會川昇のレビュー一覧
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『コンレボ』前日譚。超人があたりまえのようにいるもう一つの「昭和史」。
この人の作品は、描かれていない所まで細にわたって設定が決められていて、そこから物語に必要な部分だけを書いているなー、という印象を毎回受けるのですよね。(たぶん、ここに描かれてないが、こんなことが…!と考察したくなる系ですな)
『超人』というものをただのスーパーヒーローで終わらせず、人間臭いところもある存在としたところが良いです。そして、今作では「時間移動」能力を利用して「未来が書き換えられる」状況を利用した知恵比べの様な展開、楽しめましたw
アニメ2期がこれから始まりますが、その前に読み終われて良かった良かった。 -
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坂口安吾の原案を下敷きにしたテレビアニメ『UN-GO』の劇場版をノベライズした作品。テレビシリーズ以前の新十郎と因果が出会った事件が描かれています。
内容はほぼ劇場版と同じですが、この他にオリジナル短編「日本人街の殺人」(原案「南京虫殺人事件」)が添えられており、既に鑑賞済みの人でも楽しめます。
また、本書は劇場版よりも細部に至るまで精巧に出来ているので、劇場版で理解し切れなかった部分を補完することも出来ます。推理小説としてはやや物足りないストーリーですが、原案を知っている人や『UN-GO』をより楽しみたい人なら読んで損はないと思います。 -
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仕掛之九十五「梅安残熱」
公開仕掛。敵を倒す工夫がお見事。
細かい工夫が一流の証拠といえる。
仕掛之九十六「梅安雁渡し」
闇の中でも梅安たちに気づく狂犬浪人村井。
割に合わない死闘。
仕掛之九十七「梅安因果雪」
女仕掛人の悲劇を描く。
亀右衛門さんが粋で好感がもてる。
仕掛之九十八「梅安二人羽織」
タイトルでネタバレやないか。
仕掛之九十九「梅安大番勝負」
人は良いことをしながらも同じ手で悪いこともする…
梅安と同じようなことを言う曲者同心内村登場。
仕掛之百「梅安絡繰芝居」
外道を仕掛けて早100回。
気がつけば長期連載。
そして幕府にまで仕掛人の存在が知られている! -
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SF特撮映画『ガンヘッド』の原案を元に書き起こされた小説版。主人公や基本的な設定を残し、読み物として新たにストーリーを再構築したノベライゼーションとスピンオフ作品の中間を行く展開となっており、映画、小説版の双方で楽しめるようにアレンジがなされる展開方法は1980年代後半頃から始まった映像、音楽、書籍などのマルチメディアにまたがるように商品やサービスを展開する《メディアミックス》と呼ばれる商業形態の聡明期において、映画やアニメ作品のストーリーを活字媒体として対象年齢を引き上げた「ヤングアダルト作品」として発表されただけあって構成もハードでテンポの良い展開の読みごたえは正統派SF冒険小説としての仕
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“「なんなんだ、これは?ある者には見えて、ある者には見えも聞こえもしない映像?なんでそんなものが存在する?別天王会に現れるという"獣"も同じだ。そこにいた誰もが見たという、だがあとで調べてもどこにもそんなものが存在した形跡はない」
泉は昂奮のあまり、探偵の胸ぐらを摑んでいた。
「答えろ。探偵。どうしたらこんなことができるっ」
探偵は、泉の手をとると、そっと外した。
「それが依頼なんだろう。まあ探偵なんて名乗っていたのは方便なんだが」
「方便?」
「そんなことでもしないと、この因果が気味悪がられるんでね」
「ひどいなー、ぼく気持ち悪くなんかないよー、ねー、泉ちゃーん」
探偵の -
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原作は素晴らしいのだが
原作は隆慶一郎の代表作である。期待してコミカライズ版も読んでみたのだが、長大な地の説明文や長台詞など、歴史物のコミカライズの欠点がはっきり出た作品になってしまっている。冒頭部分も原作は関ケ原合戦の緊迫した場面からいきなり始まっているのに、コミカライズ版は時系列的に並べてしまっている。残念な作品である。