川村湊のレビュー一覧

  • 歎異抄

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    宗教を過度に否定する風潮が今の世の中にはありますが、歴史上何億、何十億単位で人を救ってきたのもまた宗教な訳で、そこに縋るのは人間として何も不思議じゃないんですよ。とりわけ『歎異抄』には「お前が持ってる荷物全部オレが持ってやるから貸しな」的な空気があって愛しています。

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    2023年09月11日
  • 歎異抄

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    8年前に梅原猛訳で一度読んでいるのだが、好きな「光文社古典新訳文庫」で「関西弁訳」があると知り読んでみた。

    原典は現代の日本人からすると十分に格調高い古典的な硬い文章に見えるのだが、当時の親鸞はわかりやすい平易な言葉で説いたらしく、その雰囲気を醸すために、『何となく分かる』スタイルの関西弁風翻訳としたそう。その試みは当たっているような、そうでないような。関西に計15年程住んだ者にとっては分かりやすく感じた。二度目だからかもしれない。

    悪人正機説(善人なをもて往生をとぐ、いはんや悪人をや)が誤解されないように諭した部分の例え話は秀逸だ。

    十三
    原典
    くすりあればとて、毒をこのむべからず
    とあそばれてさふらふは、かの邪執をやめんがためなり。

    関西弁訳
    「薬があるというたからとて、毒を好むちゅうのはおかしなことや」とはっきりいわはったのは、そないなよこしまな考え(=邪執)をやめさせようとしはったためや。

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    2023年09月09日
  • 歎異抄

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    「南無阿弥陀仏」

    哲学の次は仏教です
    どこを目指してるんでしょう?w
    答え:どこも目指していません

    はい、うち思いっきり真言宗なんですが、まぁいいでしょう
    唯円さんとは同郷なんであまいいでしょう
    甲子園で自分とこの県代表応援するのと同じ気持ちで読みました

    って嘘!絶対嘘!!

    でも、大丈夫どんな気持ちで読んでも最後「南無阿弥陀仏」っ言っときゃオールオッケーです
    え?そういうことじゃない?

    いやいやそういうことでしょうよ!
    気持ちでしょうよ!

    そう…なの?(知らんわ)

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    2023年06月05日
  • 歎異抄

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    仏の教えとは寛容だなーと思いました。
    ナンマイダブと唱えれば善悪に関係なく阿弥陀様が救ってくれる…このユルさが現代でも受け容れられている所以なんでしょうか。

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    2022年01月11日
  • 村上春樹はノーベル賞をとれるのか?

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    客寄せ的なタイトルですが、村上春樹云々は数十頁のみで、大部分の "ノーベル文学賞とは何か" という内容が興味深かった。
    決定していても直前に亡くなれば授賞はなく、国別、言語別、カテゴリー別に暗黙の持ち回りがある、エンターテインメント系作家には決して授賞はないなど。一年に一人という間尺に生きてるうちに合わない、何十年に一人、百年に一人といった天才には回ってこないと。次の日本人はイシグロではないかと当てていた。
    それにしても著者の「世界文学」の知識がすごい。非受賞の愛すべき大作家たち、偉大な作品が出るわ出るわ

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    2017年10月13日
  • 歎異抄

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    関西弁訳というのに惹かれて読んだ。
    堅苦しい印象がなく、すらすらうと読むことができた。
    「他力」ということがどういうことなのか、よくわかったような気がする。

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    2016年04月19日
  • 歎異抄

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    【本の内容】
    「アミダ如来はんにいただいた信心を、おれのもんやいう顔で取り返そういうのんは、ホンマにアホらしいことやで」。

    天災や飢饉に見舞われ、戦乱の収まらない鎌倉初期の無常の世にあって、唯円は師が確信した「他力」の真意を庶民に伝えずにいられなかった。

    親鸞の肉声、ここに蘇る。

    [ 目次 ]
    歎異抄
    歎異抄(原典)
    付録 親鸞和讃抄

    [ POP ]
    浄土真宗の開祖、親鸞(1173~1262年)の言葉を弟子の唯円が書き取ったとされる仏書を、文芸評論家の川村湊さんが現代語訳した。

    取り合わせが意外だ。

    しかも、当時の語りの雰囲気が出るよう関西弁風にしたという。

    「悪人正機」を唱えた有名な一節、<善人なをもて往生をとぐ、いはんや悪人をや>はこうなる。

    <善え奴が往生するんやさかい、ましてや悪い奴がそうならんはずがない>

    今年5月、パルコ出版から『ソクラテスの弁明 関西弁訳』(北口裕康)も出た。

    難しい書物を大阪風の語感で訳すのが、流行なのか。

    <往生には賢しらな考えなど持たずに、ただほれぼれと、アミダはんのご恩がますます深いことをつねに思い出してみるべきや>

    親鸞は、自分で考える「自力」を否定し、阿弥陀にすがり、念仏を唱える「他力本願」を説く。

    強い教えに引かれながら、「あかん……」。

    その境地に至るのはまだ早い気がした。

    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

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    2014年09月20日
  • 歎異抄

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    今まで読んできた歎異抄のなかで一番分かりやすい。大阪弁で原題訳された親鸞の言葉にとても親近感が持てた。

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    2014年04月01日
  • 梁塵秘抄

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    「一週間のご無沙汰です。歌は時代とともに、時代は歌とともに。神仏讃えるその歌も、恋の謡へと変えましょう。平安時代の流行歌『後白河・歌のアルバム』、古人の思いを言葉にのせて...』そんなナレーションをつけたくなるような、思い切った翻訳の梁塵秘抄です。訳そのものは若干、悪乗りしすぎていたり乱暴な気もしますが、そのままでは硬く身構えてしまいそうな今様を身近に感じさせてくれます。昭和歌謡テイスト溢れるアレンジなので、若い世代には古臭く感じられるかもしれませんが、こういった試みは良いと思います。

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    2012年11月18日
  • 歎異抄

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    新訳…!!!

    ざ、斬新すぎる!!!


    あまりの関西弁に初めは面食らったけど、めっちゃ面白い試みだと思います。

    光文社古典新訳文庫すきだなぁ~

    内容は、親鸞の「善人なほもて往生をとぐ、 いわんや悪人をや」
    が、ようやく理解できたかなぁ~

    て、感じです。

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    2012年02月11日
  • 原発と原爆 「核」の戦後精神史

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    3・11から逆に照らし出された戦後日本のすがた。ゴジラと放射能恐怖映画から、「原発文学」の数々まで、さまざまな文化現象をとりあげながら、原発と原爆をめぐる時代精神を浮き彫りにする。

    著者紹介 
    1951年北海道生まれ。文芸評論家。法政大学国際文化学部教授。「補陀落」で伊藤整文学賞、「牛頭天王と蘇民将来伝説」で読売文学賞、「南洋・樺太の日本文学」で平林たい子文学賞受賞。

    戦後の日本が世界中の人々に本当に伝えるべきこと、それは、被爆=被曝の体験から生まれた文化、原子力による被害の文化である―。ゴジラと放射能恐怖映画から、鉄腕アトム、広瀬隆『東京に原発を!』、吉本隆明『「反核」異論』、黒澤映画『生きものの記録』、『はだしのゲン』、『長崎の鐘』、『風の谷のナウシカ』、『AKIRA』、「原発文学」の数々まで、さまざまな文化現象を世相に重ね合わせながら読み解き、原発と原爆(=「核」)をめぐる時代精神を浮き彫りにする。3・11の破局にいたるまで、私たちはいったい何をしていたのだろうか…。

    内容   
    第1章 ゴジラと放射能の恐怖(集合的無意識としての怪獣ゴジラ;怪獣と放射能 ほか);
    第2章 アトムと原子力の平和利用(アトム・コバルト・ウラン;原子力の平和利用としての「アトム」 ほか);
    第3章 ナウシカとAKIRAの戦後世界(アトムを擁護する;戦後の原子力研究 ほか);
    第4章 「原発」の文学史(ゴジラの復活;ゴジラは二度死ぬ ほか)

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    2011年10月23日
  • 歎異抄

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    ネタバレ

     親鸞の弟子・唯円が記した親鸞の言行録。なのでプラトンにとっての『対話篇』、孔子にとっての『論語』にあたる。この本はもともと口語体で書かれたものなので、関西弁での現代口語訳になっている。

     この本の最大のポイントは「他力本願」。今でこそ他力本願というと、「最初から他人をあてにする」という否定的な言葉として使われるが、これは原義と異なる。

     実際の「他力本願」は一切の衆生を救う阿弥陀仏に「お任せ」、「お願い」すること。衆生というのは皆あらゆる煩悩具足に囚われた凡夫=悪人なのであり、それを自覚した悪人が救いの対象になる(悪人正機説)。

     この有名な説は、誰かを頼む拠り所のない悪人「南無阿弥陀仏」と唱えることで、阿弥陀仏に「お願い」できるのに対し、自力作善(自分の力で何でもできる)の人は自分を頼み、阿弥陀仏に「お願い」する心が欠けているという理屈によるもの。

     私はこの本を通して、阿弥陀仏は自分が煩悩まみれの救われない人間であるであることを救うということ、「俺が俺が」という我執に囚われて独善的になってはいけないということを学んだ。実際、この本で仏教の宗派同士で「お前らは劣っている」と言い合って法敵を作っている状態があることにも触れられている。

     浄土真宗はわかりやすく、誰にでも実践できたから多くの信者を獲得できたのだということも改めて認識した。

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    2011年06月19日
  • 温泉文学論

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    近代日本文学における温泉というトポスに焦点を絞った論。こういった本はこれまでありそうで実は意外となかったものだけに、着眼点を評価したい。
    日常に対するハレの場・中心に対する周縁、二項対立の劣位に置かれた「異界」としての温泉という場を文学の立ち上る場として描き出そうとする試みは、まことに興味深い。総花的で話題が散漫になるきらいはあるが、鉄道など交通手段の発達と温泉の関係など面白いテーマは本書の各所に出ているだけに、著者にはぜひこの主題を掘り下げた次回作を書いてほしいところ。

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    2009年10月07日