沙藤一樹のレビュー一覧

  • X雨

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    ネタバレ

    メタフィクション。ホラーじゃない気がする。

    子供の頃聞いた話、それに基づいた小説、それに対する注釈、ノンフィクション風なネタばらし等手の込んだ構成。編集者まで登場する。

    いかにも小説的な前半より、それを解体していく後半が面白い。登場人物が片目を潰すのが示唆的。真実は半分しか見えない。

    子供ならではの人間関係や暴力性や黒歴史や三角関係などの描写がうまくて読んでいて身悶えした。矢部嵩の『魔女の子供はやってこない』に通じるものがある。

    三角関係の描写がいい。好きな人を取られてしまうんじゃないかという不安と劣等感と焦り。直接的な描写はほぼないのに妙に性的なものを感じさせる関係だなと思って読んで

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    2025年05月04日
  • D-ブリッジ・テープ

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    評価は分かれるかな‥この本の内容は、ありきたりのサスペンスや恋愛ものから一線を画した内容。読んでみる価値はあると思う。

    0
    2024年01月13日
  • X雨

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    ネタバレ

    純粋な子供がつい作ってしまった自己保身の物語が分析された時、真実が現実に侵食する。
    文字が無理やり脳に作用する様な表現力で織りなすゴア表現は秀逸
    一連の出来事の虚構と現実、「事実の成り損ない」が絡みあい、読者の次元まで滲み出て来る不安がこれぞホラーって感じでいいね!

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    2023年10月17日
  • D-ブリッジ・テープ

    購入済み

    苦しく悲しい

    何ともいえない読後感でした…。
    そしてこれが現実にありそうで恐ろしい。

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    2014年07月02日
  • D-ブリッジ・テープ

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    全ての予想を覆してくれたお勧めの短編文庫でした・・・

    文体が全て会話形式でページ数も少ない・・・
    それなのに読み進めると、どんな状況なのか鮮明にイメージされる

    それでいて、この一冊中に色んな喜怒哀楽の全ての感情が書き込まれている

    グロ態勢が無い方は厳しい…特にそれを会話形式で表現しちゃっているものだから尚更で妙にリアルに…その情景が浮かぶようだった…
    たぶん 個人的に今まで読んだグロ系の中でもこれが一番きつかった…
    でも、グロい文はそんなに長く無いけれども…
    そして激動のラスト…
    全てにおいて・・・ 感動した!!!

    人間の感情、本質は環境に依存するなんて言われているけれども
    それだけじ

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    2009年12月28日
  • D-ブリッジ・テープ

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    ゴミ捨て場と化したD-ブリッジで一人の少年の遺体が見つかった。
    彼が最初で最後に残したテープ、その内容とは…。

    生きるということを、そして無慈悲な世界が、短く淡々とした言葉でつづられています。

    久しぶりに読み返して、胸にぐっと来ました…。

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    2009年10月07日
  • プルトニウムと半月

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    とても好きです。

    昔、ある所の原子力発電所で事故があり、そこは立ち入り禁止区域となった。
    しかしそれでもそこで暮らす者もいる。
    そしてある日、もう一人の少年が…。
    何故ライフルの使い方を知っているのとか、どこから手に入れたのかとか、腑に落ちないところはありますが、そんなことはストーリが凄く良いので許せます。
    真里も大好きです。ドレスにライフルとブーツ。悲しい過去を持っているのに…っ。
    余韻…というのでしょうかねぇ…。
    心に残ります。

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    2009年10月04日
  • 日本ホラー小説大賞《短編賞》集成1

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    角川のホラー小説大賞短編賞を受賞した5作品をまとめて掲載してあります。『玩具修理者』や『お見世出し』など既に鬼籍に入られた方の作品もあり、まとめて読むには良い本でした。でもホラーって正直幅が広すぎる上に読んでも意味が理解出来ない作品もあり(私の理解力がついていけないだけなのでしょうが)、「???」となることも多かったです。

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    2024年11月24日
  • 日本ホラー小説大賞《短編賞》集成1

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    小林泰三『玩具修理者』

    いや〜いいホラー。ゾクッとはしないが、読んでいてドキドキしてどんどん読んじゃう。話の運びから設定まで良い作品でした。

    沙藤一樹『Dーブリッジテープ』

    ぁぁぁぁあああ!!!いやぁぁぁぁああ!!って描写が多い。イチイチムカつく金持ちズとあんまりにも可哀想な子供達。足と車のドアの部分とかバスの中で思いっきり顔を顰めてしまいました。二人とも私が覚えててやるからな!!!いやほんとに!!!

    朱川湊人『白い部屋で月の歌を』

    ホラー、というよりかは幽霊の出てくる小説というイメージ。ただ最後の終わり方とか、主人公の設定とかがすごい!!!良い作品でした。

    森山東『お見世出し』

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    2024年08月31日
  • 日本ホラー小説大賞《短編賞》集成1

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    小林泰三『玩具修理者』
    沙藤一樹『Dーブリッジテープ』
    朱川湊人『白い部屋で月の歌を』
    森山東『お見世出し』
    あせごのまん『余は如何にして服部ヒロシとなりしか』

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    2024年01月21日
  • D-ブリッジ・テープ

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    内容(「BOOK」データベースより)
    近未来、ゴミに溢れた横浜ベイブリッジで少年の死体と一本のカセットテープが発見された。いま、再開発計画に予算を落とそうと、会議室に集まる人々の前でそのテープが再生されようとしていた。耳障りな雑音に続いて、犬に似た息遣いと少年の声。会議室で大人たちの空虚な会話が続くなか、テープには彼の凄絶な告白が…。弱冠23歳の著者が巨大な嘘を告発する新黙示録。第4回日本ホラー小説大賞短編賞受賞作。

    日野日出志かジョージ秋山の絵で見たいような、陰惨で且つとっても美しい悲話です。捨てられた少年が、捨てられた少女を守る為にあらゆることを犠牲にしていく姿が胸を打ちます。グロテスク

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    2018年03月16日
  • D-ブリッジ・テープ

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    嫌いな人にはただグロイだけだろうし、映像化したらただの13日の金曜日になってしまいそうだけど、この強烈な描写には圧倒される。いろいろと分からない事が一杯なんだけど、そこを想像してみるのも、野暮と言うものか。

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    2014年03月07日
  • D-ブリッジ・テープ

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    沙藤一樹先生が4月の文学フリマで
    久々に新刊を出されると聞いて、テンションが上がった状態で再読。


    軽く読めるのに何度読んでも読み終わった後に
    この世界から抜けにくい。
    グロ耐性があるのと、それに到るのに理由(もしくは必要性)があるので
    描写から受ける嫌悪感ない。
    ただただ、精神的にキツイ。

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    2013年04月01日
  • プルトニウムと半月

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    プルトニウム239。セシウム137。ストロンチウム90。ヨウ素131。

    海に面したその建物を中心に、半径30km。
    ちょうど半月の形になるように立ち入り禁止区域は指定された。
    しかしその土地に惹かれるようにして、人は生活を
    或いは死を求め入り込み、その生の在り方を決める。

    世界に取り残された半月の中で、少年少女たちは日々を過ごす。

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    2012年02月02日
  • D-ブリッジ・テープ

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    第4回日本ホラー小説大賞短編賞受賞作。正直、特に面白いと思ったわけではない。すごい作品だと思った。テープの語りの必死さと会議室の無関心さが、絶妙だった。どういう人生を歩めば23歳でこんな作品が書けるのか、とも思った。才能を感じる。

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    2011年02月08日
  • D-ブリッジ・テープ

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    内容は
    ベイブリッジのゴミの山の中に捨てられた少年が
    死ぬ時に自分の声を吹き込んだテープの内容。
    食べ物がなく、ありとあらゆる生き物を食べる様
    たとえば、蛾などを潰して中から出る茶色の汁を
    利用して丸めて作る「虫団子」をはじめ、
    数年後に死ぬまでの壮絶エピソード。
    そのテープの合間合間の、会議室の大人の関心のなさ。
    そして、最後の語り口がズシンとくる。

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    2010年11月13日
  • D-ブリッジ・テープ

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    台詞が多かったので、スラッと読めました。
    所々、表現が怖い所もあったけど、人は生きる為ならここまでするのかと実感する1冊だと思います。

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    2009年10月04日
  • D-ブリッジ・テープ

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    沙藤一樹さん特有のグロさが生まれた作品。グロいのが苦手な人はキツいかもしれません。が、ボリュームが少ない分、ササっと読めます。

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    2009年10月04日
  • プルトニウムと半月

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    ネタバレ

    裏表紙の概要と読み始めてしばらくの展開が合致せず戸惑ったが読んでいくうちに謎は解けた。

    原発事故後の汚染地域はヒャッハーな無法地帯になっている。そこで暮らす若者たちの物語。刊行は震災の11年前。

    著者の本は3冊目。イノセンスとその喪失を描く作家という印象。読点の多い癖のある文章。

    終盤が怒涛の鬱展開。なぜそうなる。白けてしまった。

    「容赦なく殺戮し、容赦なく忘却していく、そんな世界に私はいる」

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    2025年05月11日
  • 日本ホラー小説大賞《短編賞》集成1

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    1994年~2011年の間に設けられていた、日本ホラー小説大賞・短編賞を受賞した作品を集めたアンソロジー。(自分にとっての)新しい作家に出会えることを期待して、手に取ってみた。

    収録されているのは、以下の5作品。
    ・小林泰三『玩具修理者』(1995年・第2回)
    ・沙藤一樹『D-ブリッジ・テープ』(1997年・第4回)
    ・朱川湊人『白い部屋で月の歌を』(2003年・第10回)
    ・森山東『お見世出し』(2004年・第11回)
    ・あせごのまん『余は如何にして服部ヒロシとなりしか』(2005年・第12回)

    『玩具修理者』のみ既読で他4作は初見だったが、一番面白かったのはやはり『玩具修理者』。テキス

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    2024年05月17日