アントン・チェーホフのレビュー一覧
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舞台の方を先に観て、いまいち掴みきれなかったのでこちらの本を読みました。
本編後の著者の解説がとても分かりやすく、本書と舞台の映像を見返すことでしっくりこなかった部分がとても心地よくふに落ちました。 -
初めてのチェーホフだったけど、沼野さんの細かな解説がありがたく、とても楽しく読めた。
チェーホフに限らず、ロシア文学には小さく、弱く、愚かな人によりそう優しさがあり、そのへんが好きな理由かなと思った。
ドストエフスキーとかと比べると登場人物がとても素直で、本心を語っている感じがよくわかる。(ドス...続きを読むPosted by ブクログ -
現代の言葉やニュアンスが織り込まれた訳で、読みやすかったです。
最後の解説で、かもめが「喜劇」と言われる理由がよくわかりました。 -
わたしが参加している読書会の、10月の課題図書だったので読んだ。
理由は自分でもよくわからないがロシア文学が苦手、戯曲が苦手、ということでチェーホフは読んだことがなかったのだけれども、意外とおもしろかった。
ある夏、ソーリンの(おそらく少し田舎の)家に集まった文化人の会話……としかまとめられないな...続きを読むPosted by ブクログ -
ロシア文学って“誤解を受けやすい”と思う。その思潮や言動が必ずしも日本人が美徳と考えているものと一致せず、この本は特に、他の露人文豪の作品を並べて見ても、日本人からすると不可解なものが多いように思える。
したがって、自分の感性に合う・合わないだけでこの作品群を評価してしまうのは早合点であり、もっと人...続きを読むPosted by ブクログ -
チェーホフがこんなにおもしろい短篇を書く人だなんて知らなかった。どの作品も不条理だったり残酷だったり皮肉っぽかったりと不思議な味わいがある。各篇の後に訳者による詳しい解説が載っていて、物語の背景や従来の訳との違いについて詳しく説明されているのもいい。Posted by ブクログ
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登場人物達の心象風景の描写が見事。
自由なかもめだったはずのニーナが、嵐の日に傷ついて帰ってくる名場面は、何度も読み返したくなる。Posted by ブクログ -
大学のゼミでこの本からとった「いたずら」の一編を読んだ時からすごく気になっていた。そして思ったとおりはまった。
訳者による気合いのはいった解説(もはや「ロシア文学講義」である)が短編ごとに挿入されるのは、ちょっと野暮ったくはある。けどそのおかげで童話「おおきなかぶ」の謎の「一本足」くん(とても笑える...続きを読むPosted by ブクログ -
初めてチェーホフの著作を読むこととなった。
新訳とのことで、くだけた形の訳も多く、分かりやすいのだが文学作品が・・・という印象も持ったが、読みやすかった。
自分自身のロシアに対する印象もあるが、明るいお話でも決して明るく感じることはなく、短いお話でも心を軽くえぐられるような内容のものもあり、不思議な...続きを読むPosted by ブクログ -
訳者の表現が偏りすぎな部分もあるが(とくに他のロシア文学も読んだことのある自分はナッちゃんで興ざめ)、作品ごとに解説があり、全体的に講義をうけているような雰囲気で、自分のようなチェーホフ初心者にはありがたい一冊だった。
解説は、近くて遠い国ロシアのわかりづらい文化などにも及んでいて、これをきっかけに...続きを読むPosted by ブクログ -
「新訳でよみがえる」ということであるが、実はチェーホフを読むのはこれが初めてである。
翻訳物でしかも古い時代の戯曲の場合、まずその言葉遣いからして馴染めない事が多いが、本書は、現代の俳優に向けての新訳であるということで、非常にセリフが現代的であった。思わず何箇所か声に出して読んでしまった。大変刺激的...続きを読むPosted by ブクログ -
話ごとに解説があってとても親切でした。新訳だったのででとても読みやすかったです。好きな話はナッちゃんが出てくる奴と「かわいい」って奴Posted by ブクログ
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思い切った改訳と、思い入れあふるる解説で、チェーホフがぐっと身近に感じられる一冊。「好きだよナッちゃん」といった訳し方の破壊力がすごい。でも、それとはぜんぜん別の次元でチェーホフはものすごい。
<収録作品>
かわいい(可愛い女)、
ジーノチカ、
いたずら(たわむれ)、
中二階のある家ーある画家の話...続きを読むPosted by ブクログ -
好き、とかそういう言葉じゃない感じで、
私の中に残るんです、チェーホフ。
ロシア語に「トスカ」というのがあるのだとかで、
それは哀愁とか切ないとか、
日本語にはなかなか置き換えづらいものだそうで、
私はその「トスカ」というやつをいつも自分なりに感じていて、
チェーホフを読むとその「トスカ」をしんしん...続きを読むPosted by ブクログ -
ロシア文学に詳しい方からのオススメ✨
まさか、自分がチェーホフを読むとは思ってもいなかった!
これが解説付きで、とてもわかりやすい。
チェーホフの短篇の感想としては、芥川龍之介の作品を思い出した。
登場人物の誰にも感情移入出来ず、傍観者として「こんな話があったとさ」と聞かされている感じ。
傍観者だか...続きを読むPosted by ブクログ -
人との繋がりの中での気持ちをここまで客観的に見れるのは楽しい。
トレープレフは自殺したという事実。その直前のトレープレフは誰だったのだろう。会話をしている時点で現実に存在する人物ではあるが、それが誰かわからない。ほんとにミステリアスPosted by ブクログ -
やっぱり...やっぱり読みづらい。
チェーホフの本、戯曲ばっかで読み慣れない。
が、内容は好きです。
たぶんハリウッドとか劇団四季からしたら卒倒するレベル(偏見)で話にまとまりがないというか、オチがないというか、グルグル回る気分。
そこがなんとも人間を描いているって感じで好き。登場人物みんなして悩...続きを読むPosted by ブクログ -
チェーホフ初読。
思想を押し付けない。説明をしない。ただ語る。と言う印象。文学としての純粋性というか専門性が高いと思った。Posted by ブクログ -
13篇の作品のそれぞれに、翻訳者によるとっても丁寧な解説が加えられています。チェーホフの作品を読むのは初めてでしたが、この解説のお陰ですんなり作品の世界に入っていくことができました。
残酷だったり、皮肉たっぷりだったり、冷笑的だったり、いずれの物語も真っ直ぐではなく捩くれていて、かなり暗くて危...続きを読むPosted by ブクログ