孫泰蔵のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレAIが加速度的に進化する現代において、私たちが「学び」をどう再定義すべきかを問いかける一冊です。
著者は「学校で教わった知識や常識が、AIの登場によって急速に陳腐化する時代」に危機感を抱き、“アンラーニング=学びほぐし”の重要性を説きます。
本書の特徴は、哲学者や思想家との対話を通じて進む“思考の旅”という物語形式です。ルソー、ホッブズ、フーコーらとの想像上の会話を通じて、「学びとは何か」「教育とは誰のためのものか」といった根本的な問いを掘り下げていきます。
特に印象的なのは「学びと遊びが分断された近代教育」の問題提起と、「AIにできない“問いを立てる力”」を育む必要性を強調する視点です -
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「学ぶことは本来ワクワクすることのはずなのに、なぜ学校の勉強はつまらないのか。」という疑問に向き合い考えた著者の頭の中を読むことができる本。
自分では進んで読むことのないような、難解そうな本が多く参考文献になっており、それぞれの本の著者が話し言葉で考えを示してくれているので、理解しやすかった。
子供が小学生になり、学校や先生に対してネガティブに思うところがたくさんあったが、この本を読み終えて、学校に期待することは「同年代と過ごす機会を与えてくれる場」だな、と自分の考えを持つことができた。
子らはただ、その環境を楽しんでくれたらいい。
学ぶことはいつでも、自分が興味を持った時にできるしな、と思 -
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Posted by ブクログ
エストニアにおける官民のデジタル化への取組事例が多数掲載されている良書。
エストニアは面積が日本の1/9程度、人口も130万人なので日本に比べれば小国であり、そのまま日本で適用出来るものばかりではないと思う。
しかしデジタル化の前提になる考え方や政府の姿勢、教育体制などは、全面的に見習うべき点があると感じた。
小国故にどうすれば国を存続出来るかを官民一体となり戦略的に考え行動し続けている姿に感銘を受けた。
最終章に大統領のインタビューが掲載されている。ごく当たり前の事が述べられているが、ほとんど実現されていない日本の現状に愕然とする。日本も中国という大国の脅威にさらされる中で、既存の価 -
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なぜ エストニアにできて 日本にできないか。
エストニアは 小さい。人口130万人。
だから 世界に 出ていかなければ ならない。
日本は それなりに 人口があり マーケットも ある。
だから 日本国内だけで なんとか なってします。
今までは それでもよかった。
しかし これからは そうは 行かない。
では どうするか。
一つの方法が エストニア。
日本が 沈んでも 地方は 生き残る。
このためにも エストニアは 参考になると思っていました。
で この本。
すごく 参考になりました。
ただ 地方が これをやるには 国の規制が 邪魔をします。
どれだけ 国が 権限を -
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昨今、テクノロジー畑からは熱視線が送られているエストニア。
本書はそのエストニアの事例やそこに至る物語、日本との対比といったところが軸になっている。
エストニア礼賛記事・書籍がそれなりに出てきているが、本書では必ずしもエストニアの全てを盲信しているわけではない視点から描かれる。
基本的に数字でエビデンスが提示されるため読んでいて腹落ちしやすく、また歴史的背景からなぜエストニアが現在の形になっていったかなど興味深いトピックスもおさえてある。
読んでいて印象的だったのは、徹底したIT化、そして女性の活躍である。
シリコンバレーでさえ女性がリーディングする立場にいることは珍しいが、このエストニア -
Posted by ブクログ
今の日本に蔓延っている閉塞感を打ち破るヒントが多くあると感じました。将来的にこの本をこのタイミングで読んでおいてよかったと思う日もきっと来ると思います。
この本を読むまで、AIやブロックチェーン等の最近話には良く聞くけれど実用的にはどういう可能性を秘めているのかイメージできませんでした。しかし、本書で紹介されているエストニアの実施例でこういうことができるのかと視野が始まったように感じました。
最近よく、オープンイノベーションしようと多くの会社が主導的にトップダウンで取り組みを行っているという話を聞きます。この本を読んで、本当にイノベーションに大切なのはは、実際にモノを扱っている人の熱い熱量 -
Posted by ブクログ
ブロックチェーンについての講演で、エストニアは進んでいるという話を聞いて、状況が知りたいと思っている矢先にこの本に出合った。ソ連から独立した時に、ソ連の人たちが去り、セキュリティの研究所が残り、数学に優れた国民で、なおかつ、人口が130万人しかいない。この状況を電子政府を作ることによって、365日24時間、役所に行かなくても各種の手続きができ、より良い国にしたという話。冬は寒い国なので、夏はエストニアで働き、冬は暖かい国で働く人もいるとか。外国人でもビザが電子申請でき、会社もすぐに作れると。小さい国がITで諸外国に負けないようになるという日本政府も参考にして欲しい。
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Posted by ブクログ
シリコンバレーの一流投資家が書いただけあって、非常に具体的で説得力がすごい。財務諸表からはほとんど何も分からないスタートアップをどのように評価すればよいかについて非常に詳細かつ具体的なアドバイスが並んでいる。
序文で孫泰蔵氏が、このような一般人向けのエンジェル投資の指南書が出てきたことが、スタートアップ投資会の終わりの始まりを示しているのではないかと書いている。しかし本書でカラカニス氏が語っているスタートアップの評価方法や投資に対する基本的な姿勢は金融の仕組みが変わっても通用する普遍的な手法だと思う。シリコンバレーのようなエコシステムが日本にないから、この手法をそのまま活用できるわけでは