竹山道雄のレビュー一覧

  • ビルマの竪琴

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    戦後に発表したとなると、当時は否定的な意見も多かったでしょう。
    戦争の残虐性だけでなく、かといって感涙を誘うだけの話ではない。
    人間として大切な事は何か、実はものすごく単純で当たり前の事を考えさせてくれるお話。

    童話の形式で書かれているので、子供がもう少し大きくなったら、ぜひ読んでほしい一冊です。

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    2024年08月18日
  • 若きウェルテルの悩み

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    本屋さんに行ったときもう少し和訳が柔らかいのがあったのでそちらがおすすめかもです…。
    私が読んだのは少し言葉遣いが旧いこちらですが、今使われてる言葉で読んだ方が心にすっと入ってくると思います。
    ウェルテル現象という言葉があるぐらい当時の若者は感化された作品なだけあって、感ずるものがあります。まださらりとしか読めていないので時間をかけて味わいたい作品だなと思いました。

    最後の方なのですがロッテが可哀想ですね!(幼稚園児並の感想)ウェルテルはロッテや周りの人達に一生消えない傷を残して去っていきました。きっとウェルテルはロッテの心の中の住人になれたことでしょう。罪深いですね!

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    2024年05月20日
  • ビルマの竪琴

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    児童文学。くもんの推薦図書ではハリーポッターと同レベルのFに並べられています。
    文体は優しく、音楽を主軸として、異国での苦境の前線を描いており、短い話で、中学生なら読み通せる子がいてもおかしくないかなぁと思わせます。

    作中には青いインコが登場しますが、その描写がいかにもリアルで感心しました。
    うちにもインコがおり、今もマラソンを観戦している家族に混じって、テレビと家族に向かってピィピィと楽しげに鳴いています。
    南国にいるインコがありありと想像され、また健気さに泣きながら読み終えました。

    今起こっている戦争とは、状況や価値観が違うものと思いますが、だからこそ1番根っこの大事なものについて思い

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    2024年02月25日
  • 若きウェルテルの悩み

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    圧倒的。
    青春期特有の人が持つまっすぐな心と純粋な感性にここまで肉薄し丁寧に描写した作品は数少ない。
    現代の人はすぐに詩的な物言いに触れるとポエマーだの病んでるだの言う。
    TwitterやSNSで安易に自らの心のうちを吐露してる人ももちろん大概だが、人の心のめんどくささだったりどうしようもなさを、一方的に俯瞰から見ては冷笑的なコメントをする人が多い現状はそれはそれで色々辛い。
    ウェルテルは書簡体、つまりとても個人的なもので、本来は触れてはいけない人の「真実」が描かれる。彼の希望と絶望がそこに克明に記され、それを読んだ僕たちが魂の奥底で何かを動かされる。
    ウェルテルは死んだがゲーテは生き返った。

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    2023年09月29日
  • ビルマの竪琴

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    この物語が空想で書かれたということに驚いた。しかし著者が生きていた時代、教え子たちが実際に南方で死に、彼らを常に悼み、弔っていたのは、まさに水島上等兵さながらであり、その実感がこの物語のリアリティを高めている。

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    2023年04月06日
  • 若きウェルテルの悩み

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    まさに疾風怒濤という小説で、主人公が畳み掛けるように心理が変化していく様が痛いほど分かった。様々なモチーフや風景描写が随所に散りばめられ、後々の考えに影響を及ぼしたりする伏線のようになっているところも面白かった。ただ、一部二部と三部で構成が変わり、いいところもあるのだけど、没入感やテンポがなくなってしまったように感じられ残念だった。(解説にも同様に思った人もいたと書いてあり安心した)
    ウェルテル効果という現象や言葉ができた理由が分かったように思う。

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    2022年01月03日
  • ビルマの竪琴

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    これは、児童向けの童話として書かれたものですが、現代においては、むしろ大人が読むべき一冊となっているように思われます。
    それは、相当な年配者が、懐かしく読むのではなく、壮年期の闊達に日々を生きているはずの年代が読むべきだろうと思います。
    はたして、「自分たちはどこに生きているのか」「誰と生きているのか」、そもそも「何をしているのか」気付くために。
    .
    現代日本人は、何かにとり憑かれたように、考えることも、確認することもなく、まっしぐらに走っている。
    それは、走ることを半ば強要されているからでも有り、そのことに或いは気付きながらも、批判することなく従っている結果のように思えます。
    何に向かって走

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    2021年08月31日
  • 若きウェルテルの悩み

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    古語が多く、また、特に序盤は内容がとっつきにくい為、読み終えるのに少し体力が入りましたが、当時の時代背景における本書の位置付けや、主人公の独特の価値観を踏まえた上で読むと、物語の進行とともに本書の素晴らしさを痛感しました、、、。

    18世紀に書かれたとは思えない、今なお先端を走る圧倒的な普遍性は、非常に読み応えがあり、出会ってよかったと思える本の一つでした。

    啓蒙思想から脱却と、人間性の開放、、、。



    『もし恋なかりせば、この世はわれらの心にとってなんであろうか?』
    『人間は人間です。誰かがすこしばかり分別をもっていたところで、いったん情熱が荒れくるって人間の限界におしつめられたら、そん

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    2021年03月14日
  • 若きウェルテルの悩み

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    学生時代はゲーテ先生にハマった。私が好きな恋愛小説。タッソウ?も面白かった。自然科学系の本もおもしろい

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    2021年02月01日
  • ビルマの竪琴

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    戦争に命を奪われ、生きた証を残すことの叶わなかった人たちがいる。

    骨となり異国に戻ることのできない人たちがいる。

    レクイエムは、生きていくものたちのための救いでもある。

    発表当時は「児童向け」として書かれた作品ですが、小学校高学年でもこのままは読みづらいかもしれません。中学生におすすめ。

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    2020年11月21日
  • ビルマの竪琴

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    南方から帰ってきた傷痍軍人で溢れ、焼け野原が残るーそんな時代にこの本は書かれた。
    当時の日本は、復興という明るい使命感に燃えるものの、戦中から一転、戦争を絶対悪と見なし、戦争に対して、また戦争に関わったものたちに対して、冷静な分析をするものがいなかった。亡き者たちを英霊などと言って語っては、戦争賛美になってしまう。多くの人が死にすぎたからこそ、戦争の惨状を過去の遺物として、なきものとして、葬ることを選んだーーー
    しかしそんな中、竹山氏は「鎮魂」というテーマで、あえて児童書という形を取って書き上げた。おそらく、この本に救われた元軍人や残された家族は多かったのではないだろうか。遺骨も見ることなく、

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    2020年08月31日
  • 若きウェルテルの悩み

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    友人とゲーテの思想を学ぼうと決め、本書を手にとった。本書は、主人公のウェルテルが親友のいいなずけのロッテに恋する物語である。本書におけるウェルテルは狂人と言ってもいいほどの勢いでロッテに愛を捧げている。現代においてはストーカーと呼ばれても仕方がない程のウェルテルの行動ぶりは理解に苦しんだ。当時のドイツ社会では本書が人気を博したとのことだが、それほど皆がウェルテルのような純愛を経験していたのだろうかと疑問に思った。また、ゲーテは「もし生涯に『ウェルテル』が自分のために書かれたと感じるような時期がないなら、その人は不幸だ」と述べているが、私自身にその時期が来る未来を想像できない。しかし、一人のこと

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    2018年11月13日
  • 若きウェルテルの悩み

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    有名な作品。読んでみると確かにすごい作品だった。前の話だけど、人の弱さ、繊細さがよく描けていると思う。色んな意味でとてもズシンと響くものがある作品だった。角川をベースに岩波と読み比べをしながら読んだ。全体的には角川のほうが読みやすいけど統一した雰囲気は岩波のほうがある。特に最後の詩の部分は岩波のほうが読みやすい。

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    2017年12月18日
  • ビルマの竪琴

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    子ども向けに書かれた小説、とのことで、やさしい言葉で書かれているが内容はとても深く難しい。若いときに一度は軍に入隊しなくてはならない当時の日本と、僧として修行しなくてはならないビルマ(ミャンマー)。どちらがすぐれているか。どちらが良いのか。どちらが豊かか。幸せとは、豊かさとは何か、深く深く
    考えさせられる。

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    2017年11月05日
  • 若きウェルテルの悩み

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    ネタバレ

    ウェルテル効果、という主に有名人の自殺に伴う自殺の連鎖を生む現象のこと、その元ネタ。

    数百年前のドイツで、こんな小説が出るのは衝撃だろうと思う。人間の感情をここまで赤裸々に吐露し、しかもそれが受け入れられたということ。

    理性でなく、人間的な自然な感情を肯定している、そんな感じがする。
    ロシア文学っぽいけども、あちらほど能力もないのに卑屈になっている様子ではなく、ある特定の人とはきちんと交流を持てている。が、表層の権威への反発など(理路整然的なものとそうでないもの)は似通っているように感じた。地下室の手記のよう。

    大学生のときに読んだが、あの時は、まさに自身があの中に居たような気がしていた

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    2017年05月14日
  • 若きウェルテルの悩み

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    主人公はどうしようもなく苦悩しているのに、詩的情熱が充溢しているためかどこまでも牧歌的。
    人生と恋愛と芸術を、人々がずっと素朴に、また真摯に愛していたのだろうな......悲劇的な結末が避けられないほどに。ドイツ的時代精神にふわーっと憧れました。

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    2016年10月08日
  • ビルマの竪琴

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    初めて読んだのは、中学の頃。以来、何度か読み返して、手元にあるのは2冊目。
    何度読んでも、涙が出そうになる。水島は、どうして日本へ帰らなかったのか。

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    2016年04月30日
  • ビルマの竪琴

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    現地に行った。赤土を踏んだ。慰霊法要をした。視界がぼやけた。

    昨年11月のインド・ミャンマー行きから帰ったら必ず『ビルマの竪琴』を読むと決めていて今回映画('56年版)も鑑賞した。
    文章やワンシーンの端々に見られるビルマの景色や人々。ついこないだ行ってたもんやからイメージしやすい。'56年版は半分くらいしか現地での撮影が出来なかったらしいけど私達が行った時とさほど変わっていなかったのが驚きだった。

    作中の竪琴と現地で聴いた箏の音色が何度も重なる。両楽器で演奏された「埴生の宿」が頭から離れない。その時の静寂もまるで同じ。

    慰霊法要の時みたく、また何かが押し寄せて視界がぼ

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    2021年10月26日
  • 若きウェルテルの悩み

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    これを読んだのは、高校3年生の秋から冬。

    受験を前にし、ちょうど失恋したばかりのころ。
    失恋の痛手で手にした作品とも言える。
    その後も、少なからず失恋はした。

    だけど、初めて読み終えて以来、この本をまた開く気持ちになれなかった。
    何故なら、最後のくだり、ウェルテルが事におよぶシーンが痛ましく、再び読み返すことができなかったため。

    失恋を経験してるなら、一度は読んでみてもよい作品だと思う。
    けれども、悲痛過ぎて、個人的にはもう読むことができない作品でもある。

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    2019年01月16日
  • ビルマの竪琴

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    小学校のときにおばあちゃんの家で夢中になって読んだ記憶があって、大人になって読み返した。
    おもしろかった。けど内容子供向けじゃないんじゃない?と思った。けど、これは童話らしい。びっくり。これを読んで善く生きるとはこういうことなのか、と幼いながらに感銘を受けていたような気がする。

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    2025年04月05日