住滝良のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
▼大変に面白かった!娘(9)との付き合いもあり、読んでいるシリーズで、全体にそんなに悪くない。のですが、本作は今までで一番でした。
▼基本、日本の首都圏らしき町で、中学生女子アーヤと、4人のイケメン秀才男子の5人組が事件を解決するシリーズで、アーヤの一人称語りなんですが、「天使」は、言ってみればスピンオフ。
▼男子の1人「上杉」の一人称。上杉くんが、徐々に視力が弱まる。それは将来失明するかも、という目の病気だった。手術のために海外に行く。成功すれば治るが、失敗したら失明。その不安。答えはなかなか、ない。
▼検査&おそらくは手術?に訪れたスイス?の病院施設。超エリートの設定で、英語はペラペラ、仏語も少々という便利な設定で、その街の貧しい孤児たちを救う&テロリストを確保するという離れ業が段取りとしては描かれますが、折々描かれる、上杉くんの不安心理の描写が主題であり、秀逸です。
▼「なんで俺だけこんな不幸に」という答えのない不愉快。一方で病院施設は、それらの不条理と運命の風合瀬というか十字路である。余命永からぬ少年フランクとの会話が美味。
いつも通りなジュブナイルご都合な冒険譚は差し置き、エリートな10代が世界と人生の多様性、そして自らの人生に謙虚さと理屈以上の蛮勇をアップグレードする説得力がありました。パチパチ。 -
Posted by ブクログ
前作から、チーム内恋愛(?)の様子にちょっとこれまでとは違う何かの芽生えが感じられたが、ここでドカンと一発目の恋の花火があがっちゃいましたよ。恋の行方は。ほかのメンバーの反応は。アーヤはKZの活動と恋愛とを両立できるのか。そんな葛藤が読みどころ。
かゆくなるくらいのご都合主義ではあるが、八方丸く収まったし、ちゃんと今後もわちゃわちゃとシリーズは続きそうだし、藤本ひとみさんさすがの手腕。「心の友」ポジションを勝ち取った彼のサポートぶりも、残りの「お兄さん」たちも、みんな大人・・・。アーヤはそんな恵まれた環境の中で悩みながら、人生とは選択だというひとつの真理を身をもって経験した。かゆくなったりイラっとしたりすることもあるが、対話やモノローグの中で時折はっとするような良いセリフが出てくる。
この一週間で九冊のKZシリーズ作品を読んだ。それは先週末にこの『七夕姫は~』を読んでいた娘が、断片的にネタバラシしながら語り合いたそうにしていたから、本腰入れて追いつこうと思ったためである。がんばった。楽しんだけどね。来週は自分の本を読むわよ。 -
Posted by ブクログ
ちょっと前から登場していた美門翼(みかどたすく)君もドサクサながら晴れてKZ正式入団。どんな匂いも嗅ぎ分けられる嗅覚、そして一度見たものは忘れない抜群の記憶力を持つ翼の加入により、探偵チームはさらにパワーアップ。砂原君は十三歳にして社長だし、怪盗ルパンみたいな人も出てくるし、もはや心置きなくファンタジー。
リアリティからの浮遊具合が良い感じだったのか、読み手の私のコンディションの問題もあるのかわからないけど、この巻ではあまり滅入ったりも白けたりもせず、冒険活劇を楽しめた。豪華クルーザーへの突入シーンでアーヤが“武器”を装備したときなんか、これで自分も強くなったような、なんでもできるような、そんな高揚感を感じた。
家も学校も楽しくない平凡な女の子が、くだらないクラスメイトの中傷なんかなんとも感じなくなるくらいワクワクする活動に、素敵な仲間たちと共に熱中する。こんな夢を見てもいいよなあ。