川村湊のレビュー一覧

  • 歎異抄
    日々ありとあらゆるものに悩みぐらぐらふらふら迷っている自分だけど、この本を読んで、そんな自分でもいいのかなぁと思うことができた。

    自業自得という言葉があるけど、この本の中ではそんなものはなんら関係なく掬い上げる「アミダはん」の存在を諭していて、親鸞が語った様々な話に触れていくうちに、自分のどうしよ...続きを読む
  • 歎異抄
    浄土真宗の教祖である親鸞。
    その直弟子の唯円が師である親鸞の思想がその死後に異なったものになることを歎じて書いた書と言われる『歎異抄』

    親鸞(1173-1262)は12世紀から13世紀にかけて生きた人物であり、今から750年以上も前の人物だ。

    驚きなのは、親鸞は弟子をとらない、としてこの本文中に...続きを読む
  • 村上春樹はノーベル賞をとれるのか?
    特に文学賞に興味が向いている今、手に取った作品ということもあるけど、かなり面白く読ませてもらいました。村上春樹とノーベル賞の親和性についても頁数は割かれているけど、むしろノーベル賞の何たるかを検証する点に重きが置かれていて、世界規模の文学賞の実際が見えてくる構成。過去の受賞者とか(北欧偏重)、男女比...続きを読む
  • 原発と原爆 「核」の戦後精神史
    P191
    原発関係者は放射能を閉じ込めるということを強調するのだが
    それは実は原発の全ての情報を閉じ込めることであり、
    原発に関する論議、討議を密室化し、その実情を決して明らかにしないということにある

    P195
    発電の方法はいくらでもある。
    コスト、環境悪化、持続可能性、終末処理、社会的リスクの
    ...続きを読む
  • 原発と原爆 「核」の戦後精神史
    タイムリーなネタで面白かった。
    「読み比べといったところで、私にその両者の主張を科学的に吟味するだけの能力があるわけではない。私は、その内容というよりは、両者の著書が持つ説得性や論理的な説明の…」
    そう!それが私の言いたかった事。
    今、皆そのレベルの作業をしてる。
    いろんな「専門家」がバラバラの説明...続きを読む
  • 歎異抄
    現代語訳が、今どきここまでコテコテな人は居ないって…というレベルのコテコテの関西弁で、訳者はこの古典新訳のシリーズで『梁塵秘抄』を歌謡曲風に訳している人でもある。
    唯円が師の親鸞から伝え聞いた事を記述する、というスタイル(とくに前半部)なので、究極の話し言葉であるコテコテ関西弁をチョイスしたのは正解...続きを読む
  • 歎異抄
    『方丈記』に続き、徳を積む参考書として読んでみたけど、「ナンマンダブ」という魔法の言葉を唱えれば往生できるという。。聖人への道は多種多様だなと。
    『方丈記』を読んで、道端に酔っ払って寝ている人達の額に『阿』の字を書いて回りたいと思ってたところへ、まさかの簡単な方法が紹介されるという結末。
    他には、読...続きを読む
  • 歎異抄
    一周回って「無思想」に辿り着いた親鸞さん。親鸞さんと唯円さんの対話があまりにも衝撃的な内容すぎて、『歎異抄』を書き写した蓮如さんも、「むやみにこれを読ませることを許してはならない」と最後に注釈を入れるほど。でも読んじゃダメって言われるほど、もっと読みたくなるものなんじゃないか。
    修行や勉強なんてしな...続きを読む
  • 梁塵秘抄
    (遊女)遊びをするために生まれたのか。戯(たわむ)れをするために生まれたのか。(無心に)遊んでいる子どもの声を聞いていると、自分の心も揺れ動いてしまう。※貴族の前で遊女が演じた歌を集めてまとめたもの。後白河法皇『梁塵秘抄』1180

    道長批判。『大鏡』
    道長賛美。『栄華物語』
    *平安後期。院政。
  • 温泉文学論
    温泉でゆかりの文学作品に思いを馳せる。異色の温泉文学。

    多くの名作の舞台となる温泉。作品を読み返し温泉を訪問し著した作品。

    尾崎紅葉「金色夜叉」の熱海
    川端康成「雪国」の越後湯沢
    松本清張「天城越え」、川端康成「伊豆の踊子」の湯ヶ島、湯ケ野
    宮沢賢治「銀河鉄道の夜」の花巻
    夏目漱石「満漢ところど...続きを読む
  • 梁塵秘抄
    あなたの 約束 忘れない
    信じて 信じて 待っている
    あなたの 名前を呼ぶだけで
    ほんとの 幸せ やってくる

    誰が歌っている演歌だろうか?いや、そうじゃない。今から900年ほど前、京の都を中心に流行した「今様」という歌謡の歌詞を川村湊さんが今様に訳したものです。
    本歌はこうです。

    阿弥陀仏の誓願...続きを読む
  • 歎異抄
    何度目かの読み直しである。今度は、全面関西弁なので、とりあえず最後まで読み通す。関西弁、良いと思うよ。そもそも文字を知らない庶民に親鸞の教えを広めるのが目的の書き物じゃけん、しゃべり言葉で伝わらんかったら、意味ねぇーけんな(←突然岡山弁)。

    (やはり元に戻して)「自力本願」に対する浄土真宗は「他力...続きを読む
  • 梁塵秘抄
    原文をチラチラ見ながら、大胆に現代歌謡曲の歌詞風に翻案して感性で読ませる斬新なスタイル。ふむ、こうやって移し替えるのか、とニヤリとできる楽しみがあった。肩の凝らない古典でありながら、「遊びをせんとや生まれける・・」は読みようによって、人としての根幹を揺すぶる素朴な力がある。かようなものを後世に残して...続きを読む
  • 村上春樹はノーベル賞をとれるのか?
    毎年のように恒例となった村上春樹のノーベル賞受賞騒ぎ。何か非常に確度の高いように思っていたが、実際はそうでもないんだ。他の理系の賞と異なり、多分に政治的な要素があることが分かる。
  • 原発と原爆 「核」の戦後精神史
    借りたもの。
    サブタイトルの通り核と関わってきた日本人の精神面をフォーカスしたもの。
    それは原爆から原発、そして原発事故に至るまでの日本人の考え方の変化も読み取れるものだった。
    日本人の“唯一の被爆国”(表向きに唯一実戦投入されたのは事実だが)という考えに釘を差し、アレルギー並みの嫌悪感を抱きながら...続きを読む
  • 歎異抄
    今週おすすめする一冊は、親鸞の教えを弟子の唯円が書き綴った書
    『歎異抄』の現代語訳版です。現代語訳と言っても、本書は大胆に
    も、思いっきりくだけた関西弁になっています。「金剛」を「ダイ
    ヤモンド」と訳すなど、ちょっとそれはどうなの?と思うような部
    分もありますが、画期的に読みやすいことは確か。日本史...続きを読む
  • 梁塵秘抄
    中世あたま(平安時代末期)に後白河上皇が集めた今様集。
    基本的な構成は、昭和歌謡風の現代語訳・原文・訳者の解釈やコメントからなるパートが100個。

    これは現存している梁塵秘抄の一部を取り出したもので完訳ではない点、出版から10年足らずで訳自体の現代感覚がすでに過去のものになっている(まあ10年ちょ...続きを読む
  • 歎異抄
    宗教を過度に否定する風潮が今の世の中にはありますが、歴史上何億、何十億単位で人を救ってきたのもまた宗教な訳で、そこに縋るのは人間として何も不思議じゃないんですよ。とりわけ『歎異抄』には「お前が持ってる荷物全部オレが持ってやるから貸しな」的な空気があって愛しています。
  • 歎異抄
    8年前に梅原猛訳で一度読んでいるのだが、好きな「光文社古典新訳文庫」で「関西弁訳」があると知り読んでみた。

    原典は現代の日本人からすると十分に格調高い古典的な硬い文章に見えるのだが、当時の親鸞はわかりやすい平易な言葉で説いたらしく、その雰囲気を醸すために、『何となく分かる』スタイルの関西弁風翻訳と...続きを読む
  • 歎異抄
    「南無阿弥陀仏」

    哲学の次は仏教です
    どこを目指してるんでしょう?w
    答え:どこも目指していません

    はい、うち思いっきり真言宗なんですが、まぁいいでしょう
    唯円さんとは同郷なんであまいいでしょう
    甲子園で自分とこの県代表応援するのと同じ気持ちで読みました

    って嘘!絶対嘘!!

    でも、大丈夫どん...続きを読む