原民喜のレビュー一覧

  • ガリバー旅行記

    人間なるもの

    ・逆転の発想:「自分」という存在は、他者との関係によって、見え方が変わる。常識と思われている関係が全てではない。
    自分はダメだと感じても、それは「ある規準」の世界でのこと。視点が変われば短所も長所になり得る。
    ・小人の国:「どうでもいいこと」による戦争→戦争で敵の艦隊を拿捕→ただし敵兵はそのまま...続きを読む
  • 原子爆弾

    絶唱の俳句ですね……言葉もない

    原民喜氏は最後、計画的に鉄道で自死を選択した悲劇の作家ですね。傍目にはかなり繊細だったようですが、実際、本人には芯が通っていたようで、ただ広島原爆で被爆し、思ったようには詩や小説、書けなくなっていたようですね。
    ここに収録されている俳句を読むだけでも作者の思いは強烈ですし、図書館で借りるのでも良いの...続きを読む
  • 夏の花

    強烈な印象

    中学か高校の教科書に載っていました。
    私はずっと井伏鱒二の黒い雨とごっちゃにしていました。
    ただ筆者が書き記した内容を断片的に尚且つ割と正確に覚えていました。筆者がトイレで被曝した事、被曝した後女学生達が興奮して語り合っていた事、甥っ子を見つけたもののすでに亡くなっていた事、バスを待つ人が前の人の背...続きを読む
  • ガリバー旅行記

    不明なことの多いガリバー

    きっかけは、孫に読んであげようと思いました。でも、その前に、一度通読しなければ。と思い手を掛けました。幼少時に絵本で読みましたが、その絵本は、コビト国の話だけでした。ところが何と、いろいろの国へさまよっていたのですね。びっくり仰天!目から鱗でした。この広い世の中、私みたいな方々が、大勢いるのではない...続きを読む