吉川潮のレビュー一覧

  • いまも談志の夢をみる~落語立川流、家元と顧問の五十年~

    Posted by ブクログ

     (落語立川流のファンではなく)家元立川談志のファンが読みたかったことが書いてある本であり、往時を偲べればもうそれで十分なのであった。ザッツ・ア・プレンティ。

    0
    2023年05月04日
  • 談志歳時記―名月のような落語家がいた―

    Posted by ブクログ

     松岡弓子の『ザッツ・ア・プレンティ』が「父親の介護記録なんだけど、その父親がたまたま立川談志だった」本だったとすると、『談志歳時記』は「恩師に最後まで付き合った教え子の記録なんだけど、その恩師が立川談志だった」という本。
     吉川潮が家元を直接看取ったわけではないけど、最盛期から晩年衰えるまでを、関係者の中では一番冷静に見ていた人なんじゃないかしら。それは「恩師と教え子」という関係であり、落語家における「師匠と弟子」の関係とはまったく違う関係なのです。乱暴な線の引き方をしてしまえば、血を、DNAを引き継ぐのが「師匠と弟子」ならば、「恩師と教え子」は世界観を、了見を共有する。こう書くと比較的思っ

    0
    2013年06月20日
  • 談志歳時記―名月のような落語家がいた―

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    立川談志が亡くなった後、その多くの弟子が、自分の談志にまつわる思い出噺を本にしました。

    しかし、その中でも抜群によくできたものが、吉川さんのこの一冊です。

    談志との出会いから、訃報を知るまでの出来事がここまで詳細に書かれたものは他に類を見ないでしょう。おそらく自伝よりもこちらのほうが内容はまとまっていると思います。

    0
    2013年03月03日
  • 談志歳時記―名月のような落語家がいた―

    Posted by ブクログ

    不祥事で仕事を干された人に仕事場を提供する、来客に家にある品々を贈る、それだけではなく階下のタクシーのトランクに乗せ、雨の中、戸外で客人を見送る、新潟の農家と交流しながら毎年田植えと稲刈りを楽しむ、農家はその人柄をしのんでいる、娘の結婚式で娘を抱き抱え満面の笑みを見せる、ぬいぐるみ好き―。
    すべて立川流家元、立川談志のエピソード。談志を表面的にしか知らない人は意外に感じるかもしれません。
    傲慢、不遜、乱暴、異端―。家元はそんなイメージで語られることが多いですが、家元に関する書物を読むと根は温かい人だったようです。そうしたエピソードが満載なのが本書です。
    ただ、家元自身はこうした心温まるエピソー

    0
    2013年01月03日
  • 江戸前の男 春風亭柳朝一代記

    Posted by ブクログ

    ご存じ、吉川潮先生の手になる春風亭柳朝の評伝。柳朝、いいなぁ。江戸前とはこういうことを言うのですね。談志が柳朝にだけは頭が上がらなかった等、興味深いエピソードが満載。

    0
    2012年11月25日
  • 江戸前の男 春風亭柳朝一代記

    Posted by ブクログ

    落語家、5代目春風亭柳朝の伝記小説ではあるけれど、ある典型的な「江戸っ子」の破天荒な一代記として読んでも面白い。

    一時は志ん朝、談志、円楽とともに「四天王」などと呼ばれながら、他の3人とくらべるとどうも地味で影の薄い印象のある柳朝だが、この本を読むとそれもまたこのひとの「江戸っ子気質」に理由があったのか、と納得できる。


    「自分が主役でないと思ったら、一気に隅のほうに引っ込んで悪あがきを見せない。石にかじりついてでも、ここで逆転してやろうなどという根性がない。淡白、見栄坊、恥ずかしがり屋……」


    とはいえなにより落語が大好きで稽古熱心、「芸」で他の3人に劣っているというわけではまったく、

    0
    2012年05月29日
  • 待ってました!―花形落語家、たっぷり語る―

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    昭和の名人について語る本は数多かれど、いまどきの落語家についてずずぃと見渡せる本は少ない。落語ブームならぬ落語家ブームという著者と三枝、円丈、小朝、志の輔各師匠をはじめとした10人の落語家との対談集。特に、新作落語を得意とする円丈、昇太師匠への著者のあたたかいまなざしが印象に残る。

    0
    2012年02月16日
  • 待ってました!―花形落語家、たっぷり語る―

    Posted by ブクログ

    さすがに 吉川潮さんです
    それぞれの芸人さんとの
    「質問」が「的を射ている」ので
    「話」が
    そのまま
    「噺」にまで
    なっている

    ここに登場する「噺家」を
    聴いたことのある人は
    むろんのこと
    まだ
    未見の噺家さんも
    それはそれは
    興味深く
    その「座談」に
    同席することができます

    0
    2012年01月14日
  • 戦後落語史

    Posted by ブクログ

     読むと改めてサライの「落語 昭和の名人」シリーズを聴きたくなる。ええ、改めて聴いていますとも。集めといてよかったよ。
     「落語史」の史観として、著者が談志贔屓であり、立川流に偏っているかもしれないが、とあとがきで描いておられるけれど、なかなかどうして。それぞれの噺家が自ら語った、ありはそれを聞き語ったと思われるエピソードから覗く、その人らしさは興味深いです。笑わせる、それを芸としていかに確立するか、時代とどう向き合うか、それらを細かく書いた本ですが、対象となる落語、噺家に敬意と愛情をもって書かれているため、ぐいぐい読まされます。

    0
    2010年05月09日
  • いまも談志の夢をみる~落語立川流、家元と顧問の五十年~

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    前著、『談志歳時記』(新潮社)とも重なる部分があるが、それは盟友であった家元、立川談志が亡くなるまでの記録であった。

    本著は、元落語立川流顧問の著者が、顧問を辞めた以降までを綴った回顧録。
    ぜひ立川流ファンには読んで欲しいし、よくぞここまで書いてくれました、と思う反面、気に入っている落語家へのえこひいきと、弟子に対して少々辛辣な部分が目立つ。

    大まかに説明すると、気に入っている人はひたすら褒める。しかし、多額の借金をしたあの弟子は許さない、あいつは前座の頃役に立たない等。明らかに、著者の好き嫌いで弟子に対する評価が大きく違う。読み手であり立川流ファンに対して、言わなくてもいいことまで書いて

    0
    2025年09月25日
  • 戦後落語史

    Posted by ブクログ

    戦後の落語史について書かれたもので、正直に言うとほぼ知っていることばかりであまり期待はしていませんでした。(一時期、この手の本をよく読んだんです。10年以上前だったか)

    特に期待をせずに読んだせいか、割と面白く読めました。こういう本とか「モダン・ジャズの名演名盤」とかの本は、判っているからスラスラ読めるし、やっぱり好きだから判っていてもニヤニヤ楽しめちゃうんですね。

    ただこの本は、最近出た本だったので。
    三笑亭可楽さんとか、文楽円生志ん生から、協会分裂事件前後~小さん政権、志ん朝談志時代...という流れが、ちゃんと2010年代現在に繋がっている感じが読み取れて、それは特に面白かったです。

    0
    2017年10月03日
  • 芸人という生きもの

    Posted by ブクログ

    どんな時代でも
    その時代であるからこそ
    生まれた芸人がいる

    芸人たちの「芸」は
    むろんのことであるが
    生の姿に接して初めて
    伝わるものである

    しかし
    人はいつか亡くなる
    当たり前であるが
    芸人たちも
    その例外ではない

    CD DVD その他
    メディアでは残すことの出来ない
    その芸人たちの
    「芸」のエッセンスが
    吉川潮さんの文章からは
    立ち上ってくる

    0
    2015年07月09日
  • 戦後落語史

    Posted by ブクログ

    思いっきり
    私説 落後史になっているのが
    うれしい

    吉川潮さんの「文芸」ファンなら
    文句なしに面白い
    巻末の 参考文献と年表を
    面白く感ずる人は
    文句なしに面白い

    0
    2012年03月04日
  • 戦後落語史

    Posted by ブクログ

    東京の落語の歴史を総まとめした一冊。ただし東京のことだけなので、上方のことについては書いてないです。上方の出版希望!
    ちょうど落語についてお勉強したい頃で、特に落語社会についてはマジで無知だったものですので、ちょうどいいやと。どうして立川流・円楽一門が寄席に出られないのか、その理由である落語協会分裂騒動って何だったのか、などについてお勉強になりました。また読み直したら流れつかめるかもねー。あと、著者の吉川さんは立川流の顧問なので、立川流・および談志さんについての著述が多いのが特徴。談志さんきいてみよーと音源をさがしにいくきっかけにもなりました。カンシャ。
    ただいっぱい落語家さんの名前が出てくる

    0
    2010年01月27日
  • いまも談志の夢をみる~落語立川流、家元と顧問の五十年~

    Posted by ブクログ

    吉川潮がどれほど立川談志を愛していたのかがよくわかる。
    よくわかるというくらいの「談志絶賛本」である。
    残念ながら、私自身が談志を好きでないので、評価を「並」にした。
    じゃ、なんで読んだのか。
    吉川潮が同窓の同学年・同学部だったからだ。

    0
    2023年06月02日
  • 待ってました!―花形落語家、たっぷり語る―

    Posted by ブクログ

    人気落語家のインタビュー本。
    立川流顧問の吉川潮だからこそ落語家の本音に迫り、話を引き出せているような感じがする。
    特に立川志の輔のインタビューが良い。(ただ志の輔のインタビューではずれというものを見たことがないので、志の輔の答え方がうまいだけなのかもしれない)春風亭小朝や、三遊亭円丈など、なかなかインタビューを見ることができない落語家が持っているのも嬉しい。立川談春や、立川志らくのように、若い時から知っている落語家たちのインタビューも良い。
    ただ気になるのが、林家三平や林家正蔵などをくさしていること。著者の本の中で触れているように落語ブームなどは来ていないのだ。そんな狭い落語界の中で足を引っ

    0
    2013年02月11日
  • 談志歳時記―名月のような落語家がいた―

    Posted by ブクログ

    声が出なくなった談志晩年の落語に、寂しさを感じつつ、記録としてとどめ、ダメだしすらする著者の心の揺らぎが伝わってくる。

    0
    2013年01月26日
  • 戦後落語史

    Posted by ブクログ

     寄席には1回しか行ったことはないし、リアルタイムに「落語」を聞いたことはほとんどないが、テレビやラジオではよく聞いている。
     落語については、日本人のほとんどがその程度の興味だと思うが、これも伝統的な「日本文化」の一つと思い、本書を手にとってみた。
     聞いたことのある落語家の名前が数多く出てくるが、その派閥抗争の凄まじさは、いやいや「芸の世界」は厳しいと評するべきか、それとも「人間はどこも同じ」と見るべきか。
     ただ、落語の世界で「立川談志」がひとつの新しい流れをつくった「偉大(?)」な人物であったことがよくわかる。
     著者は、「立川流顧問」だそうだから、この見解も当然なのかもしれないが、学

    0
    2012年12月14日
  • 戦後落語史

    Posted by ブクログ

    [ 内容 ]
    その時、円生が怒り、談志と志ん朝は動き、円楽は耐えた…。
    落語界最大の抗争、落語協会分裂騒動とは何だったのか。
    志ん生、円生の復帰、ラジオ、テレビによる人気の沸騰、立川談志一門の協会脱退、寄席の衰退と復活。
    落語史に残る大事件から、時代を象徴する噺家の栄枯盛衰まで。
    四十年以上、「東京」の落語を見続けてきた演芸評論の第一人者による戦後落語史。
    現在の落語界が見えてくる格好の入門書。

    [ 目次 ]
    第1章 昭和二十年代
    第2章 昭和三十年代
    第3章 昭和四十年代
    第4章 昭和五十年代
    第5章 昭和六十年代
    第6章 平成元年~十年
    第7章 平成十一年~二十年

    [ POP ]


    0
    2011年05月22日
  • 江戸前の男 春風亭柳朝一代記

    Posted by ブクログ

    春風亭柳朝の一代記
    ハードカバーで読みましたが
    文庫版がお手軽でいいですね
    一気読みできます つまり読みやすいって事です あと泣けますよ

    0
    2009年10月04日