【感想・ネタバレ】神聖ローマ帝国のレビュー

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複雑なことをわかりやすく

2023年01月02日

この著者の書いた「30年戦争」を読んで感銘を受けたので、通史としてのこちらの本も読んでみた。ヨーロッパ市の中でも特に複雑でわかりにくい神聖ローマ帝国史を、省略せずにわかりやすく書いてある期待通りの良書である。ヨーロッパ諸国は千数百年間に渡ってこのように複雑で混乱した戦争と外交を繰り広げてきた。極東の...続きを読む島国でのほほんと暮らしてきた日本とは、外交や戦争において基礎が全く違うと思わざるをえない。

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Posted by ブクログ 2012年12月18日

ハプスブルク家が皇帝位を世襲してからはハプスブルク家に関する書籍はたくさんあるので良いですが王朝・諸侯入り乱れる神聖ローマ帝国史をテンポよく解説しているのでとても面白く読めました。個人的にはドイツ史(?)=神聖ローマ帝国は統一感もないし血統も複雑なので今まで避けてきた感がありますが良い本に出会えまし...続きを読むた。カノッサの屈辱のハインリヒ4世やフリードリヒ1世バルバロッサは一人の皇帝としては知っていましたが歴史の流れとして知ることができたのは大きいです。何度も読みたくなる本です。ただこのシリーズはよく買ってましたが表紙がシンプルになっちゃったのですね。内容は同じでしょうけど。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2012年10月03日

この国にフランスは嫉妬し、イタリアは畏怖し、ローマ教皇は、愛し、かつ憎んだ。

中欧に存在した不思議な「帝国」に一千年史。 ドイツはじめ中欧諸国の母胎となったこの帝国は、教皇や周辺諸国、諸侯と合従連衡と抗争を繰り返しながら、中世史の一極をなし続けた。その実体を解き明かす。

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Posted by ブクログ 2012年09月26日

神聖ローマ帝国と言う、ぼんやりとした存在を時系列に、丁寧に説明してくれている本。入門書。

言葉としては知っていてもいったいそれがどんな国だったのかと聞かれたら答えられない国、神聖ローマ帝国。何せぼんやりとしてつかみどころのない国(国と言っていいのかすらも怪しいですが)をざっくり、でも丁寧に教えてく...続きを読むれました。


先程読み終わったばかりですが、さらに神聖ローマ帝国について知りたくて仕方ありません。もっともっとこの国について知りたい、と思わせてくれるよい本でした。

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Posted by ブクログ 2012年04月26日

著者の菊池良生先生の、「傭兵の二千年史」かどちらかを読んで、それから「戦うハプスブルク家」を読むと、ドイツを中心とした西洋史についてするすると学べる。
「神聖ローマ帝国」を統べた皇帝と、それを取り巻く人々の歴史絵巻。
端的に言って、面白いです。今まで記号でしか無かった歴史上の人物がいきいきと、丹念に...続きを読む描かれています。
入門書にぜひ。

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Posted by ブクログ 2011年05月16日

■何故に『神聖ローマ帝国』なのか?何が『神聖』なのか?
■何が『ローマ的』なのか?ドイツはこの称号を名乗ることでいかなる歴史を背負わされたのか?
■その称号の祖形である古代『ローマ帝国』という名は中世以来のヨーロッパ人全体の心性にいかなる決定的影響を与え続けたのか?

同じ菊池良生著の『図説神聖ロー...続きを読むマ帝国』と平行して読むと面白いです。個人的にはルドルフ4世に惚れました。彼についてもっと知りたいかも。

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Posted by ブクログ 2009年10月17日

そもそも神聖ローマ帝国って何だ?の疑問を解きほぐしてくれる。
また今のEUやドイツ・東欧の問題の根源なども垣間見えたりして、
中欧史奥深い。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

面白かったー。
神聖ローマ帝国は複雑怪奇すぎて私には全く理解不能だったんですが、この本読んで謎な部分は大分解明できたかなあ。
あんまり関係ないところですが、何故世界帝国だった大英帝国元首が、ヨーロッパでは皇帝(もしくは女帝)と名乗らず、王(もしくは女王)と名乗り続けたかがこれを読んでわかりました。
...続きを読む初期ハプスブルク家に一番に忠誠を誓ったのが後のプロイセン王家・ホーエンツォレルン家だったりとか、あーもう、歴史は浪漫だなあ!!
さあ次は「戦うハプスブルク家」読むぞー。

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Posted by ブクログ 2023年12月08日

神聖ローマ帝国
著:菊池 良生
紙版
講談社現代新書

神聖ローマ帝国の推移は複雑である
前半は3王朝時代、後半は、神聖ローマ帝国の宣言後である
3王朝時代は、ドイツ、フランス、イタリアを対象として、血縁、ローマ教皇との対応、諸侯からの推戴などである
神聖ローマ帝国になってからは、ドイツに限定される...続きを読む

どだい千年にも及ぶ歴史を250頁ほどの新書に詰め込もうとは難しい話である。

気になったのは以下

神聖ローマ帝国=ドイツ国民の神聖ローマ帝国 第1帝国 962~1806
 ドイツ、オーストリア、イタリア、チェコ、スイス、オランダ、ベルギー等を版図とする帝国
ドイツ帝国=プロイセン王国主導  1871~1918
そして、ナチスの、第3帝国

395 ローマ帝国東西に分裂
476 西ローマ帝国滅亡

□3王朝時代
■フランク帝国
フランク帝国成立
 メロヴィング家衰微、カロリング家へ推移
■カロリング家
 カロリング家ピピン、メロヴィング家血統 フレデリック3世推戴後、廃位、あらためて貴族会議にて推戴されて王位へ
 ピピンをささえている要因は、ローマ教会との結びつき
751 ピピン、フランク国王へ、カロリング朝開基
 ピピン死後、長男カール、次男カールマンに国土2分、カールマン早世にて、カールがフランク国王に
800 カール ローマ教皇レオ3世より戴冠 西ローマ帝国復活 カール大帝へ
814 カール大帝没 長子ルートヴィッヒ敬虔王 教皇ステファヌス3世により皇帝へ推戴
843 ヴェルダン条約 ルートヴィッヒ死後、息子3名にて、王国は3分割に、イタリア、ドイツ、フランスの原型が誕生
 ①長子ロタール1世 中部フランク王 イタリア、トートリンゲン(ロレーヌ地方)⇒ロータル1世の子ルートヴィッヒ2世の後に廃絶
 ②3子ルートヴィッヒ 東フランク王、ライン以東(ドイツ人王)⇒ルートヴィッヒ・ドイツ人王、末子カール肥満王が相続
 ③4子カール(シャルル禿頭王) 西フランク王 ライン以西 ⇒禿頭王の末子カルロマン死後、断絶
885 東フランク王 末子カール肥満王が西フランク王の支配権を得て皇帝
 ノルマン人のパリ包囲後、肥満王廃位⇒甥のケルンテン辺境伯アルヌルフ 東フランク王に ⇒東カロリング家はその後断絶
 西フランク カロリング家も断絶 ⇒王権は、パリ伯ロベール家ウード伯に移る ⇒カペー王朝へ
911 東フランク王にフランケン公コンラート1世を選出
 コンラート1世は、後継者にザクセン公ハインリッヒ1世狩猟王に王位を譲るという遺言
 ザクセン王朝=事実上にドイツ王国のハインリッヒ1世狩猟王誕生 ハインリッヒ死後は、オットー1世が即位
■ザクセン朝
962 オット1世が、大帝に、ザクセン朝初代
 <1>教皇ヨハネス12世廃位⇒レオ8世
 <2>イタリア王国を摂取して、ドイツ王とともに、イタリア王にもなる
1024 ザクセン朝第4代聖ハインリッヒ2世死亡 ザクセン朝断絶
■ザリエリ朝
 オット大帝の娘の系譜、フランケン公コンラート2世をドイツ王に推戴 ザリエリ朝創設
 コンラート2世は、ブルゴーニュ王国を支配、ドイツ、イタリア、ブルゴーニュを支配
 コンラートの息子ハインリッヒ3世、中世ドイツの最強の支配者に⇒フランケン公領+シュヴァーベン公領+バイエルン公領を支配、隣接ボヘミアを臣従、ハンガリーも臣従
1056 ハインリッヒ3世の息子、ハインリッヒ4世が6歳で即位、摂政を立てるも、教皇からの圧力を受けるようになる
1076~77 カノッサの屈辱、ハインリッヒ3世のグレゴリウス教皇廃位に対して、ハインリッヒ3世を破門とした、その後カノッサ城にて破門を解除
1122 ハインリッヒ3世の息子4世と、教皇カリクストゥスの間にヴォルムス協約締結
 ハインリッヒ4世は、息子5世のとどめを刺されるが、5世も子宝にめぐまれずザリエリ朝は廃絶 シュタウフェン家に王位を譲ることに
 しかしそのことをきらった諸侯は、ザクセン公ズップリンゲンベルク家のロタール3世を新王に推戴して、ドイツは10年間の内乱となる
■ズップリンゲンベルク朝
1133 ロタール3世は皇帝となるが、その死後、ズップリンゲンベルク家は廃絶
■シュタウフェン朝
 その後、諸侯はシュタウフェン家のコンラート3世を推戴
 コンラート3世死亡後、フリードリッヒ1世(赤髭王=バルバロッサ)4度のイタリア遠征に
■神聖帝国に
1190 バルバロッサは、第3回十字軍を率いて小アジアを突破
 バルバロッサの後継、ハインリッヒ6世、ドイツ王、フルゴーニュ王、イタリア王、ナポリ・シチリア両王を兼ねることに
1197 ハインリッヒ6世急死、フリードリッヒ2世母后が摂政に、母の死後は、教皇インノケンティウス3世が摂政に
1250 フリードリッヒ2世没、3王朝時代が終了、大空位時代始まる

□神聖ローマ帝国
1254 ホラント伯ウイレム、国号に「神聖ローマ帝国」を使用
1256 ウイレム遠征中に沼で溺死、ドイツの南北朝時代が始まる

■ルクセンブルク家
1310 ハインリッヒ7世、イタリアで戴冠式
 ルードヴィッヒ4世 皇帝戴冠式、一方対立王カール4世も併存
1347 ルードヴィッヒ4世急死、カール4世が1人王に
 カール4世は神聖ローマ帝国がドイツ、イタリア、ブルゴーニュの王国に君臨するというが、おとぎ話にすぎないことを骨身に染みさせられた
1356 カール4以西は、金印勅書を発行し、諸侯に特権を付与
 ハプスブルク家建設候ルドルフの偽書騒動⇒以後ハプスブルグ家の勢力が伸長
 カール4世の次男ジギスムントは、宗教改革をまとめきれずに死去、後任には娘婿のハプスブルク家のアルプレヒト2世が選考される
■ハプスブルク家
 アルプレヒト2世は、ルクセンブルク家所領のボヘミアとハンガリを手に入れるが急死
 従兄妹のフリードリッヒ3世が皇帝を継ぐことに
 フリードリッヒ3世は、神聖ローマ帝国の版図はほとんど、ドイツに限られていることを追認
1493 その子マクシミリアンは、ドイツ王
1499年のシュヴァーベン戦争でスイスが帝国から離脱
1508 教皇の戴冠なくして、皇帝となる
 マクシミリアンの後はその孫カールが継承
 カールの敵はフランス、そして、ペストと、オスマントルコであった
 その後カールは、宗教改革で失脚、皇帝を弟、フェルディナントへ、スペイン王は、息子フェリペに渡す
 このことで、ハプスブルク家は、オーストラリア・ハプスブルク家と、スペイン・ハプスブルク家に分裂する
1618~1648 ドイツ30年戦争 
1648 ウエストファリア条約、スイス13州は、自由に離脱した州とした法的地位を獲得する、またオランダが独立
1776 ロートリンゲンは、フランス占領、最後のロートリンゲン公シュテファン・フランツがハプスブルク家の婿養子となることが決まる
 そして、相手の家付きの娘とは、マリア・テレジアである
 アウクスブルクの和議 宗教として認められたのは、カトリックとルータ派であり、カルヴァン派は異端のまま
1806 オーストリア皇帝となっていた神聖ローマ皇帝フランツ2世は帝国の滅亡を勅した

序章 神聖ローマ帝国とは何か
第1章 西ローマ帝国の復活
第2章 オットー大帝の即位
第3章 カノッサの屈辱
第4章 バルバロッサ――真の世界帝国を夢見て
第5章 フリードリッヒ2世――「諸侯の利益のための協定」
第6章 「大空位時代」と天下は回り持ち
第7章 金印勅書
第8章 カール5世と幻のハプスブルク世界帝国
第9章 神聖ローマ帝国の死亡診断書
終章 埋葬許可証が出されるまでの150年間
あとがき
神聖ローマ帝国関連略年表
参考文献

ISBN:9784061496736
出版社:講談社
判型:新書
ページ数:264ページ
定価:900円(本体)
発売日:2003年07月20日第1刷

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Posted by ブクログ 2021年05月21日

カール大帝以降、非常にややこしい神聖ローマ帝国について、各時代の皇帝に焦点を当てながら書かれている通史。やはりややこしい話だが、神聖ローマ帝国という概念が実体を持たなかったことについては、理解が進む。

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Posted by ブクログ 2020年11月07日

「神聖ローマ帝国ってなんなのだ?」から始まる、面白く読める神聖ローマ帝国入門と言った感のある一冊。ただし、注意点はある。各所に物事を単純化する傾向、参考文献のつまみ食い的傾向がある。また、フリードリヒ3世の評価やウェストファリア条約の評価についてなど、今となっては古い説になってしまっている箇所がある...続きを読むことなどである。この辺りの新しい評価は岩崎周一氏の『ハプスブルク帝国』を読むと良いかもしれない。

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Posted by ブクログ 2020年10月10日

世界史の教科書の中ではなぜかブラックボックスのように隠されてしまっているザリエル朝・ヴェルフェン朝・大空位時代のあたりを知るために読んだ。変なつまみ食いみたいな取り上げ方をするのではなく、こんなふうにきちんとタテの流れを明示しないと、神聖ローマ帝国の歴史が何なのかが結局よく見えてこない。文章も読みや...続きを読むすく、大変ありがたかった。

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Posted by ブクログ 2018年11月04日

・「大空位時代」はフリードリッヒ二世が死去した1250年に始まり、73年、ハプスブルク家のルドルフ一世のドイツ王即位に終わるというのが一つの定説
・1555年カール五世、アウスブルクの宗教和議により諸侯に宗教の選択権を認める
・神聖ローマ帝国にとってウエストファリア条約の意味するところはあまりにも大...続きを読むきい。「領主の宗教が領民の宗教」という原則が再確認され、カルヴァン派が公認される
・スペイン継承戦争(1701年〜14年):カルロス二世の「スペイン王位はフランス ブルボン家に譲る」という遺言による強大なラテン帝国の出現を恐れ、勢力均衡を是とするオランダ、イギリスがオーストリア ハプスブルク家と対フランス大同盟(ハーグ同盟)を結成し、フランスに宣戦布告したもの
・オーストリア継承戦争(1740年〜48年):プロイセンのフリードリッヒ大王が男子帝位継承者のいないカール六世のオーストリアハプスブルク家断絶を主張し、それに呼応したフランス、スペイン、バイエルン選帝侯国、ザクセン選帝侯国の5ヵ国がオーストリアに戦争をしかけたもの

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Posted by ブクログ 2015年09月15日

「神聖ローマ帝国」という大仰な国号に込められた意味を歴史を概観しつつ解き明かしていくといった趣旨の新書。なかでも、ザリエリ朝、シュタウフェン朝、ハプスブルク朝にスポットライトが当てられている。大枠としては、カール大帝による西ローマ帝国の復活から、徐々にローマ帝国の理念と現実が乖離していき、結局ヴェス...続きを読むトファーレン条約以降「帝国」としての実体も失っていく過程が描かれていく。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2014年05月08日

神聖ローマ帝国という死んだ国があると聞いて。

それは中世ドイツに存在して、数多くの国を抱えながら消滅していった忘れ去られた帝国だと言う話しだった。
実際に世界史には興味があったわけだけど、やはりカタカナは難しくて手に負えない。カール何人出てくるんだ、という勢いである。

読み進めることに苦労しなが...続きを読むら、この本を読んで見えてきたのは、国同士や国対教会の対立の中で数々の王たちが利益や利権を得るために奔走していた中で、曖昧なままに生まれ曖昧なままに死んだ「神聖ローマ帝国」という国の生涯だ。
神聖ローマ帝国というのはドイツが望んだ幻想にしか過ぎない願望の現れでしかなかった。実際に西ヨーロッパには強国がおり教会の力は大きく、内政における諸侯たちも大人しく従うわけでもない。だが神聖ローマ帝国という幻想がつくりあげた海原は諸国を巻き込むには充分だし、時には恵みを一身に受けたりしながら、結局は重荷になった。
帝国は実体のない、空想上のままでありながらその威光を放っていた異常な国とも言える。だからこそ理解しにくく、まただからこそ魅力がある。まさしく幻想が作り出した国だからだ。
これを読んですべてが理解できた、とは言い切れない。だが、神聖ローマ帝国の魅力は充分に感じ取ることはできた。

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Posted by ブクログ 2013年08月22日

これとハプスブルク家の二冊がかなりリンクしてて合わせて理解しやすかった。中世が思った以上に、現代とかけ離れておった。

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Posted by ブクログ 2012年09月18日

休みを利用して一気読み。
読み物として十分面白い。
神聖ローマ帝国、ひいては中世ヨーロッパという複雑怪奇な代物を神聖ローマ帝国皇帝の人物像を中心にまとめることで非常に面白く、読みやすいものになってる。
領有権はあるのに領有してないとか、○○伯が結婚して○○に対する領有権を獲得、とか少しわかった気がす...続きを読むる。
オススメです

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Posted by ブクログ 2012年08月11日

神聖ローマ帝国の起源、なぜ「神聖」かつ「ローマ」って名前がつくのかを時系列を沿って解説してくれている新書。失われた「古代ローマ帝国」の羨望や皇帝と教皇の対立の中で形成された「神聖」という単語の意味合いが面白かった。歴代教皇が目指した神権政治との決別という意味合いっていうのが学びだった。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2012年01月31日

この国は「皇帝の国」であるが故に、奇妙な歴史をたどったのかと思った。
神聖ローマ帝国は、イギリスやフランスなどと対比して語られるが、神聖ローマ帝国もそれが包摂する問題があったのだ。
「選挙で選んでいたから、国家としての統一性が失われていた。」などという意見もあるが、カノッサの屈辱を経験した皇帝も叙任...続きを読む権闘争などでローマ法皇と戦ったり、フランスと同じような権力を振るうこともあった。
しかし三十年戦争ののち、やはり選挙で選ぶことの弊害が顕れ、フランスのような自分の領地拡大をする契機がなかったのか、ヴェストファーレン条約によって小さな諸国が主権を得ることになる。フランスもそうならない保障はなかった。
のように、神聖ローマ帝国は「統一国家になりそこねた国家」とも言える。

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Posted by ブクログ 2010年11月23日

現在のドイツやフランスを中心とした西ヨーロッパ諸国の歴史を知る上で避けて通ることのできない神聖ローマ帝国だが、あまりにも沢山のキーパーソンがいるせいで、なかなか理解しにくいのも事実。長年に渡って存続したにも関わらず、ついに中央集権体制が確立されなかったのが、その所以。「ハプスブルク家」というキーワー...続きを読むドこそあるものの,最終的に「○○家が絶対王政を築いた」とか、「○○家の世襲王朝が長年にわたって存続した」とか、そういった一定の切り口を与えにくいため、色んな角度から何度も復習しないと、複雑な歴史的経緯が全く見えて来ない。このあたりが、日本史や中国史との大きな違いかもしれない。
本書は、これ一冊で神聖ローマ帝国の歴史が概観できる作りになっており、入門編としても丁度良いボリュームだと思う。ただ、前述の通り、本書で概観しただけでは、おそらく神聖ローマ帝国の歴史はさっぱり頭に入ってこないだろうけれども。

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Posted by ブクログ 2010年11月21日

[ 内容 ]
見果てぬ夢「古代ローマ帝国の復興」を求め、抗争を繰り返しながらも、八百五十年間にわたり中近世ヨーロッパの中心に存在し続けた「帝国」の実像に迫る。

[ 目次 ]
序章 神聖ローマ帝国とは何か
第1章 西ローマ帝国の復活
第2章 オットー大帝の即位
第3章 カノッサの屈辱
第4章 バルバ...続きを読むロッサ―真の世界帝国を夢見て
第5章 フリードリッヒ二世―「諸侯の利益のための協定」
第6章 「大空位時代」と天下は回り持ち
第7章 金印勅書
第8章 カール五世と幻のハプスブルク世界帝国
第9章 神聖ローマ帝国の死亡診断書
終章 埋葬許可証が出されるまでの百五十年間

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☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
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[ 関連図書 ]


[ 参考となる書評 ]

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Posted by ブクログ 2009年12月10日

文章が読みやすいというより読んでいて愉快になる。楽しい歴史書。といっても中身が軽いわけでもなく。
二回は読んでいるはずだけど欧州情勢は昔っから複雑怪奇なので、もう手元に欲しい。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

その名のとおり神聖ローマ帝国の本です。
歴史書としては比較的分かりやすく書かれていると思います。
特に「カノッサの屈辱」のあたりが面白かった…!

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

著者も「皇帝列伝形式」で書いたと述べているとおり、神聖ローマ帝国成立前史の位置にあるカール大帝の西ローマ帝国から、ナポレオン戦争における神聖ローマ帝国崩壊までを、「皇帝」の事績を中心に語られています。近年(門外漢の偏見かもしれませんが)中世ヨーロッパに関する本はいわゆる社会史的な観点から書かれている...続きを読む本が多いような気がしますので、制度史が専門だった私には、こういった「古い」視点が逆におもしろさを感じさせてくれます。中世ヨーロッパは、この神聖ローマ皇帝とローマ教皇を縦軸に織りなされてきました。近世・近代と違い「地方」の力が「中央」をしのぐほどに強く非常に分かりづらい時代ではありますが、一つの軸をもってまとめてくれたこの本は、中世ヨーロッパ理解のための基本文献であることは間違いないのではないでしょうか。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

読みやすい、一気に読めた。ややこしい神聖ローマの歴史を簡潔にそれもエピソードを交えて書かれている。良い。

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Posted by ブクログ 2011年08月26日

アメリカもEUも帝政ロシアも意識したローマ帝国。

で、中世ヨーロッパの本を読んでると 
「神聖ローマ帝国」という国が出てくるので
頭が??状態。

なんで読みました。これ読むと本当にEU、ナチス、
ハプスブルク家、大航海時代と時代を逆行して
ヨーロッパ人のアイデンティティが少し
のぞ...続きを読むけます。

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Posted by ブクログ 2011年03月31日

まさに「欧州情勢は複雑怪奇」ですね…皇帝や王の名前がナントカ1世だの似たような名前だらけで途中から誰が誰だかよく分からなくなってきた

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Posted by ブクログ 2012年03月31日

評判がいいようなので読んでみた。
おもしろおかしく書かれているので(悪役を作って単純化するにしてもやりすぎな気がするが)さっくり読めて、つかめた気になる。
入門・まとめによい感じ。

文章がやや気になる。(わかりやすくはあるけれど)言葉選びがこなれていない。
がんばって難しい言葉を使っている感じが気...続きを読む恥ずかしい。

ていうか画像…私が読んだのと表紙が違うのはともかくなにこの帯。このコピーはひどい。
単純化した内容ともども安っぽいな。

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