SSヴァンダインのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ヴァン・ダインと言えば、四半世紀も前の高校時代に、やはり創元推理文庫の従来訳版で「グリーン家」「僧正」「カブト虫」「ケンネル」「カシノ」などを読んでいたものの、デビュー作である本書は初めてでした。
タイトルが示すとおり、証券会社の経営者であるベンスンが自宅で射殺されているとの通報からお話は幕を開けます。
そこからヴァンスが真犯人を指摘して犯人逮捕にいたるまでの、ほぼ一週間の出来事が語られます。
連続して事件が起きるわけでもなく、どちらかと言えば地味なストーリーというのが、読後の印象です。
とはいえ、決して退屈という意味ではありません。
探偵役であるファイロ・ヴァンスは、伯母の遺産を相続し悠々自適な生活を送っている、教養にあふれスポーツも得意な一見非の打ち所がない人物です。ただし、人に打ちとけようとしないという点を除けば。
そんな彼と、その友人であり遺産管理人兼代理人であり本書の語り手であるわたし(ヴァン・ダイン)、ヴァンスの友人でありニューヨーク地方検事のマーカム、市警殺人課のヒース部長刑事が、いわばチームプレーで事件に取り組みます。
そう、僕が興味深かったのは実はそのチームプレーというスタイルです。
ヴァンスという民間人が刑事事件に関われるのは、この友人マーカムがいるからこそなので、全編を通じてほとんどヴァンスとわたしとマーカムが捜査活動を共にします。
人づきあいに関しては気むずかしいはずのヴァンスが、時に辛辣でありながらも尊敬のこもった友情をもって、マーカムを助けていきます。この構図が、単なるエキセントリックな探偵の物語にとどまっていない魅力を感じさせました。
反面、ヴァンス流の推理法である「事件の心理的な要因(ファクター)を分析して人物に当てはめることで、初めて真相に到達する」という部分は、事件は解決したものの、ちょっとわかりにくかったかなという気がしないでもありません。
ともあれ、読み出したら一気に最後まで読みとおしてしまった面白さであったことは申し上げておきたいと思います。
以降の新訳も楽しみに待ちます。 -
Posted by ブクログ
本書ですが、探偵役のファイロ・ヴァンスの性格とその推理方法がとても個性的で結構楽しめました。ヴァンスは、普通なら最有力の手掛かりと考える物的証拠や状況証拠を危険なものとして退け、唯一本当の手掛かりになるのは心理的なもの、として、現在でいうところの犯罪プロファイリングに近い手法を捜査に用いています。ただ、印象としては、犯罪の心理的要因に頼ったヴァンスの推理方法……こちらも少々危なっかしい気がするのですが(^_^;)
もっとも、犯人当てのゲームとしては不十分かもしれませんが、物的証拠、状況証拠だけをもとにした推理をヴァンスがことごとく覆し、それがいかに危険な手法であるかを説明していくところなど物語としてとても面白く読みごたえがあります。特に22章の「ヴァンス、仮説を述べる」では、しばし、( ゚д゚)ポカーン でした。やられた!
この事件ではヴァンスの友人で地方検事のマーカムがヴァンスと共に捜査にあたるのですが、あくまで物証にこだわり、ヴァンスの言動に振り回されるマーカムにやけに感情移入してしまいました。ヴァンスとマーカムの間で交わされる、時に感情を交えた丁々発止のやり取りも本書の魅力の一つだと思います。 -
プラウザで読めない
SS、スチームシップ、ヴァンダイン。
6本くらいが著作数ではベストと言いつつ、12本くらい書いている。
グリーン家と並んで評価が高い本作品。
何故かプラウザで読めない設定になっていることに対する評価であって
中身とは関係ないです。
中身はクロフツの樽並みに面白い。クイーンさんよりは、やっぱし上。
Wアイリッシュとかもでないのかな、
お好みで。