橘紅緒のレビュー一覧
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ネタバレ橘紅緒スキーだし、きれいめな絵の感じも好きなので読んでみました。高校同級生の同居らしいけど、個性派ぞろいでなんだか『R134』を彷彿とさせる。橘さんの女性キャラってどうしてどれもこれも不思議ちゃんなんだろうね。
中学生の時からずっと一緒の氷見と藍。
藍のあまりのかわいさに自分を見失いそうになり、友情を壊すのが恐くて、自分の気持ちをごまかして女をとっかえひっかえしてる氷見と氷見が大好きだけど、自分の気持ちを拒絶されたと誤解してる藍の長~い両片思いのお話。でも、小説と違って漫画はお互いの気持ちが可視化されてるというか、表情でまるわかりだから、この状態で気付かないなんてどうかしてるだろ?!と言いたい気持ちもある。でも、こういう焦れ焦れ感はホント嫌いじゃないよ、うん。
橘作品は文章の中に散りばめられた一見なんの脈絡もないピースを地道に拾い集めて、最後にスーッと一本の糸で繋がった時に、何ともいえないカタルシスを感じるんだけど、今回は長年ずーっと埋まらなかったピースがなんの前触れもなく突然パコンとはまってしまったみたいな肩すかし感があった。
自分の目の前で氷見が誰かに告られて、トンビに油揚げかっさらわれるようなシチュエーションは9年間のあいだに死ぬほど繰り返してきたはずなのに、なんで突然告白スイッチが入ったのか、謎だった。
夏だから? 海だから?
多少文句は言いつつも、ストーリー全体からそこはかとなく匂ってくる橘紅緒臭は好きだし、きれいめでちょっとヘタレた攻もちょっとキュッと強がってるけどどこか危なっかしい受も好きだから、次巻も絶対に読むよ! -
Posted by ブクログ
ネタバレあぁ、判定するのが難しい。万人受けする話じゃないと思う。でも私はこの作家さんが好きなので、どうしてもひいき目…。
“この人”って誰?“彼”って誰?“眼鏡の男”って…?すべてはラストで明かされる。
相変わらず時間軸と相関図がわかりづらくて、橘さんらしい“あえての言葉足らず”。橘紅緒スキーじゃないと、この世界に入り込むのは難しいのかもしれない。
夢なのか現実なのか境界線が曖昧で、
まるで眠りに落ちた誰かが見ている夢を横から傍観しているような不思議な感覚。どこか観念的な描写に、土屋政雄さん訳の『イングリッシュペイシェント』を思い出した。
誰もが欲しがるきれいな結は、人知れず学校の先輩で義兄でもある穂積を熱愛している。それに気付けない穂積は静かに胸を焦がす。きれい系の攻とナイーブな受はもう橘的鉄板の組合せ。
相変わらず、受の見事なまでの盛大な勘違いで話がこじれる。結末はいたってシンプルにすぐ目の前にあるというのに。
文中に散りばめられた不思議が、最後の最後で一本の糸でつながる。
どうして穂積は雨が苦手なのか、どうして記憶が途切れたり、突然眠りに落ちてしまったりするのか。大事な人を失くしてしまうことが怖くて、全部忘れてしまう穂積の過去も未来も結が照らしてくれたらいいな。
ぜひとも二度読みしてみてください。すべてが腑に落ちます。 -
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大当たりか大外れかと思いきや中当たりでしたw 意外と面白い。高校時代からの仲間が好きで、相手も主人公のことが好きなんだけど、相手は今の関係を壊したくないという一心で、主人公の気持ちを避けまくるというすれ違い話。恋愛が人生の中心で回ってて、あぁ青春だな、とw
しかもですよ!主人公はその好きな高校の同級生(他二人)とルームシェアしてるんですよ?!考えただけで胃が痛くなる…。
そもそも相手はずるいんですよ!主人公の気持ちも知ってて、自分の気持ちもわかってるのに…まあ臆病なんだろうというのはわかりますけど。そんなすれ違いを5話ほど読んでなんか胃が痛くなるという…w 続きがあるんでね!2巻出たら買いますかね~。一巻でも一応話は進展してるんですが。
この原作の人、セブンデイズの人か!と昨日初めて気づきました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ色んな意味で橘紅緒さん的、鉄板なお話かなと思う。
カプの特性も、ストーリー運びも。
いつものことながら、みんな、どこか少し浮世離れした人たち。
ちょっとワケアリで、きれいだけど、気が強そうで、媚びない受。
自分の風貌が周りの人たちにどんなに魅力的に映っているか無頓着で、
いつもキュッと眦をきつくしたような目をしている。←こういうの多い!
けれど内面は繊細でうぶ。恋も愛も何も知らない。
攻がまた美しく、超然としていて、多くを語らないから、何を考えているのかわからない。
受けの子が勝手に誤解して、勝手に自己完結して、逃げ出す。
橘紅緒さんの作品って、8割方『勘違いor誤解する話』だと思う。
しかも結構しょーもない感じの・・・
そして結局捕まる。誤解が解けて、自分が気が付かなかっただけで、相手も自分にメロメロだったと知る。
な~んだ、そうだったのか大団円ってパターンです。
わかっているのに、読んでしまうねぇ・・・
どこか現実離れしたような、透明なフィルム一枚越しに眺めるような、醒めた熱。
一見熱量なんて感じさせない儚さなのに、じわりと静かに、ヒリヒリと熱い。なんかその世界観が好きだから。
橘作品の中で、特に目新しさはないけれど、独特の空気感が好きなら読んでいいと思う。
わたしは嫌いじゃない。
どうでもいいけど、橘さんの作品に出てくる女性キャラって、いつもすごく変だよね。
なんかまるでリアルな人間味がないっていうか・・・フシギだ。 -
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ネタバレ『私立櫻丘学園寮シリーズ』三作目「櫻丘寮の悪魔」と呼ばれる松嶋理利のお話。
見た目は美少女だけど、口を開けば毒しか出てこない松嶋が唯一心を開いているのが
ひとつ年上の従兄斉木志鶴。松嶋のことを愛情をこめて『リリ』と呼ぶ。
子供の頃からお互い深く愛し合っていながらも、重すぎる過去に囚われ、それぞれが贖罪のような気持ちを抱いている。
償いの気持ちといっそ壊してしまいたいと願うほどの執拗な愛情が心の中で相反する志鶴の静かな狂気。
志鶴に重い十字架を背負わせていることを自覚しながらも、愛ゆえに真実を話せず、その手を離せないリリの冷たく燃える情熱。
いっそ、壊してほしい。その狂おしい愛の業火で焼かれてしまいたいと切望するリリと相手を想うあまりやさしさで情熱を覆い隠す志鶴。
壊れ物みたいにやさしくされればされるほど、心が遠くなるもどかしさ。
読んでて痛い・・・。苦しくなる。嫌なお話ではないけれど。
時間軸が何度も移動するのでその辺がちょっとわかりづらい。
表現も結構抽象的で『志鶴の禁忌』『志鶴が初めてリリの絵を描いた時のエピソード』などは
はっきりとした言葉で言及していない箇所もあるので、実際何があったか想像力が必要です。
本作を読んで、1作目で烏丸旭に必要以上につらくあたるリリの気持ちがすごく理解できた。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ私立櫻丘学園寮シリーズ2作目。
前作では頼りになる寮長の姫城とお気楽極楽なルームメイトだった三尾の脇役カプ。
二人が初めて出会った、まだ中学生の頃のお話です。
かっこよくて、いつでも誰にでも公平にやさしい姫城と素直で可愛くて真っ直ぐな三尾。
一見能天気に振る舞っている三尾は周りの空気を敏感に察知できる頭のいい子。
ストレートに好意を向けてくる三尾に対して姫城は慎重な態度を崩さない。
前作では結構大胆で豪快なイメージがしたので、これはちょっと意外でした。
姫城は三尾をいつもそばに置いてくれるし、やさしい。拒まない。でも受け入れてもくれない。
すごく焦れる三尾の健気さがホントかわいかった。特にエグイこともなく、
ありのまますんなりと受け取められる甘酸っぱい話でした。
この2人がわりとありきたりなカップルで、(普通が悪いって意味じゃなく)安心して読めます。
前作の影響なのか…個人的に姫城がビジュアル的に男前ってイメージがどうしてもわかないのはなぜでしょう。
あと、中学生のくせに老成し過ぎ・・・
前作ではただのイヤな奴にしか見えなかった『櫻丘寮の悪魔』松嶋もかなりいい味だしてました。
この人はかなりワケアリの匂いがする・・・。きっとそれが次作につながるんだね。
本作では、特にこれといった大きな事件は起きません。
毎日の日常の中で恋していく気持ちが淡々と、でも切々と描かれています。
この作家さんの文体は繊細で危うい感じがするのに、意外と硬質で無機質。
すごく内に閉じた感じのストーリーが多い。でも好き。次作も読もうっと。 -
Posted by ブクログ
読み始めから「ん?ん?」と理解不能に陥ってしまい、読解力が無くなったかと焦りました…というか、眉間にシワ寄せてBL読みたくないんですが。
しかし、そこをグッと我慢して読み進むうちにいろいろ主人公の事情がわかってきて、最後はバラバラだったパズルのピースがきちんと絵になったような、そこそこ満足な気持ちに。
どっちかっていうと、映像寄りの表現が上手い作家さんだと思うので、これは漫画かアニメか実写だと大変ステキな話になるのではないかと勝手にプロデューサー気分になりました。
翻訳家である穂積の一人称で語られるので、彼の心の風景とか心情だけを頼りに読まなくちゃいけない。そして、突然ぷつりと途切れる穂積の意識とストーリー。何故?と不審に思いながら読み進むしかないのです。それが高校2年生から翻訳家となった現在まで飛び飛びに描かれていて、その中で3歳年下の結との出会いから、付き合うようになり、更に恋人同士になるまでの経緯がなんとなくわかるようになっています。
ぼんやりと二人の関係が理解できるんだけど、突然記憶がなくなり覚醒しているのか夢を見てるのかわからない状態の受に、随分てこずります。しかし、それには後半判明する理由があるのです。ざっくり言えばトラウマ。読んでいてやっとそこで腑に落ちて膝を叩く、という感じ。
こういう書き方しないと、単なる王道テンプレなつまらない話になってしまう恐れはあります。読ませ方としては上手いなと思いました。もう一度最初から読んでみたくなるし。
穂積はそんなこんなで、ちょっと危なっかしいツッコミどころ満載でヤワな受ですが、彼の目を通して語られる結はブレそうでブレない、チャラそうでチャラくない魅力的な年下攻でした。赤毛だけではなく、ピュアなハートも大変目立っています。結に関しては、三重に行くってところで浮気が誤解ってことも大体わかっちゃったのが私的に残念。
Hシーンは、濃厚な行為をデリケートな表現でさらけだすみたいなエロ。嫉妬のスパイスが効いていて、愛が感じられるのがよかった。