綾辻行人のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ作者自身が選ぶどんでん返しをテーマとする6篇の自作品。
【綾辻行人「再生」】
既読の作品だったが、言われてみれば確かにこれはどんでん返し(笑)
【有栖川有栖「書く機械(ライティング・マシン)」】
これは究極の缶詰め状態。作家としては自虐的ネタだろうか。
【西澤保彦「アリバイ・ジ・アンビバレンス」】
アリバイ崩しの作品だが、犯人の行動は今一つ腑に落ちない。
【貫井徳郎「蝶番の問題」】
探偵役による手記の解読は鮮やかだったが、どんでん返しとなる結末はどうも・・・。
【法月綸太郎「カリバリズム小論」】
『法月綸太郎の冒険』収録作とのことなので、既読のはずだが、ストーリーをまったく覚えていなかった。「私」と向き合う綸太郎の態度がどうもおかしいことの理由が最後の最後に明らかになり、なるほどそういうことかと納得するとともに、空恐ろしくなった。
【東川篤哉「藤枝邸の完全なる密室」】
言うなれば二重密室という状況になるのだが、後半の探偵と犯人のやり取りがおかしくて、笑ってしまった。でも、もう一ひねりした結末を私は予想したのだが。 -
Posted by ブクログ
『殺人鬼』の続編。双葉山の殺人鬼再び。
もうグロいの一言に尽きる。前作に負けず劣らずのスプラッタ。何の理由もなく、ただひたすら殺して、殺して、殺しまくる。
そんな中、物語の鍵となるのが、ちょっと不思議な力を持った少年 真実哉。奇しくも前作で憧れの年上女性を守るため、命がけで戦った間宮少年と同じ名をもつ少年が、家族を守るため、殺人鬼に立ち向かう。
ただグロいだけのホラーではなく、一応ミステリー的な仕掛けも施されてはいるけれど、やはり前作には及ばない。
結局殺人鬼の正体がよく分からずモヤモヤ。全体的に『覚醒篇』のほうが好みかな。
ラストもホラーにありがちな感じだけど、いつか続編もあり、なのか。 -
Posted by ブクログ
終盤近くになるまでホラー小説だという意識はまったくなかった。
精神的な迷路に入り込んでしまった男・波多野森吾の内面の葛藤を描いた物語だと思っていた。
精神に異常をきたした母親・千鶴。
医師から遺伝性の怖れがあると聞かされた森吾は、自分の未来を思い衝撃を受ける。
雷やバッタの羽音に激しく反応する母。
「ゆい」という名前への狂ったような拒絶。
すべてがわずらわしく、母の元から足は遠のくばかりだった。
幼なじみのゆいの強い勧めもあって、森吾はようやく母の過去を調べるために動きだす。
母は養女で実の親は別にいることがわかり、母の生家へ向かってはみたが・・・。
記憶が徐々に欠落していってしまう。
忘れていく本人に恐怖はないだろうが、周囲で見守る人たちにとっては辛い出来事だろう。
まして最後まで残った記憶が「恐怖の色」に染めつくされていたとしたら、悲惨以外のなにものでもない。
年老いてまでそんなものに苦しめられたくないだろう。
すべての謎が解けたとき、一番救われたのは森吾だったはずだ。
しかし、登場人物の相関図があったらやけに「義」のつく関係ばかりで、裏の裏の真実までは気づかなかった。
結末のホラー場面よりも、森吾が悩みながら底なし沼に落ちていくような精神状態の描写のほうがはるかに怖かった。
ちょっと欝になりそうな内容で、実は早々に挫けそうになった物語でもある。