水見稜のレビュー一覧
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SF短編アンソロジー
今回が最後のGenesis、以後は紙魚の手帖に移行するそうです
海外作品ばかり読み耽っていた時期に、日本SFを読みたいと創刊号を手に取りました
以来ここで何人もの推し作家様と出会い、珠玉の作品の数々を拝読いたしております
自分の人生の一部であるこのアンソロジーが終了するのは少し寂しい気持ちです
深く感謝申し上げます
『風になるにはまだ』
第13回創元SF短編賞受賞作品
肉体を持たない“情報”として生きている女性が、現実の身体を1日借りるお話です
情報化の女性視点で久しぶりに生身を持った感覚は、まるで自分が体現しているように冴え、没入します
是非皆さま体感なさって下 -
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東京創元社のSFアンソロジーの二巻目。二〇一九年十二月刊行。まだコロナ禍やリモートばかりの生活を知る前の作品だけど、「あれ、なんだか今っぽい」と感じられるものもあって、フィクションの奥深さを思った。一巻を読んだときに比べて私のSF受容力も上がったのか、どれもそれぞれ大変楽しめた。
■高島雄哉『配信世界のイデアたち』
昔、かこさとしの『ほしのほん』シリーズを読んで、宇宙には「銀河」というものがたくさんあるということを知ったとき、もしかしたらはるかかなたの銀河のどこかに、私みたいな女の子がいて今同じように宇宙の本を読んでいるかもしれない…という想像をした。そんなことを思い出した。
■石川宗生『モ -
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当時歴史ものばかり読んでいた私にSFの面白さを知らしめた一冊。 「前宇宙の残滓」たるマインド・イーター(以下M・E)という鉱物のような得体の知れない小天体とそれが人類にもたらす恐怖を軸に展開される連作短編集。
宇宙艇に搭乗した人間とM・Eのドッグファイトや月面探索、宇宙船の船長とそのコンピュータとの対話など、様々な雰囲気のSFが楽しめる。
かく言う私はいわゆる「ゆとり世代」に属する人間だが、この『マインド・イーター』と神林長平の『戦闘妖精・雪風』の世界観は、幼少より親しんできたファミコンののゼビウス、スターフォース、グラディウスといったSTGの世界観を想起させるものがあり、心が踊る。この手の -
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ネタバレ水見稜。1980年代のみに活躍し、作品数も10作に満たない作家でありながら、今でも名前を見ることがある。
特にこのマインドイーターは良いニュアンスで名前が出されているのを目にし、一度読んでみたいと思っていた。
読んでみた感想は「これが30年以上前の作品なのか」というもの。
MEとの壮絶な戦いを期待していた私には肩すかしではあったが、決して期待外れでは無く、人間の内面、特に弱い部分や気持ちの移ろいの描写はすばらしいものがあった。
近年のSFでは忘れられている感もある「地球を離れて人間は生きられるのか?」というテーマも含まれていて、宇宙から俯瞰して見た「生きる」とはどういう事かを考えさせられる。 -
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ネタバレどの話も設定が面白く、ワクワクしながら読めた。
◆天駆せよ法勝寺
最初から世界観に驚愕させられ、そのままの勢いで最後まで読み切ってしまった。最後、大人が大人であるがため苦渋の選択し、それでも前へ進まないといけないのに対して、主人公の意識が子供から大人へと変わる様子が危うげながらも、頼もしく清々し感じられた。世界観は奇抜だけど、共感できる。
◆家の外なくしてみた
扉や窓の外が家の中と繋がっている設定は四畳半神話大系と似ているかと思ったが、こちらはだいぶポップ。2人の会話が丁寧なのにテンポが良くて読みやすかった。
◆この光が落ちないように
これも世界観がすごい。
「感情は火と同じ。」と、感情の否定 -
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なんか最近、アンソロジーばっか読んでるような…。
2019年12月刊行の日本SFアンソロジー。短編7編とエッセイ2編が載っています。
第1集の『一万年の午後』のレビューで書いたのですが、ちょっと良いレストランで頼む「おまかせコース」がまさにアンソロジーだと思います。
「おまかせ」とは言え、オードブルからデザートまで全てパイ包み焼きだったらイヤだし、全部がココナッツ風味だったらもっとイヤな訳です(笑 たとえ、どれも単品としては超美味しかったとしても!
その意味では編集者(本著エッセイで言うところの「アンソロジスト」)の役割は非常に大きく、しかも料理とは違って、「これはケーキだからデザート」的な -
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宇宙へ進出した人類に襲い掛かり精神を破壊し、その肉体を異質なものに変化させる鉱物意識体マインド・イーター(M・E)と人類との攻防を基本設定に8話から成る短編は、宇宙と人間、感性と感情、生と死という哲学的テーマを通して、人はなぜフィクションを求めるのか?、SFとは何か?という問いを読者に投げかける。
1980年日本SF小説の全盛期において小松左京、筒井康隆らも盛んに作品の題材に取りあげたテーマ。その≪文系SF小説≫の中においても本書は今なお傑作を謳われる一作であり、30年前の作品とは思えない全く古さを感じさせない文体と構成は見事。
1984年にハヤカワJA文庫で刊行され長い間絶版になっていた本書 -
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内容(「BOOK」データベースより)
宇宙へ出た人類に襲いかかったもの、それがM・E。ひとつ前の宇宙の残滓であり、人間に悪意をもつ、小天体の姿をした存在。精神を食いちぎり人を異質なものに変える。これを破壊せんと連合はハンターを育成し宇宙へ送るが、戦いは絶望的だ。しかもハンターがM・Eの顎に倒れると、精神的に強く結ばれた恋人や肉親までもが変貌するのだ。日本SFの里程標的傑作を完全版で贈る。
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SFマガジン連載時からワクワクしながら読んでいて、1984年にハヤカワ文庫から出たときは夢中で「これは未完の大傑作だ!」と -
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GENESIS(創元日本アンソロジー)シリーズが今回の五集目で最後になるという。いや~、実にもったいない、このシリーズとても気に入っていたのになぁ~。特に、表紙の絵(カシワイ作)が好きで毎回楽しみにしていた。まあ、社の方針だからしょうがないのかもしれないけど。私以外の人にはあまり好評ではなかったのだろうか。売り上げも伸びなかったのかな。
最近、帯の呼び込み文句が派手なものが多く、ちょっとこの傾向を懸念していたのだが、この本も首を傾げた。「日本SFを牽引する注目の書き手による最新作6編」って、ちょっと誇大広告でしょう。この6人のうち3人(宮澤・水見・空木)しか知らない。私も最近のSFを勉強して -