水見稜のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
30年前の作品。画期的。つぎはぎだし、破綻プロットも多いけれど、シューベルトの未完成ってな感動があるね。連作によるマインド・イーターという架空の存在に対する人類の位置づけを描いている。
「野生の夢」は読みやすいが、あまりインパクトがない。「サック・フル・オブ・ドリームス」は音楽が生命の証であるという印象が新鮮。「夢の浅瀬」ではあまりに強烈なエンディングが続く作品の影を薄くしてしまう。
「おまえのしるし」で一気にマインド・イーターとはってなところに進むが、「緑の記憶」では植物を題材にして新しい局面にトライするものの消化不良に終わり、「憎悪の谷」では新しい試みがあるが不発。「リトル・ジニー」に飽きた頃、エンディングの「迷宮」でひとつの結論に至る。
マインド・イーターとはなにかは関係ない。人類が先か宇宙が先か。知性か生命かってなところが掘り下げられるのだが、とにかく未完である。惜しい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ年末年始の暇な時期に何か小説でも読もうとおもって池袋のジュンク堂にて購入。新書もちょっとした恋愛小説のようなものも読み進まないなぁと思っていたときにふとSFを読もうと思いついてSFコーナーで目線の高さに表紙を向けて陳列されていたこの本をチョイス。
マインドイーター(M.E)というタイトルの通り、人の精神を喰らうイキモノの話かと思いきや「人の精神に作用して、崩壊させたり遺伝子を書き換えて(本文にそんな記述はなかったかもしれない)壊すもの」のようで、意思をもった彗星や石、砂のような鉱物の形をしていると。そんなM.Eのいくつかの話が1冊収録されているのがこの本で、1つ1つの話のフィールドも地球上から宇宙空間まであり、ただ人間はそれを破壊するといった話ではない。M.Eに対する解釈も人間が作っただの、M.Eによって人間の言語が作られただのいろいろ出てきますが、基本的に憎しみというものが核になっているとか。遺伝子構造を変えられてかなにかで、人間の体がいろんな動物をくっつけたようなものに変化して最後には核酸になってり液体になったりするというのが何とも恐ろしかった。
過去と未来を知っていて純粋理性のような「神様」みたいな存在を通して人間が何で人間として、猿のような姿形をして理性をもって言葉をつかって、家族や仲間や社会をもったり、神様を信じたりして生きているのかを考えるということを訴えかけてくる。M.Eは特定の社会や家族や姿(一応鉱石の形をしているが)を持たない思念のような存在なので人間の営みを理解することができない。人間が生きるというのは、進化の中で大きい猿のような姿形のようなものが二足歩行を始め、脳を発達させて理性をもち神様を信じるようになったり(人によってはならなかったり)っていう過程からまずは考えられるものであって、過去も未来も死も生からも自由な状態では理解できないとか思ったり。
それにしても「緑の夢」とか過去と未来の遺伝子のすべてを持っていてそのビジョンをみせてくるとか、彗星のように地球にふってきたりしようとするとかとあるゲームのラスボスみたいだなとか、考えちゃうよね(*´ω`*)