・逆転の発想:「自分」という存在は、他者との関係によって、見え方が変わる。常識と思われている関係が全てではない。
自分はダメだと感じても、それは「ある規準」の世界でのこと。視点が変われば短所も長所になり得る。
・小人の国:「どうでもいいこと」による戦争→戦争で敵の艦隊を拿捕→ただし敵兵はそのまま
...続きを読む→皇帝の不評→
英雄ガリバーは、小便で宮殿の火災を消した→「侮辱罪」→死刑?両目をつぶす?
→政争→亡命→ボート発見→帰還→次の旅へ。
・巨人の国:一見、牧歌的な理想郷。ガリバーは愛玩動物の扱い。(常に死と隣り合わせのか弱い存在)
どんなに魅力的なものでも、超拡大すれば歪な面が見える。
・空飛ぶ島:ラピュタ。特権階級が、地上の民を搾取し、逆らう者は上空から押しつぶす。
理屈ばかりで実践が疎かにされている(数学と音楽以外に興味を示さない)。
・死者と対話できる国:「現在」は「過去」の夥しい死者との連続性の中にある。
歴史は死者たちとともに作られる永くて広大な世界。
しかし、「過去(歴史)」は時の権力者たちに都合よく書き換えられ、不都合な真実は葬り去られるのが常である。
・不死人の国:不死は可能でも、不老は不可能。人間は、樹木のように何百年も隆々と生き続けることはできない。
そのため、いつまでも権力と既得権益にしがみつく者が絶えることはない。
あらゆる感覚や集中力、感性が劣化し、過去の栄光自慢、若さを妬む、向上心の欠如、
自尊心と自己評価の肥大、人を見下す、そのくせ欲深い。老醜である。
・馬(フウイヌム)の国:フウイヌムは理性的。嘘をつくという概念がない。争いもほとんどない、聖者のような生物。
…人間は自然から生まれながら、自然との調和を考えるようには出来ていない。そのため、戦争や環境破壊を繰り返す。
馬の国は、自然への回帰であるが、人間にとっては、偏狭な理性によって友愛を強制され、
優性淘汰が行われがちな全体主義の国にすぎなかった。
フウイヌム(馬)になろうとしたガリバーは結局、裁判にかけられ追放される。
・故郷への帰還:家族との再会。抱擁とキス。失神。