寺島実郎のレビュー一覧
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遅ればせながら寺島氏著作に触れた。アメリカを通しての視点ばかり、と云うのは明示されなくとも感じ取れてはいたが。過去自分が読んできた他書物からは拾い得ていなかった歴史、事実を知ったことは収穫だった。
以下は本文メモ。
江戸期の日露接触、平城京のユーラシア歴史的連携、国際人空海、中華民族の歴史的成果、ユニオンジャックの矢、世界を変えたユダヤ人、無から有を生み出す力、戦後中国に向かうはずだった投資支援が日本に、分散型ネットワーク時代に円融自在の東洋思想、日本はアジアとアメリカをつなぐ架け橋の役割、世界レベルのシンクタンクと通信社がない日本、過ちを繰り返しませぬからにみられるあいまいな戦争定義、agr -
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ネタバレアメリカを通さずに広く世界を見る必要性、中国を「単体」で見ると問題の真髄がボケてしまうこと、日米関係を見る時に中国を見逃してはならないことなど、いずれもお説ごもっとも、という感じ。
この辺の国際関係に疎い人なら、それほどボリュームがないこともあり、1日でこうしたテーマを考えるための基礎をざっくり身につけられる、好い本ではないかと思います。逆に、ある程度知ってる人にはちょっと物足りない。
筆者が最後に、「この本は、若いゼミの学生か現場を支えるサラリーマン、時代を鋭い感度で見つめる知的女性に語りかける意識でつくられたもの」と書いているけど、確かに入門としてはこれぐらいのボリュームと内容でOK。も -
Posted by ブクログ
日本総研の理事長、多摩大学学長、三井物産戦略研究所会長である寺島実郎さんの書。
テレビのコメンテーターで何度かお見かけしたことがあり、著作を読んで見たいと思った方だ。
本書は、大震災により日本人が不安、苦悩、孤独感にさいなまれていることに対し、歴史を振り返りながら日本復興の方策について熱く語る。
親鸞の思想、幕末志士たちの生き様、関東大震災の教訓から見えてくる日本再生へのヒントは秀逸だ。
気になったフレーズは以下のとおり。
多くの人たちから、震災への見舞いと励ましの言葉を受けたが、彼らの目の奥に「さて、この苦難の先に日本はどこへ向かうのだろうか」という問いかけを感じた。
直結する祖 -
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著書が伝えたいことは?
日本人に問われているのは、根拠のない自己過信や無原則な一億総懺悔ではなく、筋道立った思考の再起動である。創造の為には、深い洞察が不可欠である。遠く時間の経過を振り返り、深く問題の本質を考える視座なくして、真の創造はありえない。その視座が、広く深いほど、未来への構想は中身の濃いものとなる。
日本の歩むべき進路は、『自立自尊』の意思を明確にすることである。
親鸞を引用し、親鸞が説く、絶対他力という考え方…衆生の救済、浄土往生は、わたしたち自力によって達成できるものではなく、阿弥陀仏如来の働きという絶対他力に委ねるほかないとする教えである。
わたしたち、日本人は、戦後、平和で -
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少し古い2010年の書籍にはなるが、現代を生きる人間にとって必要な世の中を見る力、世界観を教えてくれる。筆者は若かりし頃に三井物産に勤め海外転勤を繰り返した事から、海外から見る日本の視点についてあるべき姿を示してくれる。日本人は内に閉じこもりがちなのは、黒船来航まで鎖国を維持して外国文化の流入を制限していた事からもわかる。日本は島国だから外国勢力は海を越えるしかなく、その航海技術を持つ国でなければ中々到達できない。ヨーロッパなど陸続きで自国以外からの人や文化の流れに晒されてきたから、国際的な感覚を人々は持ち合わせていただろう。それに比べて日本人は一部のインテリ層しか外国へ留学しないし、勿論、渡