取ったような作品たち。爽やかかと聞かれれば読んでみてくださいとしか言えませんが、学生時代の甘い想いやほろ苦さをどこかで思い出します。
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代表作のセカンド・ショットもさらりと読める。個人的に「消える」「田舎生活」「電話がなっている」がすごく好きです。電話がなっているは、本当に驚いたラストだった。甘酸っぱい甘い恋が残酷で哀しい物語に変わるラストは是非読んで欲しいと思う。ハッピーエンドが好きな人にはオススメできない。
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川島誠で一番印象に残っている短編集。
大学生の時に僅か十数ページの短編「電話がなっている」で、3日間ご飯が食べられなくなった思い出深い一冊。淡々としているようで、がっと飲み込まれるような筆致には恐怖すら覚える程。ホラーよりも怖い青春小説、個人的には。
10年位前に読んだ時は若干トラウマだったけれど、今ならそれ位揺さぶられた方が人生にとっては良いのかなって変わってきた。問題作みたいな名作。
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「電話がなっている」の衝撃は半端じゃない、頭をがつんと殴られたような。でもそれを追い掛けて涙まで出るのがこの小説のすごいところです。しかも短編。私の感涙最短記録です。
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川島誠初の短編集。
ぎょ!っとする様な物語の提案にひやひやしますがそれがかえって快感になる不思議。
主人公の一人称で物語が進んでいくので大変読みやすいです。
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…かったりー。すべきことは知ってるさ…
現実と距離をおいた時にこぼれる言葉たち。
…なら、実行すれって?ってか、今は無理…
結局強がりだと感づかれる言葉たち。
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全てが輝いてばかりではない、ちょっとだけ気持ちが裏返されている淡い雰囲気の短篇集。とくに、表題作のセカンド・ショットは最高にユーモラスですよね。
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”君がいま、本をとじると、ぼくは消える。君は、まあ、ぼくのことは、二度とおもいださないだろう。”(消える。)9つの短編集。読み終わった後、ぽっかりと空いている穴に放り込まれたような気分だった。
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★3.4
短編集だったのか
もっと青春キラキラ胸キュンな感じかと思ったら けっこうひねくれててハード
17歳で読んだほうがいい作品だな ヒリヒリしてモヤモヤしてイライラした 持って行き場のない焦燥感や苛立ち 閉塞感 ひとすじの光は差すようで差さない
最近はこういう小説ってあまりないような(あるのかな?) 1990年代前半に書かれたものが中心 あの頃っぽいといえばそうなのかも
「電話がなっている」高校入学時にA~Eランクに分けられてしまうSFがけっこうヘヴィ
「悲しみの池、歓びの波」これグッド
すべては混ざり合って温かいミルクのようになってしまうのか? だったらすべてが過ぎ去るのを頭を低くしてやり過ごせばいいのか?
「宇宙船から地球を眺めれば~なってしまうのか」
恋愛と肉欲 たまご入りカレーうどん
え? 「夏のこどもたち」の人なの? なんとなく納得
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小6の頃図書室で借りた「誰かを好きになった日に読む本」に入っていた、電話が鳴っているを読みたくて購入。
今読み返すと色々アラも感じるけれど、思春期の入口の当時の自分にはとても衝撃的な話で忘れられなかったため、また読めてよかった。
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川島さんは「800」に続き2作目。ほぼ同一路線ですけど・・・。
どうもしっくりしないのです。特に最初の何品かは。
初期の作品集なのでしょうか。完成度の低さが感じられます。テーマがあっても描ききれてなかったり、テーマが伝わってこなかったりします。また、ストーリー立ても稚拙だったり、情景の切り出し方に綺麗さが感じられません。
ただ、後半の何作品かは、そこそこの出来です。何がどう違うのか上手く言えませんけれど。
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少年という存在の気持ちよさもやさしさと残酷さも、あまりにも繊細な心の痛みも、のぞきみえる官能すらも―思春期の少年がもつすべての素直な感情がちりばめられた短編集。
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青春とスポーツと性という、明るいもやもやを書かせたらうまいひとという印象が強かったけど、この作品集は割と暗い色合いが強かった。
世の中に責任がなくて、スポーツをしているときだけ充実していて、あとは女の子のことで頭がいっぱいな中学生・高校生。
親の無理解に押しつぶされて、声にならない悲鳴を上げている子ども。
どちらもリアルに繊細だ。
私が中学生男子だったら、ものすごく共感できたのかもしれない。
でも、悲しいけれどもう大人になってしまった私には、彼らの気持ちを忖度することはできても、共感することはもはや難しい。
ただ「田舎生活」や「ぼく、歯医者になんかならないよ」から聞こえてくる悲鳴を、絶望を、目をそらさず見ていることしかできない。
短い作品。
薄い本。
ずっしり重たい読み心地。
Posted by ブクログ
とにかく勢いを感じた。
作中に、小中学生が喜ぶお下劣な表現がよく登場するところ
からも特にね。
勢いだけで面白く感じたものもあれば、なるほどと唸らせるもの
も確かにある。
じっくりと(まじめな)長編を読んでみなければなんとも
分からないが、この短編集における作風の印象はまあまあ
普通という感じ。
Posted by ブクログ
電話がなっている。君からだ。だけど、ぼくは、受話器をとることができない。いまのぼくには、君と話をする資格なんてない。だって、ぼくは・・・。
やっぱり読みやすい川島さんの短編集です。結構衝撃的な作品もあります。「サドゥン・デス」が一番好き。あとは微妙かも;