感情タグBEST3
Posted by ブクログ 2009年12月28日
全ての予想を覆してくれたお勧めの短編文庫でした・・・
文体が全て会話形式でページ数も少ない・・・
それなのに読み進めると、どんな状況なのか鮮明にイメージされる
それでいて、この一冊中に色んな喜怒哀楽の全ての感情が書き込まれている
グロ態勢が無い方は厳しい…特にそれを会話形式で表現しちゃっている...続きを読むものだから尚更で妙にリアルに…その情景が浮かぶようだった…
たぶん 個人的に今まで読んだグロ系の中でもこれが一番きつかった…
でも、グロい文はそんなに長く無いけれども…
そして激動のラスト…
全てにおいて・・・ 感動した!!!
人間の感情、本質は環境に依存するなんて言われているけれども
それだけじゃないっていう思いを感じ取ってしまった一冊だった
Posted by ブクログ 2009年10月07日
ゴミ捨て場と化したD-ブリッジで一人の少年の遺体が見つかった。
彼が最初で最後に残したテープ、その内容とは…。
生きるということを、そして無慈悲な世界が、短く淡々とした言葉でつづられています。
久しぶりに読み返して、胸にぐっと来ました…。
Posted by ブクログ 2018年03月16日
内容(「BOOK」データベースより)
近未来、ゴミに溢れた横浜ベイブリッジで少年の死体と一本のカセットテープが発見された。いま、再開発計画に予算を落とそうと、会議室に集まる人々の前でそのテープが再生されようとしていた。耳障りな雑音に続いて、犬に似た息遣いと少年の声。会議室で大人たちの空虚な会話が続く...続きを読むなか、テープには彼の凄絶な告白が…。弱冠23歳の著者が巨大な嘘を告発する新黙示録。第4回日本ホラー小説大賞短編賞受賞作。
日野日出志かジョージ秋山の絵で見たいような、陰惨で且つとっても美しい悲話です。捨てられた少年が、捨てられた少女を守る為にあらゆることを犠牲にしていく姿が胸を打ちます。グロテスクな描写の連発でドン引きする人もいるかと思いますが、それを凌駕する悲しさです。
Posted by ブクログ 2014年03月07日
嫌いな人にはただグロイだけだろうし、映像化したらただの13日の金曜日になってしまいそうだけど、この強烈な描写には圧倒される。いろいろと分からない事が一杯なんだけど、そこを想像してみるのも、野暮と言うものか。
Posted by ブクログ 2013年04月01日
沙藤一樹先生が4月の文学フリマで
久々に新刊を出されると聞いて、テンションが上がった状態で再読。
軽く読めるのに何度読んでも読み終わった後に
この世界から抜けにくい。
グロ耐性があるのと、それに到るのに理由(もしくは必要性)があるので
描写から受ける嫌悪感ない。
ただただ、精神的にキツイ。
Posted by ブクログ 2011年02月08日
第4回日本ホラー小説大賞短編賞受賞作。正直、特に面白いと思ったわけではない。すごい作品だと思った。テープの語りの必死さと会議室の無関心さが、絶妙だった。どういう人生を歩めば23歳でこんな作品が書けるのか、とも思った。才能を感じる。
Posted by ブクログ 2010年11月13日
内容は
ベイブリッジのゴミの山の中に捨てられた少年が
死ぬ時に自分の声を吹き込んだテープの内容。
食べ物がなく、ありとあらゆる生き物を食べる様
たとえば、蛾などを潰して中から出る茶色の汁を
利用して丸めて作る「虫団子」をはじめ、
数年後に死ぬまでの壮絶エピソード。
そのテープの合間合間の、会議室の大...続きを読む人の関心のなさ。
そして、最後の語り口がズシンとくる。
Posted by ブクログ 2019年12月25日
クリスマスに一体何を読んでいるんだ...
蛾が死ぬ程嫌いな私にはあの描写は卒倒しそうになった。
棄てられた少年のその後は、ただ悲惨なものだが、テープを聴いていた大人達と、どこかで関係があるのかと期待してしまい、最後はモヤモヤ。
初作家さんなので、他の作品も読んでみたい。
Posted by ブクログ 2015年04月07日
2015年19冊目。完全初読みの作家、沙藤一樹。
1997年日本ホラー小説大賞短編賞受賞作品。ちなみにこの年の大賞は貴志祐介の名作(といわれる)『黒い家』。
あらすじ:近未来の横浜。ゴーストタウン化したベイエリア。不法投棄によるゴミで溢れる横浜ベイブリッジ。ソコで発見された一本のカセットテープ。...続きを読むそれにはソコで育った少年の独白が録音されていた。
んーっ……。何もかもが物足りない。散文的書き方と、短い独白を重ねた作りなので、かなりアッサリと読めてしまうのは仕方なし。しかし、5、6才の子供が一人でサバイバルするってだけでたいへんだろうに、いきなりハンディキャップ負っちゃう。一方、会議室の面々のキャラもイマイチ掴みきれずだし……。スプラッター場面も多少あるが、ホラー感はほとんど感じず。印象に残ったのはエリハとの束の間の日々の場面位。オーラスも個人的にはそれほど好きになれない。
20年弱以前の作品。カセットテープはおろか、MDでさえデッド・ソフトとなってしまうとは、思いもしなかっただろう。
評価は甘めの★★★☆☆です。
Posted by ブクログ 2014年09月27日
少女エリハとの関係や死に対しての膨らみがもっと読みたかった。あと、このテープを披露している場面の関係者それぞれの陰謀や関係性も詳しい描写は物語の拡大が欲しかった。少年少女の生活のホラー度に対して、このテープが公開されるに至った仕組まれたようなホラー話がもっとあると思っていたから。
Posted by ブクログ 2011年09月23日
23歳の若さで角川ホラー短編大賞受賞、とか、新黙示録とか、
さらには解説の高橋克彦氏の「読んで涙があふれた」という煽りに、
期待値が高すぎ、自分のキモチが追いつけなかったというよくある話。
ごみの島のような場所に打ち捨てられていたテープ、
そこにこめられていた少年の独白、
聞かされている大人たちの...続きを読むやる気のない態度。
描かれている内容はどうにも想定の範囲内で、
しかも文章は山田悠介チック。
で?いつ衝撃が???
って思っているうちに終わりました。
あたしにとってはこの作品、ケータイ小説以上のものではなかったけど。
なにか、見落としたのかな?
Posted by ブクログ 2010年01月26日
たしか、第二回角川ホラー文庫の短編章を受賞した作品。
特に怪物が出てくるわけでもサイコな人物が出てくるわけでもない。
内容からも果たしてこれをホラーと読んでいいか微妙なところがある。
しかし、主人公の少年が生き延びるために、獣へと変わっていく様子は確かに純粋な恐怖だった。
我々は「人間らしい営み」を...続きを読む営むために社会を生きている。
もしも、そんな枠組みが突然はずれ、誰もがリアリティ溢れる「死」に対面することになったのなら、
おそらく私たちも獣へと変わっていくのだろう。誰にでもありえることだからより一層内面的に恐怖を味わえる。
ただし、主人公は常に「人間性」を失ったわけではない。
同じ境遇に立たされた盲目の少女が彼に「人間らしさ」を与えている。
彼女が最終的には悲しいラストへと誘うのだが。
やや、純正ホラーとしては物足りないのでマイナス1。
リアリティを追求したわりにところどころ現実離れしているのでさらにマイナス1で☆3つとします。
Posted by ブクログ 2009年10月04日
結構設定とかえぐい。
ゴミの島に捨てられたひとりの少年の話。
おもしろいというと違うんだけど、一気に読んでしまう勢いがありました。
でも、あんま後味はよくない。
もっとドキドキとか話の広がりを期待していたが、そうじゃないタイプのものだった。
これってホラー小説に分類されるの??
グロ描写は秀逸なものがあるけど、それまでどまりかな。
どこを評価していいのか分からない作品だった。