あらすじ
幸田露伴が問い、川端康成が追究した「温泉文学」とは何か? 夏目漱石、宮澤賢治、志賀直哉……名作には、なぜか温泉地が欠かせない。立ちのぼる湯煙の中に、情愛と別離、偏執と宿意、土俗と自然、生命と無常がにじむ。本をたずさえ、汽車を乗り継ぎ、名湯に首までつかりながら、文豪たちの創作の源泉をさぐる異色の紀行評論。
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Posted by ブクログ
温泉でゆかりの文学作品に思いを馳せる。異色の温泉文学。
多くの名作の舞台となる温泉。作品を読み返し温泉を訪問し著した作品。
尾崎紅葉「金色夜叉」の熱海
川端康成「雪国」の越後湯沢
松本清張「天城越え」、川端康成「伊豆の踊子」の湯ヶ島、湯ケ野
宮沢賢治「銀河鉄道の夜」の花巻
夏目漱石「満漢ところどころ」の熊岳城、湯崗子
志賀直哉「城の崎にて」の城崎
藤原審爾「秋津温泉」の奥津
中里介山「大菩薩峠」の龍神、白骨
坂口安吾「黒谷村」の松之山
つげ義春「ゲンセンカン主人」の湯宿
章末の書籍の出版状況と温泉の現在に関する付記が良い。
ちょっと独特の文体で小難しい。