久石譲のレビュー一覧

  • 脳は耳で感動する

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    本著は、養老孟司氏と久石譲氏との対談をまとめた一冊であり、読み手も対談を聴講しているような感覚に没入できる良書である。
    さて、音と記憶や体験は密接に脳内で聴覚を通じて結びつき感情に影響すると説く。「言葉」では表現しきれない感動や情動を、音楽や音が扱う点が強調されており、その通りだと思う。合わせて、創造性についても言及しており、耳(聴覚)は、単に情報を受け取るのではなく、脳のなかで様々な意味やイメージと結びつき「新しい世界」を作り出す働きを持っており、その過程を知ることで、音楽や音がもつ力、感じることの素晴らしさを再認識できると示唆している。
    創作をする、作家や音楽家についても、創作においては「

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    2025年09月06日
  • 脳は耳で感動する

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    アポロン的なものも大切だが、
    時にはディオニソス的なものに身を任せるのもいい。
    大学の先生の言葉がよみがえる。
    科学者、哲学者、社会学者という肩書きや枠組みを超越している養老孟司さんと芸術家久石譲さんの対談。
    面白くないわけがない。
    言葉で表現できない感覚「クオリア」を忘れがちな生活。現実よりも言葉を優先してしまっていた自分にも気づいた。
    言葉で表現できないものを表現するのが音楽であり、情報化と情報処理が決定的にちがうことが、認識できた。
    CDを聴き込んでチケット買って演奏会に行って、音楽と出会う。映画も然り。
    サブスク生活になれてしまって自分の気分でコントロールして、切れ切れデジタル生活して

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    2025年08月30日
  • 耳で考える ――脳は名曲を欲する

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    「情報化は現物を見て言葉にする作業」
    ・ものの特徴を説明するには違いを知る必要がある。何が情報化に値することなのか分かること。そのためにはたくさん見ておく必要がある。一匹の虫を見てどこを説明するか。何が他と違うのか。どこが他と同じなのか。どのような特徴があると言えるのか。他との違いを知らないと説明の要点が絞れない。
    ・情報化とは現物を見て情報に落とし込むこと。情報処理は情報を整理してまとめること。情報処理は2次情報を加工してるだけで現物は見ていない。クリエティブなのは情報化の領域で情報処理はつまらない作業になりがち。

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    2025年08月23日
  • 脳は耳で感動する

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    養老孟司氏と久石譲氏が交わす知の饗宴。解剖学者と音楽家が織り成すこの一冊には計り知れない発見が隠れていた。

    まず、書店で本書の表紙に目を惹かれて迷わず購入。今でもこの出会いは奇跡だと感じている。科学、哲学、社会学など多岐に渡りその知を発してきた養老孟司氏と音楽家として世界を感動の世界に導いてきた久石譲氏の対談。これ以上に面白い対談はないのではないか?

    冒頭から両者の知がぶつかり合い、新しい「知る」を目の当たりにした。現代社会にメスを入れる御二方の言葉には重みがあり、自分の奥深くに響いてくる。一度読んだだけでは到底、全てを受け止めるのは難しい。
    普段の生活の中で、何か些細なきっかけからまた御

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    2025年08月21日
  • 脳は耳で感動する

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    音楽が好き!久石さんが好きという理由だけで手に取ったが音楽に限らず多岐に渡る対談が非常におもしろかった。

    底本も読んでみたいなあと。 音楽と感動の話や日本人の特性、構築力について、螺旋活動など。

    特に、現実を豊かにするために言葉がある。には、ハッとさせられた。

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    2025年08月17日
  • 感動をつくれますか?

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    自分は音楽の人間ではありませんが、作品を作る上で共感したり示唆をいただくことが多くありました。後半は日本人の得意なことと不得意なことについて問題定義があり、自分の価値観の見直しを迫られました。大変よい読書体験でした。

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    2025年08月12日
  • 脳は耳で感動する

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    ネタバレ

    ★感想
    バランス、リズム、円、生きる力とは。
    それぞれのキーワードは点だが、
    人との関わり(自分の捉え方、互いが楽、楽しい生活など)、
    授業づくり等において、つながる感覚。
    ちょっと長いけれど、やっぱり読書はいい。

    ★好き 引用 一部変更
    ・作曲の胆も閃きにあらず
    P80 久石氏 いい音楽と悪い音楽はどこでわかれるんですか。
    養老氏 いいといわれるものには「持続的である」という要素が入ってくることでしょう。その場限りのものはやっぱりよくない。どのくらい尾を引くか、というところが大事なんじゃないかな。(聴く側にとって、脳みその中で、ピンボールがあっちこっちに跳ね返る感じ)
    久石氏 (作曲の仕事

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    2025年07月27日
  • 感動をつくれますか?

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    要約ではなく感想。クリエイティビティの発揮には論理的思考と自分の認知プロセス認知システムに対する深い理解が必要。豊富な引き出しや様々なことに対して理解できる幅、感受性を広げるために教養が必要。学問的な教養に限らず。

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    2025年06月24日
  • 脳は耳で感動する

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    本書は2009年に刊行された『耳で考える——脳は名曲を欲する』を底本に、新装版として新たに2024年の対談を加えたものである。久石譲氏が自身のクリエイティブにおける認識や不思議に思うことなどを、養老孟司氏が読み解いていく。専門性が高い内容でありながら、養老氏の柔和な語り口と、久石氏の誠実な言葉によって読みやすく、和やかな対談となっている。

     養老氏は著書も多くyoutubeでも講演などを観ることができるが、久石譲氏は世界的に有名だがメディアの露出は少なく、その人となりにも興味があった。音楽に対する姿勢や、ちょっとした裏話も多く語られていて、まだまだ読み足りないくらい楽しめた。作品制作について

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    2025年05月22日
  • 耳で考える ――脳は名曲を欲する

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    久石譲さんが音楽を担当された映画は何作も観てきたし、養老孟司さんの本もずいぶん読んできたけれど、おふたりの対談をこうして読むのは初めてかも!本が出たのは2009年。東日本大震災の前だったけれど、「第五章 共感性と創造」時代の共鳴のあたりのおもしろさや新しさにはゾクゾクするし、なるほどなぁ!と何度もひざを打つ。この先何が起こるかはわからないけれども、自分の一生は、その人ならではの作品。深い。

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    2025年05月17日
  • 脳は耳で感動する

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    文体は読みやすい。だけど内容としては、久石さんなのでもちろん音楽の話が出てくる。ピアノを弾く私は一応理解できたが楽譜に全く馴染みがない人にはピンとこない部分もありそう。
    クリエイティビティとは、言葉とは、今の時代の参勤交代のススメなどは興味深かった。
    また、久石さんが論理的に音楽を作っているというのが意外だった。(知ってる人からすれば当たり前かも…?)

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    2025年04月21日
  • 脳は耳で感動する

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    大好きな久石譲さんが、養老先生と何を語るのかに興味があって読んだが、養老先生の知識量に圧倒されっぱなしだった。
    二人ともチャーミングで、教養に富んだ内容なのに堅苦しくなくて読みやすい。

    「人間の一生は、一つの作品」という言葉が印象的だった。自分にとっての損得で考えるのではなく、何が起きても、何を選択しても、それが自分であり、一つの作品だと胸を張って言えたらかっこいい。

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    2025年04月15日
  • 感動をつくれますか?

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    久石譲さんの仕事への向き合い方が伝わってきた。創意工夫はしながら仕事していきたいし、そのためにも経験と知識をたくさん積みたい

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    2024年02月12日
  • 感動をつくれますか?

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    自分の考えと監督の考え、どちらも大切でバランスを取りながら作っていくことが大切だと知りました。どこに焦点を当てて作るのか、考えたことがない視点でとても面白かったです。

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    2023年05月10日
  • 感動をつくれますか?

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    仕事への姿勢について、会社員でも見習いたいと思うところがいくつもありました。
    久石さんのような素晴らしい音楽を作られる方でも毎回、自分の限界に挑戦しているのだから、自分はなおのこと頑張らなければ、と思わされました。

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    2020年04月28日
  • 感動をつくれますか?

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    ネタバレ

    フォトリーディング後、熟読。しばらく積ん読した理由は、後半になって創造性よりも映画音楽の話になったため。それも面白かったが、創作に関するヒントは前半のほうが多かった。

    星四つ。

    クリエイティビティーを要する仕事はプロとして意識して行うこと。感情ややる気に左右されてはならない。さもないと、気分の乗っていないときには生産性を落とすことになる。プロはどんなときにも一定の生産物を出すこと。

    そのためにはインプットを怠らないこと。
    考えることも重要だが、著者は考えが煮詰まるまで考え、その後にアイデアが与えられるという経験を披露している。

    考えは煮詰まる。そして天啓のように閃く。そのためにはインプ

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    2019年06月03日
  • 感動をつくれますか?

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    気分の波に流されない
    時間軸と空間軸の中で創造されるものは、みな論理的構造を持っている。音楽・文学・映画は時間の経過の上で成り立っているので論理的構造を持っている。絵画は感覚的に直に訴える。だから画家は行動も感覚的なものが突出しやすい。
    20世紀はポップスの時代。その特徴はリズム。黒人からもたらされたもの。
    型や道は日本人に合っている。とりあえずそれに従っていれば大きな失敗はしない。

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    2017年11月23日
  • 耳で考える ――脳は名曲を欲する

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    非常にインテリジェンス溢れる二人の対談。どちらかというと養老先生の方のウエイトが大きい。
    対談だけに、もうちょっと説明が欲しいかなーってところが、さらりと流されていたりして理解がしにくい部分がある。

    やや年寄りの説教じみた所が目につくが
    、普段教授として学生に接していることで感じている憤りが根底にあるのだろう。まぁ、自分は納得いくことばかりだったけど。

    それにしても、知的な人の話は面白い。

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    2015年07月19日
  • 感動をつくれますか?

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    作曲家久石譲さんの本。
    久石さんは曲を作ることが仕事なだけに、話の中心は作曲するときのことだが、何かを生み出す仕事をしてる人にとっては、共感できる部分が多々あると思う。

    一流とは、優れたプロとは結果を出し続け、毎回ハイレベルな仕事をする人。
    いいものをつくるには、ニーズを無視してはいけないけど、迎合してもいけないこと。
    自分自身が陶酔できないものをつくるなということ。
    音を出すことを通じて何を伝えたいのかをしっかり考えること。

    これからビジネスを興したいと思っている自分には響くところがたくさんあった。
    また読み返したい1冊。

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    2015年03月24日
  • 感動をつくれますか?

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    【選んだ理由】
    感動をつくれますかという題に惹かれ、著者に興味があったから

    【読んだ感想】
    モノづくりへのこだわりと時代と向き合う感性の鋭さを感じた。

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    2014年07月21日