菊池良生のレビュー一覧
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[ 内容 ]
古代ギリシアの民主制の崩壊に始まり、中世を経て、ナポレオンの時代に至るまで、歴史の転換点で活躍したのは多くの傭兵たちだった。
[ 目次 ]
クセノフォンの遁走劇
パックス・ロマーナの終焉
騎士の時代
イタリア・ルネッサンスの華、傭兵隊長
血の輸出
ランツクネヒトの登場
果てしなく続く邪悪な戦争
ランツクネヒト崩壊の足音
国家権力の走狗となる傭兵
太陽王の傭兵たち
傭兵哀史
生き残る傭兵
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読 -
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
見果てぬ夢「古代ローマ帝国の復興」を求め、抗争を繰り返しながらも、八百五十年間にわたり中近世ヨーロッパの中心に存在し続けた「帝国」の実像に迫る。
[ 目次 ]
序章 神聖ローマ帝国とは何か
第1章 西ローマ帝国の復活
第2章 オットー大帝の即位
第3章 カノッサの屈辱
第4章 バルバロッサ―真の世界帝国を夢見て
第5章 フリードリッヒ二世―「諸侯の利益のための協定」
第6章 「大空位時代」と天下は回り持ち
第7章 金印勅書
第8章 カール五世と幻のハプスブルク世界帝国
第9章 神聖ローマ帝国の死亡診断書
終章 埋葬許可証が出されるまでの百五十年間
[ POP ]
[ おす -
Posted by ブクログ
本書のテーマは、古代ヘレニズムから近代に至るまでのヨーロッパ世界における「戦争の担い手」の姿を描き出すことにある。現代において一般的な徴兵や志願兵による国民軍は、必ずしも世界史においてはスタンダードな軍隊ではない。むしろ、中世から近世のヨーロッパにかけて、常に戦争の中心にいたのは、タイトルにもある「傭兵」であった。中でも、スイス人傭兵やランツクネヒトは至る所に出没し、戦争の趨勢を左右している。スペインハプスブルク家の栄光と没落にもこの傭兵戦力が関わっている。マウリッツ・オラニエやグスタフ・アドルフは、徹底した軍制改革よってランツクネヒトを時代遅れなモノとし、それぞれオランダとスウェーデンを歴史
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「え〜傭兵?マジ?」
「傭兵が許されるのはフランス革命までだよね〜」
「キャハハ、ハハ、キャフタ!」
二千年史といいながら、メインは近世ヨーロッパ。
悪名高き傭兵部隊、ランツクネヒトやスイス人傭兵の
活躍を中心に、ヴァレンシュタインをはじめ戦場のプロデューサである
傭兵隊長の生き様が描かれる。
ナショナリズムの誕生を傭兵を道具に逆説的に説いた一冊。
描き方がかっこよすぎて、むしろガリガリ読めなかった。
「戦争」のスタイルを別の視点で知ることが出来た。
兵站ってのは重要だなあ。太平洋戦争よろしく、ああいうことになって困るのは現地民ということか。 -
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著者も「皇帝列伝形式」で書いたと述べているとおり、神聖ローマ帝国成立前史の位置にあるカール大帝の西ローマ帝国から、ナポレオン戦争における神聖ローマ帝国崩壊までを、「皇帝」の事績を中心に語られています。近年(門外漢の偏見かもしれませんが)中世ヨーロッパに関する本はいわゆる社会史的な観点から書かれている本が多いような気がしますので、制度史が専門だった私には、こういった「古い」視点が逆におもしろさを感じさせてくれます。中世ヨーロッパは、この神聖ローマ皇帝とローマ教皇を縦軸に織りなされてきました。近世・近代と違い「地方」の力が「中央」をしのぐほどに強く非常に分かりづらい時代ではありますが、一つの軸をも
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日本の歴史であれば、学校の授業で習うほかにも本を読んだりTVで見たりしてそれなりの知識を得ることができるが、外国の歴史になると、努めて知ろうとしないと高校世界史レベルの知識で終わってしまっている。例えば、本書で取り上げられる神聖ローマ帝国であれば、初代皇帝のオットー1世の名前くらいは覚えているが、それ以上の詳しいことは??である。
本書は、オットー大帝の生涯とその事績をたどりつつ、当時のヨーロッパ情勢、そしてドイツ誕生の経緯を説明していく。
本書で新たに学んだこと数点。
〇ドイツの祖型となったのは、ライン川以東の領地を継承した東フランク王国であったが、同国は、10世紀初頭、フランケン大公領 -
購入済み
傭兵の幅広さ
傭兵というと、武器を片手に依頼者から少しでも依頼金を増やして酒と博打に変える賊と変わらぬ精神性で、規律正しい正規軍より弱いというのがイメージであった。
本書は傭兵という職業の深さと、その定義の広さを教えてくれる。ギリシャやローマの兵役という重いステータスが貨幣主義で潰れていくと、苦役を代替する者、すなわち金銭契約で軍隊をやる者が出てくる。傭兵とは自らの肉体を使って稼ぐ娼婦と同じ立ち位置でそれだけに歴史も古い。日本で言えば封建制を建てた源頼朝よりも前、軍事力を使って朝廷に雇われていた平家すら傭兵だったのだ。
金で雇われる傭兵は確かに訓練や規律という意味で劣ったが、その柔軟性と数を揃え -
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書題の通り、古代オリエントから19世紀の国民国家の形成まで、西洋世界で用いられてきた傭兵、つまり「金のために自らを軍事力として売り渡してきた人々」の歴史を通して、「祖国のために自ら望んで軍事力となった人々」を主戦力とする近代国家のナショナリズムの形成について論証しようとした書。
“ しかしそれにしても不思議だ。「途方もない数の人々が自らの命を投げ出そうとした」ナショナリズムはどのようにして出来上がったのか? この「ナショナリズムの由来」(大澤真幸)を探る旅は途方もなく長く険しい。
この長い旅程にある男たちがたたずんでいる。地域愛郷主義のためでもない、ましてや祖国のためでもない。ひたすら己が -
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弟くんからの紹介本、というか強奪本。
『民間防衛』について熱く語ったら紹介してくれました。
相変わらずよく分からん引き出しを持ってる子である。
まず、言いたい。
巻末に年表が必要だと思うの!絶対。
時代感覚が分からんまんま読んでしまったよ…。(調べろよ。)
今まで概観で歴史を見てきてるので、ひとつの視点から見直すのは面白いよね。
「宗教」という視点ではやってみたことあるけど、「軍事」から見るのも面白そう。
まあそのためには概略の知識が必要だけどさ。
スイスの永世中立国としての固い決意は、400年にわたる「血の産業」を経た故なの…か?
惜しむらくは。
軍事(傭兵)の変遷から近代ナショナリ -
Posted by ブクログ
古代ギリシャからナポレオンの時代に到るまでの傭兵の歴史の概説。基本的には封建制度の中で、ニッチ産業として発達した傭兵が近代には巨大な勢力となったけれども、国民国家の誕生によって意義を失っていく……ということが書かれている。ただ、傭兵という業種は滅びず、現代のイラク戦争にまで伝統は続いている。
私が思うに、兵隊の活用が制限されると、制限外の活動を金で請け負う「傭兵」が栄えるのかな。現代のアメリカ軍が雇う傭兵的な警備会社や、フランスの外人部隊なんかは、そういうイレギュラーなことを遂行するのが主な目的になっている。士気と規律で雁字搦めになった軍隊とは別の「傭兵」という枠組みから目を逸らしてはいけな