鈴木芳子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
前から読みたいと思っていた本
なんと新訳が出ていて嬉しくなりました
1819年に書き始めたとのこと
なんてことでしょう日本は江戸時代
登場人物の背景は確かに時代を感じさせますが
ムルくんの可愛い猫たる姿はまったく時代を感じさせない
あげようと思ってくわえたニシンを運んでいるうちに食べてしまったり、先生の机の上をグジャグジャにしてしまったり、恋敵に叩きのめされたり
もう目に浮かぶ!
そしてムルくんの書く小説の愛くるしい登場人物たち
まだ半分ですが、読んでよかった!早く続きを!
が、腰を据えて読まないと内容が入ってこないので何日かかかるだろうな -
Posted by ブクログ
すごく読みやすくて面白かった
読書が好きな人は共感する部分が多いのではと思う
人生の質は経験の数ではなく精神的充足の密度で決まると思っているけど、その根底を言語化してくれていて頭の中がスッキリした感覚
自分含め、皆が周りでなく自分自身を変えることに意識が向けば、少なくとも今より精神的に豊かな世界になるんじゃないかな
✏人が直接的に関わり合うのは、みずからが抱く観念や感情や意志活動だけであって、外的な事柄は、そうした観念や感情や意志活動のきっかけをつくることで、その人に影響をおよぼすにすぎないからである。
✏現在と現実の客観的半面は運命の手に握られており、それゆえ変化しうる。いっぽう主観的半面はほかならぬ私たち自身であり、それゆえ本質的に変わらない。したがって、ひとりひとりが送る生涯は、外界からいかなる変化が訪れようとも、終始一貫して同じ特色をもち、同一主題をめぐる一連の変奏曲にもたとえられる。
✏教育ですら、こうした領分を広げるのに、いくばくかは貢献できても、総じてたいして役に立たない。なぜなら、たとえ青年期に思い違いをすることがあっても、最も高尚で多様性に富み、最も長続きする喜びは、精神的喜びであり、これは主としてもって生まれた力に左右されるからである。
✏私たちが何を幸福とし、何を享受するのかということにとって、主観は、客観とは比べものにならないほど重要である。
✏空疎な内面、精彩を欠く意識、貧しい知性がかれらを社交へと駆り立てるけれども、類は友を呼ぶため、同類が集まる。みなで一緒に退屈しのぎの歓楽を追い求める。
✏なぜなら個性は四六時中、どこまでも彼に寄り添うものであり、彼が体験するすべては個性の色調を帯びるからだ。あらゆる点で、何事につけても、彼はなによりもまず彼自身を享受する。
✏だから英語で〈to enjoy oneself〉というのは、きわめて適切な表現だ。たとえば〈He enjoys himself at Paris.〉、つまり「彼はパリを堪能する」のではなく、「彼はパリにいる自分自身を堪能する」のである。
✏だから良き事も、悪しき事も、大きな災禍はともかく、人生において何に遭遇し、何がその身にふりかかったのかよりも、本人がそれをどう感じたのかが問題であり、何事も感受力の質と程度が問題となる。
✏したがって私たちの幸福にとって、気高い性格、有能な頭脳、楽天的な気質、心根が明るいこと、健康そのものの丈夫な体のような個人的特性にまつわる財宝、つまり「健全なる身体に宿る健全なる精神」が、第一の、最も重要な財宝である。それゆえ私たちは外的財宝や外的名誉よりも、こちらの財宝の維持増進をこころがけるべきだろう。
✏ これらすべての中で最も直接的に私たちを幸福にしてくれるのは、心根が明るいことである。
✏「客観的に現実にいかなる事態なのか」ではなく、「私たちにとって、いかなる事態なのか、私たちが事態をどう把握したのか」が、私たちを幸福にしたり不幸にしたりするのである。エピクテートスの「事態が人間を不安にするのではなく、事態に対する見解が人間を不安にする」という言葉は、まさにこれを言い表している。
✏気質や気分の究極の原因は、明らかに身体の根源的な、それゆえ不変の性質にあり、しかもたいていは多かれ少なかれ、刺激に対する感受力と再生力が正常なバランスを保っているかどうかにある。感受力が異常に大きいと、気分にむらがあり、周期的に過度の陽気さがあらわれたり、憂鬱が基調になったりする。
✏美という個人的な長所は、そもそも私たちの幸福に直接的に貢献するわけではなく、単に他人に与える印象を通して間接的に役立つだけなのに、男性においてもたいそう重要性をもつ。
✏精神の富が卓越性の域に近づけば近づくほど、退屈が入り込む余地がないからである。
✏したがって全体としてみれば、精神が貧弱で、総じて卑俗であればあるほど、群れたがることがわかる。
✏だからアリストテレスの「幸福は、自分に満足する人のもの」という言葉は、まことに正しい。
✏その人自身が常にそなえているものこそ、年齢の如何にかかわらず、幸福の真の源泉、唯一の永続的な源泉であり続ける。 -
Posted by ブクログ
ロシアの大文豪トルストイに、
多くの人間たちの中でももっとも天才的な人物だと確信すると言わせたドイツの哲学者ショウペンハウエル。
今から150年ほど前、当時の一般的な常識であった、人生とは幸せになるためのものという前提を根底から覆し、人生とは困苦であり退屈であるのだから、いかにその災難から逃れられるかが、幸福を握ると喝破した。
アリストテレスの「賢者は快楽を求めず、苦痛なきを求める」という文言こそが生きる知恵の最高原則だと講ずる。
引用される人物
ソクラテス、プラトン、アリストテレス、ホメロス、セネカ、キケロ、シェイクスピア、ゲーテ、スピノザ等
古代ギリシャ、古代ローマ、中世ヨーロッパの過去の賢者から多くを学んでいることがうかがえる。 -
Posted by ブクログ
夏目漱石の『吾輩は猫である』の最後の方で、ムル君という猫のことに触れていて、この本がその元ネタということで読んでみました。
二重小説となる面白い作りで、猫のムル君が書いた話と楽長クライスラーの伝記が交互に出てきます。
ムル君の話は、猫のプライドの高さがありありとみてとれて、そこがまた可愛くてたまらないのです。その猫の描写も見事!
その反面、クライスラーの伝記は正直話が飛びまくっている感じで分かりづらかった…のですが、そこを我慢して頑張ってわからないなりに読み進めていくと、後半の方でこのクライスラーとその周辺にそことなく岡田あーみん先生の漫画の匂いを感じ、俄然面白くなってきました。
難しいけど面白い!下巻に続きます。
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Posted by ブクログ
この本はショーペンハウアーの本を書く、本を読むことについて荒々しくも逞しく書いた1冊。
目の前で険しい顔をして、こちらに強く訴えかけるような作品だった。
その中でも強く打たれたのが下記2つだ。
どちらも本を書く人に対しての主張だ。
自分の思想に絶対的価値を置き、簡潔明確な言葉で書くこと。
取り繕いも要らず、まっすぐに主張すること。
言葉を用いて巧みに相手の心理を操ろうとするのではなく、強い信念を持って本で主張せよと当時の著者たちに叩きつけた言葉だ。
日常においても、「〜かもしれない」「〜の可能性がある」と相手の反論から逃げられる出口を作りながら話してはいないだろうか。
著者だけではなく、僕達の生き方にも荒々しく、叫び訴えているようにも感じた。 -
Posted by ブクログ
幸せになるために、じゃなくて不幸にならない、疲れない日々を過ごすために。
一体何をしたら良いのか!ということで、大いに納得したり、これは違うな、と思ったりしながら読みました。
ショーペンハウアーの本は初見でしたが、本当にすごい人なんだなぁと思いました。
なかなか辛辣なところも多いですが、まだ35歳をすぎる前にこちらの本を読めて良かったと思います。
次に気になるのは読書について、ですが読書してやや疲れたので、暫く息抜きに他の本を読みたいなと思っています。
プラトンよりも読みやすくて、ショックを受けることも多かったですが、人生の教科書の一節になればと思っています。
それから健康には気を使って、老齢期を健やかに過ごせるように、運動も日々行いたいと思います。
自分はどんな人間なのか、これから少しづつ問い、答えを作って行きます! -
Posted by ブクログ
読書っていいよ読書ってこうするんだよ的な本かと思ったら、読書ばっかするやつは愚かだ、みたいな本だった。
「自分の頭で考える」
「著述と文体について」
「読書について」
読書という満場一致で推奨されるような行為を批判していくスタイルが面白かった。全体的に辛口で偉そうな口調だけど高い表現力と的を射た言い回しにぐうの音も出ない。
色々言っているけど根底にあるのは共通して体験学習派というか、百聞は一見にしかず、家で本読むより外で遊んで来なさい!的な考えだと感じた。
本を読んでいると沢山読めば読むほど良いという感覚に陥ってしまいがちだけど、思考の伴わない多読は意味ないし量より思考の質でしょと一石を投じてくれた1冊でした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ読書とは他人の頭で考えること。自分で考える力を身につけなければならない。私はできているでしょうか?今後は意識して実践していきたいです。
ショーペンハウアーはヘーゲルと三文文士が嫌いなようですね。訳し方かもしれないけど、めちゃくちゃに言っています。「読書について」ってタイトルの本を手に取ったはずなのになぁ、といった具合。こんなにたくさん文句を並べているのに200年も残るというのは良本の証拠、なのか?
現代は情報に溢れ、本で調べなくてもネットである程度の困りごとは解決します。自力で解決策を捻りだすなんてことはだんだんしなくなってきました。それがなんだか悲しく思えてきました。たまには、じっくりゆっくり本を読んで、いつか必要な時に閃けるような知識や発想を蓄えたいです。