あらすじ
朽木元。中学3年生。5教科オール10のちょっとした優等生。だけど、ぼくには左目がない――。世の中を冷めた目で見る少年が突然、学校一の問題児と一緒に校則委員になるように、担任教師から指名されて……。クールで強烈な青春を描いた日本版『キャッチャー・イン・ザ・ライ』ともいうべき表題作に、単行本未収録短編「インステップ」ほか2作を収録。少年たちに衝撃を与えた傑作青春小説!
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
また、来年になれば、夏は来るのだ。それに、秋だって捨てたもんじゃない。
人生は、まあ、たぶん、こんなもんだ。
志村貴子の表紙が、本当にピッタリです。
(笑われたい/インステップ/バトン・パス.併録)
Posted by ブクログ
どの短編も好きだけど、やはり「夏のこどもたち」。主人公はこどもじゃない。かといっておとなでもない。何しろ中学生。グッてきた。隻眼でサリンジャーで犯罪ギリギリで青春。楽しかった!そして「笑われたい」の池上くんにまさかのキュン。何を考えているのかわからないところに唐突なときめきを覚えました。
Posted by ブクログ
よかった。小中学生のときって、狭いけど、意外とクールで冷静な感情を持っていたのかもしれない。いろいろあった中学時代をちょっと思い出して、自分を重ねたりしてみた。読み口は軽いけど、メッセージ性も高くて、ストーリーも面白い。またこの作家の本をよんでみよーっと。
Posted by ブクログ
とてもよかった。文庫うしろには「日本版『キャチャー・イン・ザ・ライ』ともいうべき」って書いてあって、それを言っちゃあ……という気もしないけど。
片方の目でクールに世界を見つめる「ぼく」を取り巻く、家族、学校、女の子。いろんなことが起きる中3の夏。
「ライ麦…」「赤ずきんちゃん…」と連綿と続く『悪態つき少年視点小説』なわけだけど、1991年の作品なのでそこに描かれているのは現代の少年、と彼を取り巻くいろいろな出来事であって、それに対する「ぼく」の語り口は上記2作品に比べてさらにクールで淡々としていながらも、友情とか、性とか、初恋とか、そういうものに対する感情がさりげなく浮かび上がってくるところが良い。
「ぼくは、片目なのが悲しかった。両方の目が見えれば、もっと中井のことをよく見ていられるのに。」
しかし僕はこういう、「夏+少年(+少女)」のストーリーがほんとに好きだなあ。
Posted by ブクログ
「800」の印象が強く、川島さんは青春小説の作家さんと思っていたのですが、この作品はもっと若いですね。むしろ児童小説です。もっとも私の認識不足で、川島さんは児童小説作家と言う事になってるようですが。
私の年の人間が読むには少々面映い気もしますが、中学生らしさが一杯の、でも変に甘くない、なかなか良い作品でした。文体は少々懲りすぎの気はしますけどね。
背表紙にある「日本版キャッチャー・イン・ザ・ライ」のキャッチフレーズは大げさすぎますけど。。。
Posted by ブクログ
文字が大きくて、口語体で話が進むから読みやすい。
でも結局何が起きて、どう変わったんだろう。
事件は起きるけど、その前と後の変化がないように思う。
この小説の特徴…メッセージ性がないこと?
ただ淡々と進むのが却って心地よいのかも。
Posted by ブクログ
4編の短編集
裏表紙に「少年たちに衝撃を与えた傑作青春小説!」とありますが、キラキラした青春じゃないです。表紙に騙されてはいけない。生々しい。それを良しとするかどうかで好き嫌いが分かれそうだなあ。
Posted by ブクログ
なんだろう。「好み」だって思う気持ちと「それほどのものか」と思う気持ちが交互に表れる作品。表題作の他に3篇入ってるけど、それも「いい」と思う気持ちと「ふーん」って醒めた気持ちが同居してる。もっとやっちゃてもよかったのかな?もしくは切り口はいいけど、寸足らず?って感じ。川島誠らしい「青春」に生きてる子が主人公で、そのスピード感は絶品なんだけど・・・なんとも。 でも、きっとかみ締めればかみ締めるほど味は出てくる作品なんだろうなと思う。左目がないことと、見えること見えないこと、見ようとしないこと、親との関係、クラスメートとの関係、教師との関係、恋人との関係・・・etc。斜に構えて物事をとらえて、いろいろ起こって、いろいろ考えて、滑るように過ぎていって。ふーんと思いながら、主人公は多感に感じていて、それをきっと無視して生きてて、でも覆いかぶさるように思い出されたり、否応なしに突き出されたり。飄々と話は進み終わるけど、なんて沢山詰め込まれてるんだろう・・・って改めて気がつき驚く。でもなあ、やっぱり分からないw
とりあえず、帯は気に入りません。関係ないじゃん!とりあえず真ん中★×3つで。
Posted by ブクログ
この作品って1991年刊!?とても驚きました。作風が、あまりにも新鮮に感じたものですから(@_@)しかし賛否両論ありそうですね。私も新鮮には感じたものの、全面的に好きとは言えません。読んでる最中何度も指で背中をツゥってやられてるような薄気味悪さを感じましたし、表題作の主人公・朽木君に魅力を感じませんでした。でも好きに感じた部分もあります。終盤、彼がショックに体を硬直させてしまうところ…とても生身の中学生っぽくて同情してしまいました(・_・)
Posted by ブクログ
自己愛が強いくせに、それを指摘されると「まさか、勘ぐりすぎなんじゃないの」なんてヘラヘラ返しつつ腹の中ではものすごい否定して指摘した相手をガンガン罵りそうな、かなりうざい男子学生が出てくる話。
10.07.27 再読
Posted by ブクログ
少年特有の世界というか、何か衝動的なものを書いている。私がババアのせいか、ちょっとしっくり来ないところもある。最後に、この作者私と同年代と気付いた時が一番びっくりした。もっと若いと思ってたので。
Posted by ブクログ
中学三年生。五教科オール10で音楽と美術も9か10のちょっとした優等生。しかしこの子には左目が無い。そして大人の世界に一歩足を踏み入れかけた子どもたちを描いている。父親の会社勤めが忙しく、母親は酒浸りで、家庭環境はあまりよくない。
自分がこのような状態になってしまったら、耐えられないと思う。
Posted by ブクログ
左目が義眼の少年の主観で描かれる、彼の中学校生活を描いた作品。
少年が何を思い、どんなことをするか。
他人の言動に対してどう感じるか、また自分のことをどう思ってのか。
家族、友人、先生、学校生活、自分、進路などに対するこの義眼の少年の気持ちは、今の時代にも通じているかと思います。
短編も3作あり、これらもとても面白いです。
Posted by ブクログ
一番最初の話がクラスにこんなヤツいたなーって感想。
タイトルになってる話は理解しがたい、難しい。
こんな中学生いるのかな?私の過ごした中学生生活とはかけ離れすぎて、理解できない。
Posted by ブクログ
児童文学に分類していいんだろうか
そんな疑問が脳裏を掠める
私が今まで手にした数多くの児童文学は夢や希望といったものが物語の核となっていた
この作品はそのようなある種のファンタジーのようなものとは一線を画しているように感じた
生きている小学生・中学生に真っ向から挑んでいる
個人的に読後感はあまりよくない
Posted by ブクログ
この作家は日常のちょっとした不快感だとかをすごくリアルに書いている人だと思う。
いつも途中でギブアップしていましたが、表題作は最後まで読めました。
Posted by ブクログ
面白いけど、私としてはちょっと物足りない感じかな〜。表題作は結構読み応えがあった。でももう少しいろいろあっても良いかなとか勝手に思いました。売っちゃおう〜。