あらすじ
多数の婦人票を集め初当選した美貌の三世議員・諏訪芳彦のもとに、吉原にある男の遊郭『花降楼』から一通の手紙が届いた。差出人の名は藤野。心当たりのない諏訪は真相を確かめるべく見世を訪れ、その妓の正体が、諏訪の母親が贔屓にしていた呉服屋「葛屋」の幼い養子・眞琴だと知る。愛らしかった眞琴は、一家離散の果てに妖艶な娼妓・藤野へと成長していた。奈落から連れ出そうと、諏訪は身請けを申し出るが、「一生面倒を見るほど愛している」という身請けの意味を分かっていない諏訪も眞琴は拒絶を示す。大人気・花降楼シリーズ、待望の第十弾!!
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匿名
健気
綺蝶と蜻蛉の朋輩、藤野の健気物語です。
ワガママ気質な藤野が年季明け間近になって、
自分だけでなく、後輩のことまで思いやって、
好みでもない客を上がらせていたりと、そういう思いやりも廓の中にはあるのね、と思いました。
そして思い人を客として上がらせて五年も仕事を勤めあげる根性!
綺蝶✕蜻蛉以外では藤野がイチオシです
擬似恋愛
楼の中でなら好きな相手と恋愛体験が出来るかもというところが健気でした。想いを通わせるところは案外あっさりしていたのがちょっと勿体ないな〜と思いました。
Posted by ブクログ
良かった~!面白かった!夜の帳~以来のせつなさで泣けた;;本当は諏訪さんのことが好きなのに、どんなことがあっても本音は言わない藤野のいじらしさがたまらなかった。諏訪さんを庇ってケガまでしたのに記念とか言うし(涙)藤野が幸せになれてほんと良かった!お互いが運命っていうことを言ってたのが素敵だった~。藤野って一見ツンとすましててクールに見えるけど、実は健気っていうギャップがまたいい!諏訪さんにだけ本音が出ちゃうとこ可愛かった~
花降楼の子たちは健気な子ばっかりだな~。
Posted by ブクログ
花振楼シリーズ10 「こいわずらうよぐたちのてすさび」
三世議員・諏訪芳彦×藤野(呉服屋「葛屋」養子・眞琴)
葛屋が潰れて遊郭に身を置く藤野は、葛屋の顧客であった諏訪に営業の手紙を書く。
このシリーズではお決まりになってきた病室でのクライマックスです。遊女が旦那に対する誠を見せるには一番のシチュですけれど。
生意気そうでも健気な藤野。手紙や接吻は、諏訪が始めてってのがいいですよね。