清水浩史のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
しょっぱなの「エサンベ鼻北小島」から地図にない、そもそも地図に登録されたときには既になくなっていたらしい島の紹介でグッとひきこまれます。
その後もイントロや写真だけでとっても気になる島の紹介が続きます。
とりわけ、かつて有人だった島(または今も数世帯だけ住んでいる島)はどこも興味深く、文献にもその歴史がほぼ残っていない鵜渡根島(東京都新島)、Uターンして故郷を無人島にしないために奮闘されている方がいらっしゃる六島(長崎県小値賀島)、島民一人となった黒島(長崎県五島市)は強く印象に残りました。
ずっと有人島であっても、離島の歴史は興味深いことが多い印象ですが、有人から無人になった(もしくはなり -
Posted by ブクログ
「不思議な島」を巡る旅ではありません。
「島旅」は不思議な感傷を呼び起こさせること
を意味しています。
日本全国で過疎が進んでいるのですから、島で
の過疎化は本土の比ではないと思います。
しかも最後は「無人島化」してしまうのです。
戦後に無人島化したのは138島です。2020年
時点で日本の島は6852(この数値は根拠が不
明で、諸説あるそうです)の内、有人島は何と
418しかないのです。
たったの6%の有人島率なのです。
そんなはかない運命を持つ島を訪れることに
よって感じる不思議な思いが本書には込められ
ています。
日本という島国に固有の文化が生まれたのと同
様に、それぞれの島 -
Posted by ブクログ
幻島とは…
はかなげで
希少性のある
小さな島
日本には数多くの島が存在している
無人島の島、今は友人だけどいずれ無人島になるであろう島
そんな島を筆者の清水浩史さんが自ら巡っている図鑑
地図にあるけど消えた島
東北唯一の楽園島
世界遺産じゃない軍艦島
やがて海に消える島
人工的に作った島
そして誰もいなくなった島
鑑賞したくなる島
困った人を助ける島
などなど…
この本のすごいところは、著者・清水さんの島愛。
その写真や文章から島に対する敬意さえ感じます。
そして、出会った島の人々に対する敬意。
島には人々の歴史があり、大切にしてきた生活がある
そして培われた文化がある。
黒島の章 -
Posted by ブクログ
なんとも魅力的な書名と思いませんか?
ここでいう幻島とは、実在はしますが住人
が少なく、いずれは無人島になってしまう
可能性がある島や、またはすでに人は住ん
でいませんが海水の侵食などにより、本当
に幻のように海の中に消えてしまう恐れの
ある島などを指しています。
ちなみに長い歴史の中で海水の侵食で消え
てしまった島はいくつかあるそうです。
限界集落を見るまでもなく、人口が減ると
いうことは僻地から人が消えていくという
ことです。
そして島こそが、最初に人が消えていく
僻地なのです。
著者は最後に我々の住む都会の生活であっ
ても、日々の移ろいの中では程度の差はあ
れど「幻」のように過 -
Posted by ブクログ
近頃は旅行といっても観光地が苦手で、むしろ何もないところに行きたいと思う。最近は町おこしという名目で、少々の田舎でも何かしら売り込まれる感があって、そういったものと無縁のところに行きたいのだ。
しかし、本当に何もないところは「自分はここに何をしに来たんだ?」で終わってしまうので、少なくとも、目的や目的地、目標を明確にしなければならない。そして現実には、交通手段の有無や時間や予算によって、行ける所は限らる。それでは、どこがいいのか?
そんな私にこれはちょうどいい本だと思った。海の見える無人駅で海を眺めるのも悪くないが、それだけでなく、この本には近場のプラスアルファも載っている。観光客目当てではな -
-
-
Posted by ブクログ
この1冊を読んでいなければ、きっと出会うことはなかった海のいろんな変な生き物を知ることができた。決してメジャーとは言えない、珍しいマイナーな生き物たちが持つ不格好さ、不気味さ、不思議さ、自由気ままさ。ヒトの私たちにはない魅力がそれぞれにあって、だからこそ生き物たちから学び、吸収したいと思う面がたくさんあって、とても興味深く読めた。ヒトとして毎日を生きる上で教訓にしたいと刺激を受けたことが次から次へと出てきた。
著者清水さんの、海の生き物に対してここまでの深い考察ができるのも海と生き物への尊敬と愛情の深さ故なんだろうと感慨。
あとカブトガニのオスとメスの体格の違いの理由を知り、思わずときめいてし -
-
Posted by ブクログ
過疎化の最たる例が離島である。
2023年の国土地理院測定により、日本には14000もの島(周囲100メートル以上の自然陸地)があることが判明した。このうち、有人島は400程度とのこと。
石垣島を除いて、人口の減少率は本土よりも顕著であり、人が居なくなれば当然島は荒廃する。さらに、島のことを知る人が高齢化し少なくなるため、さらに記憶は失われていく。人の記憶が無くなれば、国土としての認識も薄れていく。歴史の共有が失われれば、外国に不法占拠されても抗えないのだろうか。北方領土に対する日本人の認識は、将来どうなるのだろうか?
本書では、失われゆく離島各地に残る独特の風習を記されており、ノスタルジ -
-
Posted by ブクログ
日本列島に点在する小さな離島。
無人島、有人島、ひとりだけの島に旅して、出会う人々。
暮らす理由、生活、風習と、失われるものを見い出す記録。
序章 離島の人口が減っていく
第1章 人ー有人島と無人島のあいだ
第2章 風習ー今も息づくもの
第3章 歳月ー失われゆくもの
終章 万物との対話
大まかな離島地図、参考文献有り。
日本には7000近い島がある。
その多くは無人島だが、有人島もある。
しかし、時代とともに人口が減り、無人化する島もあるし、
人口がひとりだけの島、再有人化した島もある。
そんな島々への旅行記&人との出会いのノンフィクションです。
たったひとりでも島に人が暮らすことの貴重さ。
-
Posted by ブクログ
自由で美しく、幻のような楽園の、日本の無人島37を紹介。
I部 楽園の扉
現れては消える島①純白の島
現れては消える島②サンゴ礁・浅瀬
砂浜だけの純白島 極上ビーチの島
美しい砂浜と岩の島 実践編 楽園の準備
II部 異彩の楽園
実践編 楽園の余韻
楽園地図、参考文献有り。
4ページに、カラー写真とデータ、続いて紹介文と簡易な地図。
または、モノクロ写真での構成。
青い空の下の美しい風景は、楽園か、或いはあの世の如く。
海原に浮かぶ白い浜。個性的な岩。
地形や砂浜が素晴らしい小さな無人島。
干潮時、又は年に数回現れる、幻のような浜や島。
波の浸食により何時かは消える、 -
-
Posted by ブクログ
BookBarという本で杏さんが紹介されていて面白そうだったので読んでみたが、想像以上に著者の秘島への思いが熱い本でした(笑)
秘島にも色々あって、人が住んでいた歴史のあるところから、岩しかないところまでと、私自身知らない所がほぼ全部で、へぇーと頷きながら読み進めました。
写真も載っているので何となく秘島を旅したような感覚も覚えたり。
それでも著者はより秘島を感じる方法を熱弁していますが、私には十分に謎めきと寂しさと時には神々しさを感じれて読んで面白かったです。
行けないからこそより求めてしまう、そんな魅力が秘島にはあるのかもしれませんね^^