鈴木あみのレビュー一覧
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ネタバレ男たちの廓・花降楼で働く撫菜。
体を売ることに嫌悪感を感じたり、葛藤を感じたりする者の多い中で、撫菜は仕事が嫌いではなかった。
幼い頃から、子だくさんの家庭で生まれ、あまり自身を顧みられることのなかった撫菜にとって、客に優しくされることでさえも喜びであったし、気持ちのいいことも嫌いじゃなかったのだ。
そんな最中、偶然知り合った氷瑞の冷たい中に垣間見える優しさに惹かれるも、色子の身ではそんな感情は御法度だし、もう二度と会うこともないだろう……と諦めていた。
だが、楼主に呼び出された撫菜は意外なことを聞かされる。
実は氷瑞は、楼主の縁の者だと言うのである。
楼主に「あの男を虜にするこ -
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ネタバレ売春が公認化され、遊里として復活した吉原でも屈指の大見世・男の廓「花降楼」。
そこでお職を張る玉芙蓉は、女王のように驕慢な美貌を放っていた。
ところが、そんな玉芙蓉はなぜかろくでなしの客に貢いでは捨てられる日々だった。
どれだけ稼いでも、間夫と呼ばれる自身の恋人を身上がりさせ、返ってこない金を貸し、全てを男につぎ込んでしまう。
そろそろ年季が明けるというのに、ちっとも借金が減っていない玉芙蓉はついに、見世の顧問弁護士・上杉の執務室へ呼び出される。
「どうしてあなたはそんなに男の趣味が悪いんですか」
「もっとましな男って、たとえばあんたみたいなのかよ」
眼鏡の奥で皮肉に微笑む彼に聞か -
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ネタバレこの本には全部で3つの話が入ってます。
まずは「恋路」。
これはシリーズ第一弾に出てきた蕗苳と旺一郎のその後の話。
蕗苳は願い通り努力で、両親が経営していた旅館を取り戻し、旺一郎は大学に残って医者の勉強をする……という形で遠距離恋愛をしていた二人ですが、なんとか旅館を再オープンできることになったので、旺一郎がそれに合わせて蕗苳の元にやってきて……という話。
蕗苳にはまだまだ大変な事がたくさんありそうですが、前向きに頑張ってるから、きっといつか花開く事がありそうですよね。
って、シリーズ一作目だったせいか、どうにもこうにも個人的に蕗苳の印象が薄いです。
いや、多分、その後に出てき -
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ネタバレ吉原にある男の遊郭「花降楼」に、母親の自由と引き換えに売られた椿は、やがて十八になりいよいよ水揚げの日を迎える。
大勢の男たちが争う中、大金を積んでその権利を競り落としたのは、広域暴力団組長・御門春仁だった。
自分を売ったのも暴力団で、椿は暴力団なんて大嫌いだったのに、あろうことか椿の前に現れた男は、椿を花降楼に売った男だった。
最初は反発した椿だったが、御門の「俺の身代を傾かせてみろ」の言葉に、負けず嫌いが刺激される。
御門はその後、椿の許に通ってくるようになり、椿は御門を傾かせてやろうと贅沢や我が儘をたくさんいうが……
という話。
今度は蜻蛉とは別の意味の、もっとわかり -
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ネタバレ華やかな花降楼の中で、今回は控えめな性格の子が主人公。
おとなしい顔立ちと性格のため忍は前に出ることなく、客がつかず、いつも肩身の狭い思いをしていた。
そんなある日、名家の御曹司で花街の憧れの的・蘇武貴晃と知り合い、一夜をともにしてしまう。
二度と逢うこともないと思っていた忍であったが、彼はその後も忍の許へ通うようになって……
という話でした。
華やかな世界の中で、少し地味な子の話。
御職を争うような子たちの話がほとんどだったので、これはちょっと新しい感じがしました。
そんなに綺麗な子たちばっかりの中にいたら、萎縮してしまう気持ちはすごくわかるので、今まで華やかさばっかりだっ -
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ネタバレこのシリーズ大好きですって言いきれるくらいな遊廓もののシリーズ。
特に漫画化もされたこの二人の話は本当に好きで、漫画を先に読んだので、小説を読めるのが楽しみでしょうがなかったんですが。
えーっとちょっと期待外れだったかなー? という感想が、正直なところでした。
なんというか、漫画が良すぎて、小説に物足りなさをすっごく感じてしまって、もったいなかった……という感想が一番大きいように思います。
漫画は圧倒的な美し絵柄と物語がある程度進んでからのものなので、若干整理されているせいもあってすごく読みやすくて、感情移入しやすかったんですが、結構、蜻蛉が回りくどい性格をしているので、文章にす