あらすじ
「68+57=5」こんな計算はありえない。しかし、ある大胆な思考実験の中では、この答えは正しくなる。ならば「+」という記号が、「プラス」という概念を表すことの根拠は何か? そもそも言語や記号が特定の意味をもつことは可能なのか? 現代の言語哲学をリードするクリプキとともに、言葉に内在するパラドクスを解きほぐす。
[内容]
第一章 グルー
第二章 クワス算
第三章 懐疑的解決
第四章 ウィトゲンシュタイン
クリプキ小伝
読書案内
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Posted by ブクログ
クリプキの『ヴィトゲンシュタインのパラドックス』という著作を題材に、懐疑論と懐疑的解決のエッセンスを簡潔にまとめられている。
有名な「クワス算」による足し算への反証。思弁的な議論が展開されていき頭がふわふわしながら、何とか食らいついていきました。言葉は意味を持つとはどういうことか?に対する、個人ではなく他人を含めた社会通俗的に観測されることとしする、意味することの事実有無は関係ないという展開にしびれます。
これはクリプキの業績の一端にすぎないという。『名指しと必然性』の議論が1番有名なようで、さらに追っかけていこうと思うのでした。
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
「68+57=5」は間違っていない。
「+」という記号が「プラス」という概念を表すことの根拠は何か?
現代の言語哲学をリードするクリプキとともに、ことばや記号に内在するパラドクスを解きほぐす。
[ 目次 ]
第1章 グルー(ひとがふだんしている推論の多くは帰納法である;「グルー」が登場する ほか)
第2章 クワス算(「68+57」の正しい答えは「5」である!;同じ話を「グルー」について繰り返してみる ほか)
第3章 懐疑的解決(実際のところ、どれだけ困ったことになっているのだろうか;意味について語ることをやめようという人もいる ほか)
第4章 ウィトゲンシュタイン(懐疑的議論と懐疑的解決はウィトゲンシュタインの議論と解決だとクリプキは言う;私的言語論は懐疑的解決の一部である ほか)
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[ 参考となる書評 ]
Posted by ブクログ
トコトンまで懐疑すること。
うまく自分が接続できないとヘリクツばかりこねる本に見えてくるだろう。
結局、局所的真理を信仰して生きてるぼくたち。
そしてその局所性は案外近くに限界があった。