久石譲のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
リズムの良い文章ですらすらっと読めてしまうが、話の内容は奥深い。
「見て感動するより、聴いて感動する方がよっぽど多い」に最初はそうだっけ?と思ったが、耳が持つ「遠心性」と「求心性」で映画なんかでもグッとそこに惹きつけられるし、歌を聞いてるだけで泣けることもあるなぁ、と。
巨匠2人の深い知見や様々な経験から見える世界をお聞きするだけでも面白かったが、「根本的に人と人が理解するのは『共鳴』だけ」というフレーズはとても腑に落ちて、自分がああ、これだな、というときには聞いた言葉からどんどんイメージが立ち上がっていく感覚があるので、それこそが、共鳴=響き合うなんだろうなぁと改めて認識した一冊。
-
Posted by ブクログ
想像力の源である感性、その土台になっているのは、自分の中の知識や経験の蓄積。サロンストックを絶対量を増やしていくことが、自分のキャパシティ需要力を広げることにつながる。
言葉はあだけでは意味をなさない。ありがとう。とつられることで初めて意味を持つ。本も文字、言葉、文章、そして文脈の連続性のもとに書かれる音楽も同じですし、映画も1個1個の映像のシーンが連なることで意味を持つ。つまり、音楽も文学も映画なども時間の経過の上で成り立っているものは論理的構造を持っている。それに比べて、絵は作品が表現するものが見た。瞬間にわかる瞬時に世界表現できる。力上がる。時間の経過は伴わない分、論理的なものより -
Posted by ブクログ
プロフェッショナリズムの本だこれ!この本もプロジェクト開始毎に読み直す
・いい仕事であるかどうかの評価を下すのは発注者であり世の中の需要
・その時々の自分の限界まで行ききり、行ききった先に何か新しい魅力が待っている
・自分が興奮できないようなものではダメ
・物事には時勢の流れが有る
・いかに多くのものを観て、聴いて、読んでいるかが大切
・自分を客観的に見ることに努める、第三者のように冷めた目線で客観的に構えている自分が自身にアドバイスをする
・自身がおかしたミスをまず認める、そして即座に気持ちを立て直す
・原因は必ず自分の中にある
・仕事はまず核心を突く、一番大事なところからやる
・楽な人生 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「バカの壁」の作者 養老孟司さんと、
ご存知、宮崎アニメや「おくりびと」の作曲をした 久石譲さんが
耳、音、聴覚をキーワードに、語り合う対談です。
考えただけで、わくわくする方同士の対談!
いや~、一気に読んでしまいました。
「なぜ人は音楽で感動するのか」など
人間が音楽を美しいと感じるメカニズムについて徹底的に語り合っています。
久石さんが音楽について感じていることを語ると、それは人間の脳がこんな風に働くから
音に対してそう感じるんだね~と養老さんがメカニズムを解説する。
そして、最終的には聴覚の持つ神秘の力を問い正す。
面白くないわけがない!というのが感想です(笑)
例えば、映 -
Posted by ブクログ
耳に聞える音と目に見える景色は別物だということは、映像や音楽に係わる世界に身を置いたことのある者なら誰もが痛い目に逢わされて、痛切に思い知らされたことが何度となくあるだろう。
ところが、目からの情報と耳からの情報、この二つの異質な感覚を連合させたところにつくられたのが「言葉」であり、人間は「言葉」を持つことでこの二つの異なった「世界」を同じにしてしまうのだと言われると、思わずウーンと唸りたくなる。
なるほどという思いと、どこかおかしい、騙されているのではなかろうかという思いがないまぜになってくるのである。これは養老先生の話を聞いた時にしばしば起こる感慨であるが、それだけ刺激的であるという -
Posted by ブクログ
養老先生と久石譲のおしゃべり。
言うなれば賢者の雑談系の本。
音楽の話というより、単なるおしゃべり。
賢者の雑談は、読んでいて楽しい。
養老先生は賢い先生だけど、賢くロジックで話を作らないで、あえて感覚的なところで、言ってしまえば賢いおじいさんの推論じゃないけれど。人生、理屈じゃないんだよ、っていうんだろうか。
正しいかどうかは別として、話を読んでいて何となく腑に落ちて、そうか、そういうことで良かったんだね、と納得感というか安心感のようなものがある。
もちろん、賢い先生だから、その気になれば賢く論理的に書くこともできるんだろうが。
まあ、楽しい。