木下半太のレビュー一覧
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木下半太の長篇小説『きみはぼくの宝物 史上最悪の夏休み』を読みました。
木下半太の作品は、5月に読んだ『極楽プリズン』以来ですね。
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江夏七海は小五の夏休みに、落ちぶれた冒険家の父に連れられ、宝探しの仕事に向かう。
だが、「危ないことが大好物」の父が、〝宝〟の正体を聞いて顔色を変えた! 一方の七海は、依頼主の豪邸で見た写真の少女にひと目惚れ。
もはや父は邪魔なだけ。
友人と宝探しを始めるが、裏切り、襲撃、誘拐と、手に負えない困難ばかり……。
ドキドキ青春サスペンス。
解説/浅野智哉
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2013年(平成25年)に刊行された『宝探しトラジェディー』を大幅に修正、改題して2017年(平成29年)に刊行された作品です。
江夏七海は小5の夏休みに、落ちぶれた冒険家の父・十蔵が請けた“宝探しの仕事”に付き合うことになってしまった……探してほしい“宝”とは、依頼人・衣笠諭吉の孫娘・風子、、、
七海は、風子の写真を見てひと目惚れするが、腹違いの姉だとわかり大失恋! 思いを秘めて宝探しに出たものの、予想外の裏切り、襲撃、誘拐事件が待ち受けていた……繰り返す失敗、絶望に次ぐ絶望、でも、せっかくの人生、ハラハラドキドキしないと意味がない!
少年は、探すべき本当に大切なものに出会うことができるのか――。
小学5年生の少年・江夏七海と同級生で親友の近藤桃太郎、桶谷常夫の3人が経験するひと夏の冒険を描いた青春ミステリでしたね……落ちぶれた冒険家で破天荒な父親・十蔵や元フィリピンパブのダンサーで底抜けに明るい義母のマルガリータ、家を出たままの実母・由美、運動神経抜群の異母姉・風子、風子の祖父で地域では天狗さんと呼ばれて恐れられている大富豪の衣笠諭吉、その部下・目黒 等々の個性的な面々を絡めた宝探しが愉しめました、、、
七海の中に眠っていた冒険家の遺伝子が覚醒していき、実力が開花していく展開は、少年の成長の物語としても愉しめましたね……ピュアな展開や読後感の爽やかさは木下半太らしくないと感じましたが、これはこれで良いですね。 -
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木下半太の長篇小説『極楽プリズン』を読みました。
ここのところ、木下半太の作品が続いています。
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バツイチの理々子は、路地裏のバーで柴田と名乗る男に声をかけられた。
男は「恋人を殺した無実の罪で投獄されたが、今、脱獄中だ」と打ち明ける。
そして、飲酒OK、ジムやシアタールームまであり、「出入り自由」な刑務所の話を始める。
「死んだ彼女を救うため、脱獄を繰り返す奇妙な男」の真相に近づいたとき、理々子が目にした恐ろしいものとは――?
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幻冬舎発行の月刊PR誌『PONTOON(ポンツーン)』に連載後、2017年(平成29年)に刊行された作品です。
中盤までは、ケン・グリムウッドの『リプレイ』や、乾くるみの『リピート』のような、何度も過去へ遡り歴史を変えようとする"時間ループモノ"かな……と思わせるような展開でしたが、、、
その後、意外な刑務所の正体が判明……そりゃ、極楽ですよねー 意外性のあるどんでん返しとハートフルな結末が愉しめました。
一気に読ませる独特のスピード感が木下半太の作品らしかったですね。 -
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木下半太のホラー連作短篇集『D町怪奇物語』を読みました。
『爆ぜるゲームメイカー』に続き、木下半太の作品です。
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作家デビュー前の「わたし」が、寂れたD町のバーの店主だった頃、日々怪異なものばかり目にした……。
事故を誘発するマグカップ。
意志を持ったサイコロ。
「金縛りに遭う様子を見ていてくれ」と懇願する客。
人に言えないモノが映ったラブホテルの映像――。
ここは磁場が歪んでいるのか、それとも「わたし」が引き寄せているのか? 戦慄の13編。
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2015年(平成27年)に刊行された作品です。
■ベランダの女
■ときめき過ぎる男
■真夏の妊婦
■おれ、ひところしてん
■廃墟の三面鏡
■魔物
■真夜中の怪談大会
■押し売りマジシャン
■黒いスカート
■夫婦幽霊
■うしろを見るな
■カウンターの復讐屋
■シンデレラと死神
大阪にあるD町でバーを営む作家デビュー前の主人公が体験した不思議な話を描いた作品……ほど良い感じに怖かったり不気味だったり、時々、笑えて哀しくてという感じで軽めのホラーって印象、、、
テンポの良さは相変わらず……事実なのか? 空想なのか? どっちかわからなくなるような絶妙な加減も良かったですね。
イチバン印象に残ったのは、ホラーだけど笑える『夫婦幽霊』かな、
その他では、ベランダに出るのが怖くなりそうな『ベランダの女』や、結末がゾクっとする『真夜中の怪談大会』が面白かったですね。 -
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木下半太のサスペンス作品『鈴木ごっこ』を読みました。
木下半太の作品は先月読んだ『女王ゲーム』以来ですね。
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「今日から、あなたたちは鈴木さんです」。
巨額の借金を抱えた男女四人が豪邸に集められた。
彼らの責務は、ここで一年間、家族として暮らすこと。
見知らぬ者同士が「家族ごっこ」に慣れてきたある日、貸主から次なる命令が下った。
失敗したら四人に未来はない―。
貸主の企みの全貌が見えた瞬間、想像を超えた“二重の恐怖”がつきつけられる!
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2015年(平成27年)に刊行された作品です。
■第一話 わたしはカップラーメンを食べない
■第二話 キャッチボールと缶コーヒー
■第三話 ドブの中のナイフ
■第四話 メリーゴーラウンドの堕天使
■第五話 たらこのカルボナーラ
男女4人の家に巨額の借金を取り立てに来た強面スキンヘッド男の要求は意外にも豪邸で鈴木姓を名乗って1年間「家族ごっこ」をする事だった……それぞれに秘密を抱えた赤の他人の男女4人が一緒に暮らすうちに連帯感が芽生え徐々に打ち解けて行く、、、
母親役の小梅がカフェ経営で仕込んだ健康的で美味しい料理……祖父役のカツオは小梅に恋心を抱き、息子役のダンは隣家の娘に恋心を抱き、そして父親役のタケシはスキンヘッド男の指示で隣家の妻を誘惑することに……。
1年間の「鈴木ごっこ」が終わったときに判明する驚愕の事実……そこには恐るべき計画が隠されていた、、、
ハートウォーミングな展開から急転直下……終盤のどんでん返しが愉しめましたね。
まさか料理が伏線になっているとはねー 非情な結末でした……でも、ありそうだな、あってもおかしくないな と思わせられるオチが印象的でした。 -
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木下半太のサスペンス作品『女王ゲーム』を読みました。
木下半太の作品は先月読んだ『GPS:沖縄県庁 幽霊の告白』以来ですね。
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『悪夢のエレベーター』の鬼才が描くババ抜き勝負!
女王ゲームとは命がけのババ抜き。
優勝賞金10億円、イカサマ自由、但し負ければ死。
裏をかきあい知力を尽くす死亡遊戯の開始だ!
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2013年(平成25年)に刊行された女王シリーズの第1作です。
賞金10億円、敗北すれば死、それが女王ゲーム、命がけのババ抜き……参加者は美女と奴隷のペア、イカサマ自由、細工したカードの持ちこみ可、、、
主催する謎の美女に挑むのは、イケメン東大生と美女教師、都知事と女子中学生、崖っぷちアイドルとオタクの3組……策略とイカサマの果てに勝利するのは? 驚異のドンデン返しギャンブル・サスペンス!
勝てば賞金10億円、負ければ死んで剥製に……そんな死のゲームに挑む男女の戦いを描いたサスペンス、、、
女王ゲームの勝負の方法は単純だけど、命懸けのババ抜き……美女と奴隷の男のコンビ4組がゲームに勝ち残るために、それぞれイカサマを仕込んで激突するという展開で、逆転につぐ逆転、ドンデン返しの連続が愉しめる物語なのですが、そもそもギャンブルに興味が無いせいか、作品に入り込めなかったですねー 続篇を期待させるようなエンディングで、それなりに愉しめたんだけど、ぜひ続篇を読みたいなー と思うほどではない という印象でしたね。 -
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木下半太のエンターメイト作品『サバイバー』を読みました。
木下半太の作品は先月読んだ『フィーバー5』以来ですね。
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崩壊した東京で生き残るんだ!!
『悪夢』シリーズで話題沸騰の才人が描く戦慄の群像劇
何の前触れもなく、地球が崩壊した。
全ての移動・通信手段は失われ、世界の人口は千分の一に。
東京では、占い師に縋(すが)る者たち、瓦礫に落書きを描き続ける大人のグループ、徒党を組んでレイプを繰り返す男たち、リアルモンハンに興じる子ども集団が跋扈していた。そして駒沢公園跡に墜落したジャンボ機の中では、男が物語を綴り始めた――彼が書く、その理由とは何なのか!?
壊滅した終末の都市で、人間関係が奇妙に交錯していく。
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2013年(平成15年)に刊行されたノンシリーズの作品『サバイバー23区 東京崩壊生存者』を改題して、2015年(平成17年)に文庫化された作品です。
4月1日午後3時、突然世界が崩壊した……すべての移動手段・通信手段は遮断され、地球の人口は60数万人に激減する、、、
神様がリセットボタンを押してくれたと感謝するニート……壊滅した東京で呆然とする不動産屋は、やるべき事が他になく小説を書き始める。
初めて生きる意味を考えた生存者たちの壮絶な冒険記……。
■第一章 斉藤貴夫編
■第二章 田中町子編
■第三章 荻野目陸編
■第四章 笘篠大輝編
突然崩れ去った東京の街で、人々は何を思い、何を求めるのか……全てを失った人の行動を、生き残った4人の男女の視点から、時には恐ろしく、時には滑稽に描いた物語、、、
壊滅した終末の都市で、4人の人間関係が奇妙に交錯していく展開が愉しめましたね……ちょっと物足りない感じはしましたが、むっちゃテンポが良い展開は木下半太作品らしく読みやすかったですねー 哀しさを感じるエンディングが印象的でした。 -
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木下半太のサスペンス作品『フィーバー5』を読みました。
木下半太の作品は10年近く前に読んだ『オーシティ』以来なので久し振りですね。
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スーパーキッズアイドルグループとして一世を風靡した「フィーバー5」。
その後解散し、メンバーのうちミドリだけ大スターとなるが、他の四人はそれぞれ負け犬人生に絶望する毎日を送っていた。
解散後二十年が経ったある日、「フィーバー5」へテレビ出演依頼が舞い込み、五人が久しぶりに集まることに。
そこで四人の人生はミドリに陰で操られていたことが発覚する……。
ミドリへの復讐を誓い、その場で暗殺計画を企てる四人。
だが、事態は思わぬ方向へ――予測不可能な感動の終焉が待っている!!
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2015年(平成17年)に刊行されたノンシリーズの作品です。
木下半太作品らしく、むっちゃテンポが良くてコメディ要素が強い作品……スーパーキッズアイドルグループのその後、5人のメンバのうち、1人だけが大スターとなって成功し、残りの4人は負け犬人生を送っていて、大スターとなった仲間に嫉妬心、憎しみを抱いているという物語の背景も、実際にありそうなエピソードなので、興味深く読めました、、、
容姿が大きく変貌していた仲間の1人の正体、大スターとなった仲間の真実 等々、意外な展開が含まれているものの、木下半太作品としては少し物足りなかったかなー ちょっと期待し過ぎたかな。