坂村健のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
近年の気候変動対策の動きを見ていて、こんなふうに進めてもどうやったって気候変動止まらないでしょ?という諦念を感じ始めていた際に書店で目についた本書。
全く聞いたことのない出版社から出版されているが、著者を調べてみるとSFの名だたる賞を総ナメした書き手による最新の気候変動対策SFを大出版社に先立って翻訳した作品だった。
本書のすごいところは、多少楽観的に感じるものの、困難な気候変動対策の道を政治・経済・科学の積み重ねに裏打ちされた形で描き切っていることだろう。
本書を読んで、「気候変動を止める」という未来を思い描けないのは自分の想像力の限界によるものだと思い知らされた。
この通りに全てが進んでほ -
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Posted by ブクログ
# 1周目 読み終えた
「コンピューターサイエンス講義」というタイトルよりも、横に少し小さく書かれている「今こそ知っておくべきデジタル世界の基礎知識」の方が内容をよく表している。特にプライバシーとセキュリティについての警句が各所に置かれているので、コンピューターとインターネットに触るのが少し怖くなるくらいだった。インターネットが怖く思えるのは、最近はすっかり薄れていた感覚で、知らずに麻痺していたのが解けたようだった。
## 14章を読んだ
次にくるものは?
締めくくりの章。ここまで読んでくればおそらくは予想がつくとおり、決して技術の発達によって未来が明るくなるような楽天的な予想をしていない -
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Posted by ブクログ
「DX」日経新聞には毎日のようにこの言葉が載っているといっても過言ではないほど頻繁に目にするようになった。「デジタルトランスフォーメンション」の略だが、「え?じゃ、どうして”DT”じゃないの?」という素朴な疑問をもった私に、本書は回答を提示してくれた。スッキリ。さらに、DXは手段ではあり、目的ではないこと。やり方を変えるのは技術力ではなく、我々の意識改革であり、変える「勇気」であること。第1章から「勇気」が沸いてくる構成だ。
印象に残ったのは第5章のオープンの哲学。100%の安全を大前提としてしまう日本人気質に警鐘を鳴らしている。高品質を得意とする日本の技術力に対し、プロセス認証に基づく機能安 -
Posted by ブクログ
機会があり著者・坂村健先生のお話を聞くことがあった。
工学博士としては勿論、とても引き込まれるお話で是非とも著作を手に取ってみたいと思いあまり馴染みのない世界に足を踏み入れてみました。
なかなか聞きなれない単語もありながらも、解りやすい解説でボンヤリながら情報の世界の入り口が見えたような気がする。
DXが進まないのは、日本人の国民性も大きいのだということは根本的な所での躓きでこの国では世代交代が進まない限り抵抗が大きいのでは・・・。だいたい、国会があんなに密で行われているようではこの議論は国主体では絶対に進まないだろう。折角のデジタル庁が上手く進められることをきたいしよう。 -
Posted by ブクログ
IoT社会の実現には、技術革新のみでなくネットのようなオープン化のための社会制度改革が必要であり、日本は特にこの制度改革を急ぐ必要がある。
例えば、利用者や企業から取得する情報のアクセス権限をその情報の使用者によって適切にコントロールする徹底したガバナンス管理によるプライバシー問題への対処や、情報をオープン化する事によって発生する問題の責任所在を一局集中ではなく曖昧な境界線のベストエフォートのギャランティにする。
これにより、特定の場所や企業、メーカーで閉じるネットワークではなく、あらゆる物が製造元を越えたネットワークの形成が可能となり、イノベーションが加速する。 -