久石譲のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ解剖学者の養老孟司さんと音楽家の久石譲さんとの対談集です。
本書のタイトルや表紙、裏表紙そして帯に書かれている文章を読む限り、
これは音楽や聴覚についての対談の本だと思ってしまいがちですが、
読んでみるとそれだけではなく、
現代の社会の話や意識というものの話(これは聴覚もつながっている)
にも大分、時間を割いて(ページを割いて)話し合っておられる。
まず、序盤の養老さんの、クオリアの話からして目からうろこでした。
一つの言葉あって、それで表現したとたんにこぼれおちてしまうもの、質感、
それがクオリアだというのですが、
僕は20代の頃に音楽を作っていた時期がありますので、
その音楽の源泉とし -
Posted by ブクログ
以前、人はふつう物事を考えるときに言葉を使うが、作曲家のようないわゆる芸術家と呼ばれる人たちは何を使って考えるのだろうかと疑問を持ったことがある。この本を読み自分が感じたところによれば、その疑問への回答は、やはり言葉を使って考えているということだった。
曲というものを部分に分解し、それぞれの構成要素に何を使って、全体をどう組み立てるか。こういったものを作る基本的な考えが、作曲であっても使われると知ることができた。いいものを作る人は、やはり何かしらの論理構造や根拠にしたがって構成を考えアウトプットを出している。すべてが直感で作られてなぜそのアウトプットを出せたのか言葉で表現できない、なんてこと -
Posted by ブクログ
養老さんはクラシックをよく聴くそうです。モーツァルトが好きだそうです。理由は邪魔しないからだそうです。いかにも聴いてくれと言う音楽は好きじゃないらしいです。俺は常々モーツァルトのいいところは邪魔しないところだと思ってたんですが、まさか同じ感想を持つ人がいるとはね。どうりでこの人の言っていることが妙に納得出来るわけです。多分物事をまっすぐ、世間と同じ角度から見てないんでしょう。一度テレビでも言ってました。「私は、まずハイって言わない」みたいなことを。これをその辺の天の邪鬼がやってるのと同じレベルで見られるとアレですが、大事なことです。本の中身でも触れていますが、目は見るため耳は聞く為についてます