飯田隆のレビュー一覧

  • クリプキ ことばは意味をもてるか

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    クリプキの『ヴィトゲンシュタインのパラドックス』という著作を題材に、懐疑論と懐疑的解決のエッセンスを簡潔にまとめられている。

    有名な「クワス算」による足し算への反証。思弁的な議論が展開されていき頭がふわふわしながら、何とか食らいついていきました。言葉は意味を持つとはどういうことか?に対する、個人ではなく他人を含めた社会通俗的に観測されることとしする、意味することの事実有無は関係ないという展開にしびれます。

    これはクリプキの業績の一端にすぎないという。『名指しと必然性』の議論が1番有名なようで、さらに追っかけていこうと思うのでした。

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    2024年09月15日
  • 哲学史入門Ⅲ 現象学・分析哲学から現代思想まで

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    シリーズ全3巻を読破。
    最終巻である本書は分析哲学、社会哲学といった19-20世紀の思想となるので個人的に未着手な分野で新鮮な読書体験なりました。

    國分功一郎氏のカントの『純粋理性批判』を引いた哲学史の学ぶ意義は、さすがの切り口と引き込まれる話の展開です。お勉強として知識を蓄えるのではなくて、自分の実情にその思想や哲学を落とし込んで実感することが求められますよね。なかなか基本的な理解も追いつかないけど、人生の歩み方の拠り所として常に携わっていきたいなーという思い。

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    2024年07月16日
  • 哲学史入門Ⅲ 現象学・分析哲学から現代思想まで

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    近代哲学に疎かったので、ざっくり概要を知るにはよい一冊だった。書籍案内が充実していて次に読む一冊を迷ってしまう。

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    2025年09月20日
  • 哲学史入門Ⅲ 現象学・分析哲学から現代思想まで

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    2025.03.29 現代のドイツ、フランスはやはり刺激的です。ナチスを背負ってしまったドイツの哲学は切迫感があってドキドキしました。

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    2025年03月29日
  • 哲学史入門Ⅲ 現象学・分析哲学から現代思想まで

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    シリーズ最終巻。

    全体的に難しいとこが多く、思想を知るというよりも歴史的な流れを追うので精一杯だった。
    また、ざっくりとした歴史しか紹介されない分野もあった。
    ただ、この形式上仕方ないとは思う。

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    2024年12月01日
  • 哲学史入門Ⅲ 現象学・分析哲学から現代思想まで

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    ネタバレ

    シリーズ3巻を完走。
    哲学初心者だが、3巻は、國分先生の本を読んだことがあるからか、千葉先生の現代思想入門を読んだことがあるからか、他の巻よりも楽しめた気がする。
    シリーズを通して分からなかった所も多かったが、分からないまま読み進めた。もう少し学んだ後、この本を再読した時に、対談で言っていることがすんなり入ってきて楽しくなるんじゃないかと淡い期待をしている。

    全3巻を読んだので、なんとなく興味を持ったプラトンを次に読んでみたいと思う。

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    2024年11月21日
  • 新哲学対話 ――ソクラテスならどう考える?

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    対話篇できちんと哲学しているお手本。アガトンの箇所は趣味と嗜好について考える時にきちんとスタートラインの議論ができるようになっていて素晴らしい。

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    2023年07月10日
  • 日本語と論理 哲学者、その謎に挑む

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    複数論理で,名詞に単複の区別がない日本語の文を上手く扱ってやろう,というビッグな取り組み(のまだまだ手始めの部分をきれいに整理してご説明)をしてるという本.例文をいっぱい出してくれてるので,たぶん誰でも頭を働かせながら読むことができるけど,飯田せんせいのプロジェクトとそれに向かって進む議論を十分に把握しようとするのはきわめて難しい.すんなり読める感じがしてじつはかなりの奇書.「三人の」みたいな量化表現をさらっと述語ですよーとやってたりするハンパない本です.
    ある程度頑張って追いかけようという人は,文のパラフレーズを一生懸命やってんのは真理条件を考えてるっていうのを意識しながら,とくに1章を丁寧

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    2022年04月02日
  • クリプキ ことばは意味をもてるか

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    [ 内容 ]
    「68+57=5」は間違っていない。
    「+」という記号が「プラス」という概念を表すことの根拠は何か?
    現代の言語哲学をリードするクリプキとともに、ことばや記号に内在するパラドクスを解きほぐす。

    [ 目次 ]
    第1章 グルー(ひとがふだんしている推論の多くは帰納法である;「グルー」が登場する ほか)
    第2章 クワス算(「68+57」の正しい答えは「5」である!;同じ話を「グルー」について繰り返してみる ほか)
    第3章 懐疑的解決(実際のところ、どれだけ困ったことになっているのだろうか;意味について語ることをやめようという人もいる ほか)
    第4章 ウィトゲンシュタイン(懐疑的議論と

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    2010年07月17日
  • 不思議なテレポート・マシーンの話 ──なぜ「ぼく」が存在の謎を考えることになったか?

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    哲学入門として気楽に読めるところは良かった。
    入門書だから、食い足りないのは仕方のないことではある。

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    2025年08月06日
  • 大森荘蔵セレクション

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    大森荘蔵の独特な哲学論考がよくまとまっているアンソロジー。わかったような、まだわからないような、そんな読後感だ。きっとこの本はスルメだと思うので、時間をおいてまた読みたい。

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    2024年05月11日
  • 不思議なテレポート・マシーンの話 ──なぜ「ぼく」が存在の謎を考えることになったか?

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    第一章から第三章まではどこかで聞いたことのある内容だった。永井均の『転校生とブラックジャック』にテレポーテーションの話があるから、その印象が強いかなと。

    ただ、テレポーテーションをしていけない理由は永井氏の本には書かれていなかったと記憶する。していけない理由として「商品」となるからというのが突き刺さった。何かを作る楽しみが奪われ、すぐさま用意できるというのは確かに便利ではあるが、幸せでもない。そして、誰かがその権利を独占したら、リベラルではいられなくなる。

    第四章は、人間がテレポーテーションされたら、という話からきたのだろうが、毛色が変わった話になる。後の世の人工知能が我々を再現させたいと

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    2023年08月26日
  • 日本語と論理 哲学者、その謎に挑む

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     著者の著作を読むのは本当に久しぶり。以前に読んだのは確か、ウィトゲンシュタインの解説本か何かだったと思う。本書は現在の「新しい」論理学において、日本語をはじめとする日常言語が非論理的だというレッテルを貼られがちであると言う現状に危機感を抱く著者が、日本語を例にとりそこで働いている論理のメカニズムを明らかにしようとするもの。

     正直なところ、かなりとっつきにくい内容だと思う。まず何よりも、本書のテーマは日本語の論理構造から日本人の精神構造を抽出しようというような、巷間よくあるようなわかりやすいものからはかけ離れている。日本語は単に日本の一般読者が受け入れやすい題材として取り上げられているだけ

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    2020年12月13日
  • 大森荘蔵セレクション

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    どうも自分は大森荘蔵と相性が悪いようだ。
    彼の書く文章は平易だし、思想内容もそんなに極端に難しいわけではないのに、どうもストンと落ちて来ない。よほど私と考え方や感性が異なるのだろう。
    とはいえ、まったくつまらないというわけではなく、刺激的だし、うならされる部分もある。ただ、二元論を排するために一元論を持ってくるというのには疑問を感じている。

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    2013年01月25日
  • クリプキ ことばは意味をもてるか

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    トコトンまで懐疑すること。
    うまく自分が接続できないとヘリクツばかりこねる本に見えてくるだろう。

    結局、局所的真理を信仰して生きてるぼくたち。
    そしてその局所性は案外近くに限界があった。

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    2009年10月04日
  • クリプキ ことばは意味をもてるか

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    『言語哲学大全』の飯田隆氏による、クリプキ本。このシリーズはいろいろ不満がある人が多いようだけれど、この『クリプキ』も、できればクリプキ自身の著書『ウィトゲンシュタインのパラドクス』を続けて読むことを勧めたい。

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    2009年10月04日