竹山道雄のレビュー一覧

  • ビルマの竪琴

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    「おーい、水島。一しょにかえろう!」

    終戦後のビルマを舞台にした児童文学。戦闘態勢だった英国人と、歌を通して和解し、ともに合唱する場面がとても感慨深かった。ビルマの山奥で、極限状態のなか、敵陣地から耳慣れた曲が聞こえてきたときの心情とはどうゆうものなのだろう。読み終わってすぐ「はにゅうの宿(Home sweet home)」「庭の千草(The last rose of summer)」を聞いたが、素敵な曲だった。また本作は作者の想像で書かれたものだというのも驚きだった。作者いわく、戦争食後は戦時中の情報を得ることは厳しく、内情を知る手掛かりは人づてに聞くしかなかったそうだ。史実と異なる場所も

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    2017年05月31日
  • ビルマの竪琴

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    戦争を描きつつ、サスペンスの要素もあり、未開の地を訪れるおもしろさもあり、オレンジの衣をまとった僧が肩に青いインコを乗せるという、ビジュアル的なおもしろさもあり。全体を通じて戦争への批判と、平和への願いと、若くして亡くなっていったひとたちへの強い追悼の思いが流れている。いくつもの複合された味わい、けれど分かりやすい、そしてとても後味のやさしい良書。

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    2016年04月23日
  • ビルマの竪琴

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    敬体で綴られているからか
    透明感のある印象を持ちました

    第三話では、謎が解明され、
    さらにテーマ性がぐんと前に出てきて
    読み応えがありました

    人食人種のくだりが残念です

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    2015年11月30日
  • ビルマの竪琴

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    竹山道雄が1948年に発表した児童向け作品。実話ではないですが、作者が一高教官として多くの教え子を戦場に送り出した体験が動機になって書かれています。戦争について語るのがタブー視された終戦直後に、これだけの内容の作品を書き上げ、発表しようと思った作者の気持ちを考えると頭が下がります。作者の想像で書かれた作品なので、荒唐無稽な部分もありますが、多くの名もなき人たちが日本に帰ることが出来ずに、異国の地で眠っているという事実をあらためて確認できた作品でした。

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    2015年11月16日
  • ビルマの竪琴

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    太平洋戦争終戦間近、
    いまのミャンマーことビルマの戦線にいた一部隊の物語。

    戦後間もなく発表された「童話」ということですが、
    今読むと、子どもも読める「小説」のように思えます。
    言葉がていねいで読みやすいのが子供向けなのでしょうが、
    難しい言葉も注釈アリで使用されていたり、
    その読解に子どもならば苦労しそうな箇所も終盤にあったりします。
    それでいて「童話」なのですから、
    当時と今の感覚の違いを感じさせられますね。
    現代人はIQが低下していく一方だとする説や
    実験からの根拠もあるようですが、
    昔の子どもって、知的負荷が今よりも強い中を
    たくましく育ったのかな、なんて思いました。

    まぁ、面白か

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    2025年06月28日
  • ビルマの竪琴

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    青インコを乗せるビルマ僧。
    この前ラオスにいったので、情景が浮かんでしょうがなかった。

    ビルマ。
    遠くにビルマのパゴタが見える。
    日本の兵隊さんは死んで腐乱して川にいくつも浮かんでいる。
    大仏はそれをねっころがりながら見ている。
    いつまでも。

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    2015年07月14日
  • ビルマの竪琴

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    戦争文学を語る際には避けて通れない作品の一つだと思います。

    舞台となったビルマ(現ミャンマー)はかつて、「ジャワの極楽、ビルマの地獄、生きて帰れぬニューギニア」と言われた激戦地のひとつで、悪名高いインパール作戦が展開された地でもあります。
    多くの日本兵が戦闘ではない飢餓や疫病で命を落とし、その亡骸が放置された「白骨街道」という言葉も有名です。

    本作品の中心人物である水島上等兵は敗戦(戦闘停止)後も抵抗を続ける部隊に降伏を進めるために戦闘地域へと向かい、そのまま消息を絶ちました。所属部隊は捕虜となりますが、水島上等兵が舞台に復帰せずに「僧」となったのはなぜなのか。
    彼の覚悟と、戦死者を悼む思

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    2025年07月01日
  • ビルマの竪琴

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    久しぶりに再読しましたが、記憶していたよりも、文章もストーリーも優しく感じました。今更ながら、童話雑誌掲載の子供にも読める作品だと思いました。
    日本軍の戦況は、悪化し、苦戦を強いられていた。ビルマの一小隊では、音楽学校出身の隊長が、隊員に合唱を教えていた。苦しい時、団結する時、彼らは歌う。今読めば、そんな事はなかったでしょうとは思うけど、こんな小隊もあったかもしれないと思わせてくれる。
    その隊の一人、水島は、楽才に優れて竪琴も自作していた。敗戦となり、小隊は捕虜となるが、水島は、ある任務をきっかけにビルマの戦死者の霊を弔うため、出家しその地に止まる決意をした。
    日本に帰る仲間は、生きて帰り日本

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    2023年05月28日
  • 若きウェルテルの悩み

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    ネタバレ

    この本で見られる形の失恋は確かに誰しも経験したことがあるかもしれませんね。
    しかし最後の解説でこの本がブームになったことで自殺者が増えてしまったと知ったとき恐ろしい本だなと思いました。
    元気じゃないと読んではいけない本です。

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    2023年05月22日
  • 若きウェルテルの悩み

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    ネタバレ

    美しい自然の描写や村の人々の生活がのどかでよかった
    人の婚約者に惚れてここまで悲劇の人間ぶることある?ってなるくらい仰々しい表現で恋の喜びと苦しみと破滅が書かれてて凡人には共感できる感情の動き幅じゃなくておもしろい
    恋愛に、というよりも、恋愛についての自分の思考に振り回されて自滅していく様子が秀抜
    タイトルに採用されるのも納得の悩み具合だと思う

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    2023年05月15日
  • ビルマの竪琴

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    ネタバレ

    戦争という陰惨なテーマでありながら、主人公水島が、生きる上で本当に大切なことは何なのか、苦悩し考える。
    生死が分からなくなった水島が一体何をしていたのかは、最後の手紙でしか知らされないが、死に近づいた生活をしていたからこそ感じることが出来る何かがあるに違いない。

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    2023年02月26日
  • 若きウェルテルの悩み

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    ネタバレ

    ウェルテルはロッテに恋するが、彼女には婚約者がいる。それでも構わぬと友人として交際を始め、彼女を崇拝し、やがては自分が婚約者/夫たり得たらと空想し、それが叶わぬと知り悩み、絶望して、ついには自殺する。
    本書はウェルテルが友人に送った書簡の体裁を取っている。そのため読者が知れるのはあくまでウェルテルの内面だけだ。彼がいくら心の底からロッテに惚れ、愛の言葉を紡ごうとも、当の本人には伝わらない。自分たちは相思相愛だと主張するが、ロッテに確認する術は無い。あまりに一方的だ。
    ロッテに対して執着同然の恋心を抱いたウェルテルの破滅は、彼女への“呪い”になってしまったと自分は解釈する。「自分が彼を追い詰

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    2023年01月29日
  • ビルマの竪琴

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    題名は聞いたことがあっても、読んだことはなく、手にとりました。古い本だけど、読みやすい。
    作中で触れられるビルマの人々の性質や考え方、宗教感が印象に残りました。

    われわれが国を出たときには、もう日本人は腹をすかせて、毎日追いたてるように忙しく働いて、おそれおののいて暮らしていました。
    それにひきかえ、この国の人は、おとなしく、弱く、まずしく、しかもそれに安住して、ただしずかに楽しんで生きています。そして、ひたすら心の救いだけを求めているのです。

    著者は、近代化とともに日本が失ったものを、この時代からこんな風に思っていたんだなぁと感じました。
    子供むけに書いた本だと知り、驚きました。

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    2022年08月04日
  • 若きウェルテルの悩み

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    それまで冒険小説などのいわゆる娯楽小説が大半を占めていた中でいわゆる私小説というジャンルを創設したのがゲーテ。啓蒙主義に基づいた理性への信頼全盛の時代にあって、恋愛にまつわる激情を描き出した画期性はたしかにあったのだろう。あったのだろうけど人生経験の乏しさゆえか、そこまで没入は出来なかった。ゲーテに言わせればウェルテルに共感できない僕はまだまだ不幸な人間なんだろう。
    しかし、表現がいちいちロマンチックで刺さった。一番好きなのはこれかな。
    「ときどき不可解な気がする。私がこれほどまでにただあのひとだけを、これほどにも熱く、これほどにも胸いっぱいに愛して、あのひとのほかには何も知らず、何も解せず、

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    2021年10月01日
  • 若きウェルテルの悩み

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    新学社文庫より出ている学校指定の本で読みました。
    なかなか言い回しを読解することが難しく苦戦しましたがウェルテルのロッテに対する恋慕と陶酔が表現されており、若くしてのため悩んでしまったのか。
    気付いたときには遅かったのか。あの時代の背景として自由婚でなかったのか。時代に合わせた背景が解らないので深く読めなかった。勉強不足だった。
    思いが募りすぎて最後の方で見つかる死にかたを選んで死んだことが見せしめのように見受けられちょっとサイコパスだなってかんじました。
    思いに対して生きているウェルテルがアルベルトに対して嫉妬ではなく、自分への悲願として選んだのが死だった。恋慕が切なく儚く感じた作品でした

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    2021年07月04日
  • 若きウェルテルの悩み

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    恋が成就せずに自殺するという流れは知っていたけど、思い詰めて思い詰めた先に自殺かと思ったら、結構序盤で自殺のことを仄めかしていた。
    もとからウェルテルは自殺へのハードルが低い人だったんだろう。

    さすが詩人、情熱的な描写が秀逸なんだけど、ちょっと長いな!!(特にロッテへの読み聞かせ)

    ウェルテルは若者らしく、感受性豊かで、曇りない世界を愛している。けれども現実は権力欲に取りつかれた人間や、(ウェルテルにとって)この世の理をわかっていない連中ばかりで理解者がいない。

    ロッテは唯一ウェルテルの安らぎだけど、別の人の物で、どうにもならなさが、この世の不条理がじわじわとウェルテルを蝕む。
    ウェルテ

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    2021年05月04日
  • ビルマの竪琴

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    ネタバレ

    小学生の頃に何度も読んだ記憶がある。
    戦地で命を絶つ人を馬鹿にする風潮があった中でこれを書くのはとっても格好良い。水島のこれが日本人らしさなのかもなあって思う。厭世的な雰囲気等、とってもミャンマーに興味を持って行ってみたくなる。戦争の恐ろしさとかよりも、人間の崇高な部分に惹かれ、特に外国人が戦死した日本人を弔うのが好き。児童書だからだろうけど嫌な人が出てこなくて、小さい頃はこんな人になりたいって何度も読んだのだったと思う。

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    2021年03月05日
  • ビルマの竪琴

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    子供の頃に「水島、一緒に日本に帰ろう」と叫ぶシーンをテレビで観たことはあったが、なぜ水島がビルマに残る決意をしたのかは、恥ずかしながら今回初めて知った。

    今も世界のどこかで水島のような運命を背負う青年がいるのだろう。

    本はとてもシンプル。

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    2021年02月04日
  • 若きウェルテルの悩み

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    ウェルテルの心理が描き出した、すこし歪な世界観。
    だが、同情する点も多々あり、改めて世界は見る人によって表情を変えるのだなと。

    フランクフルト旅行の前にゲーテの本を読んでみた。

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    2020年01月18日
  • 若きウェルテルの悩み

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    ゲーテに興味を持ったので、めったに読まない古典文学を読んでみました。かなり読みやすく、婚約者のいる女性に恋したウェルテルの苦悩が描かれた小説。

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    2019年12月21日