川渕圭一のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
前作は著者の自叙伝で、主人公は著者の名前で一人称の語りだったのですが、本作は主人公の名前も変わり三人称の語りになっていました。
読み始めは、全然別の話なのかと思いましたが、前作の続きが小説になっていて、主人公は二人。
前作からの主人公は、何故今のような小説を書くに至ったのかの経緯。
もう一人の主人公は、同僚だったドクター瀬戸で、大学病院と決別して新天地の病院に移った経緯。
・・が、物語になっています。
どちらも、病院の悪しき習性や、医師としてのあり方、権力への反発など、様々な葛藤を経て、自分の人生を切り開いていきます。
まさしく「ふり返るなドクター」というタイトルがピッタリです。
自分の資 -
Posted by ブクログ
冒頭の、ホテル・ニュージャパン火事のエピソード。これがとにかく頭に残る。
前日に会い、ふとわだかまりなく話すことができた父。翌日、その父が泊まっていたホテルが大規模火災に巻き込まれたことを聞き、主人公はもう父と会うことはできないと悟る。その後一念発起して、父と同じ医者の道に進むが、病院で見聞きする「医者の日常」は倫理的にこれでいいのか?と葛藤が残るもの…
他業界から入ってきた主人公(作者)の目からの、これってどうなの?患者さんの立場から見たら違うんじゃないの?という点が素直に表現されている点、そして主人公は患者と接する時間を何より大事にしていることが強調されている。
ただ、そういった主張を -
Posted by ブクログ
小説としてのオチも何もなく面白味に欠け、国語の参考書としても分析が浅く解説がおざなりで何とも中途半端な感じ。
清水義範の傑作小説「国語入試問題必勝法」と比べるべくもない。
ただ、本物の東大入試問題を載せているので、これを実際に解いてみると、なかなか楽しい。具体的で簡単な問題文から抽象的で難解なものへと並んでいるので取り組みやすいし。
受験生時代、国語は得意だったのだが、結構、全問正解は難しいし、正解を聞いても納得いかないものもある。
それに、悔しいことに国語が苦手のはずのシゲルが出来すぎる。
こうして、どんどん解いていくと、なぜか読解力がアップしてしまうという不思議。
あれっ、俺はこの本を