沙藤一樹のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレメタフィクション。ホラーじゃない気がする。
子供の頃聞いた話、それに基づいた小説、それに対する注釈、ノンフィクション風なネタばらし等手の込んだ構成。編集者まで登場する。
いかにも小説的な前半より、それを解体していく後半が面白い。登場人物が片目を潰すのが示唆的。真実は半分しか見えない。
子供ならではの人間関係や暴力性や黒歴史や三角関係などの描写がうまくて読んでいて身悶えした。矢部嵩の『魔女の子供はやってこない』に通じるものがある。
三角関係の描写がいい。好きな人を取られてしまうんじゃないかという不安と劣等感と焦り。直接的な描写はほぼないのに妙に性的なものを感じさせる関係だなと思って読んで -
Posted by ブクログ
全ての予想を覆してくれたお勧めの短編文庫でした・・・
文体が全て会話形式でページ数も少ない・・・
それなのに読み進めると、どんな状況なのか鮮明にイメージされる
それでいて、この一冊中に色んな喜怒哀楽の全ての感情が書き込まれている
グロ態勢が無い方は厳しい…特にそれを会話形式で表現しちゃっているものだから尚更で妙にリアルに…その情景が浮かぶようだった…
たぶん 個人的に今まで読んだグロ系の中でもこれが一番きつかった…
でも、グロい文はそんなに長く無いけれども…
そして激動のラスト…
全てにおいて・・・ 感動した!!!
人間の感情、本質は環境に依存するなんて言われているけれども
それだけじ -
Posted by ブクログ
小林泰三『玩具修理者』
いや〜いいホラー。ゾクッとはしないが、読んでいてドキドキしてどんどん読んじゃう。話の運びから設定まで良い作品でした。
沙藤一樹『Dーブリッジテープ』
ぁぁぁぁあああ!!!いやぁぁぁぁああ!!って描写が多い。イチイチムカつく金持ちズとあんまりにも可哀想な子供達。足と車のドアの部分とかバスの中で思いっきり顔を顰めてしまいました。二人とも私が覚えててやるからな!!!いやほんとに!!!
朱川湊人『白い部屋で月の歌を』
ホラー、というよりかは幽霊の出てくる小説というイメージ。ただ最後の終わり方とか、主人公の設定とかがすごい!!!良い作品でした。
森山東『お見世出し』
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Posted by ブクログ
内容(「BOOK」データベースより)
近未来、ゴミに溢れた横浜ベイブリッジで少年の死体と一本のカセットテープが発見された。いま、再開発計画に予算を落とそうと、会議室に集まる人々の前でそのテープが再生されようとしていた。耳障りな雑音に続いて、犬に似た息遣いと少年の声。会議室で大人たちの空虚な会話が続くなか、テープには彼の凄絶な告白が…。弱冠23歳の著者が巨大な嘘を告発する新黙示録。第4回日本ホラー小説大賞短編賞受賞作。
日野日出志かジョージ秋山の絵で見たいような、陰惨で且つとっても美しい悲話です。捨てられた少年が、捨てられた少女を守る為にあらゆることを犠牲にしていく姿が胸を打ちます。グロテスク -
Posted by ブクログ
1994年~2011年の間に設けられていた、日本ホラー小説大賞・短編賞を受賞した作品を集めたアンソロジー。(自分にとっての)新しい作家に出会えることを期待して、手に取ってみた。
収録されているのは、以下の5作品。
・小林泰三『玩具修理者』(1995年・第2回)
・沙藤一樹『D-ブリッジ・テープ』(1997年・第4回)
・朱川湊人『白い部屋で月の歌を』(2003年・第10回)
・森山東『お見世出し』(2004年・第11回)
・あせごのまん『余は如何にして服部ヒロシとなりしか』(2005年・第12回)
『玩具修理者』のみ既読で他4作は初見だったが、一番面白かったのはやはり『玩具修理者』。テキス