佐倉統のレビュー一覧

  • 科学とはなにか 新しい科学論、いま必要な三つの視点

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    科学そのものというより科学技術と社会の関係を中心とした科学技術史という感じ。期待とは少し違った内容だったけどあまり考えていなかった視点や角度もあり楽しめた。特に面白かったのは日本における科学の受容のされ方で明治時代に「科学技芸」という語が使われていたこと。職人による技術や言語化し得ない感覚も含む「◯◯道」との境界が曖昧な受容は、例えば帝国日本軍部の兵士の技芸や精神に至上の価値が置かれたことにもつながりそう。

    科学が社会に利するためのものであるか、それと科学が明らかにする「事実」とは別物かという話の歴史的推移も面白かった。

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    2022年12月04日
  • 科学とはなにか 新しい科学論、いま必要な三つの視点

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    正直なところ、作者の思い出話しとか科学の歴史とか、第4章まで眠い。読み飛ばせばいい。
    本書は第5章から本筋が始まる。ここの出来は良いと思う。

    本書はブルーバックスです。
    全てのブルーバックスの最終ページにある「科学はむずかしいという先入観を改める表現と構成」なる言葉から逸脱したような本書は誰に書いた物なのだろうか。

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    2021年03月07日
  • 科学とはなにか 新しい科学論、いま必要な三つの視点

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    科学について語っているのは間違いないし,大事な側面について語っているのだけど,「科学とはなにか」と言われると個人的には「科学研究」あるいは「科学とはどういう営みか」と感じてしまう。

    そういう側面がないわけではなし,科学とは科学研究だけではないので,私の認識の問題(偏り)でもあるけれども,本書はどちらかというと「科学知とはなにか」の方が適しているように思う。

    でも,実は私のこの認識(科学とはなにか=科学研究or科学とはどういう営みか)自体が古臭いもので,その認識を改めようとした本なのかもしれないと思う部分もある。

    10年後にまた読んでみたい。

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    2021年02月25日
  • 科学とはなにか 新しい科学論、いま必要な三つの視点

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     現代社会において科学はいかにあるべきか、一般の人間は科学技術といかに接していくべきかについて、科学の発展の歴史的な経過をたどりながら、読者を丁寧に導いてくれる。

     科学の規範モデル、ロバート・マートンが提唱した理想主義的なCUDOSに対する、ジョン・ザイマンが現実の姿だとしたPLACEという対比。
     科学者共同体の共有財産として知識を共有するという古典的な知識生産モデルから、特許による囲い込みに見られる経済原理の侵食。
     1999年に発表されたブタペスト宣言を、今日的にバージョンアップするための考察。シチズン・サイエンス=市民科学の興隆に向けて。

     ほぼ同時期に読んだ『解放されたゴーレム

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    2021年01月26日
  • 脳の中の経済学

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    <感想>
    経済的な意思決定をする際の脳活動について分析する「神経経済学」についての書籍。並行して読んでいた心理学の本で「感情はコントロールできない」ことを学んだばかりだったので、「本人の意思でコントロールできない脳の反応」の実験結果は腹落ちした。

    自分のモヤモヤが科学的に実証されているという事実はとても救われた気持ちになる。


    <アンダーライン>
    ・双曲割引による先延ばし(将来の報酬を現在の報酬より低く見積もる)
    ・指数割引の人は先延ばししない
    ・セロトニンのレベルが低いと目先の小さい報酬を選ぶ
    ・(ドーパミンの実験で)コメディーを見て笑って幸せになった人は、将来のことが考えられるようにな

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    2020年09月18日
  • 「便利」は人を不幸にする

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    タイトルそのまま。
    ですが、
    説明が入るとしっかりと意味が理解できる。

    この世の中はどこまで行くのだろう???
    そして人類はぶれずに便利と上手に付き合えるのか?
    便利に、流されていくのか?

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    2013年12月26日
  • 脳の中の経済学

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    リスク選好と双曲割引が、脳神経科学で結びつく。経済活動を脳科学で説明しようという意欲的な試み。ひいては、妬みとかのいわゆる「人の不幸は蜜の味」は、脳の帯状回が強く関与しているなど、面白い内容。

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    2013年06月20日
  • 現代思想としての環境問題 脳と遺伝子の共生

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     本書は、今から30年前に、環境問題を単なる科学技術的な問題や倫理的な問題として捉えるのではなく、現代社会が抱える根源的な思想的課題として捉え直すことを意図した、意欲的な著作である。

     本書は、従来「自然対人間」の二項対立の構図で環境問題を捉える限界を指摘し、これを生物の進化や情報の観点から再構築する試みである。環境と人間は、DNAやメタ・ネットワークとしての生命の営みの中で一体化していると論じ、現代の環境危機は、情報の肥大化を伴う文化の発展によって引き起こされているとする。そして、この危機を打開しうる可能性を、コンピュータや人工生命といったテクノロジーの中に見出そうとする視座を提示している

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    2013年05月08日
  • 脳の中の経済学

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    もうちょっと雑談っぽい内容やと思ったけど、後々になってくるとけっこう専門的な話になり、ちょっとついていけませんでした。
    タイトルに惹かれ、入門的なものやと思ったんですが…。
    何はともあれ、「神経経済学」という分野があるのが驚き。本書を読んで、行動経済学にもより興味がわいてきた。
    ひとがどういうときにどのような行動をして、どのような心理にあるのか、興味がある。
    いつか再チャレンジしたい本ですね。

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    2013年02月12日
  • 現代思想としての環境問題 脳と遺伝子の共生

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    ネタバレ

    [ 内容 ]
    環境問題はいまや世界的関心事であり、政治・経済・文化(倫理)、科学等の次元から論じられるが、〈自然対人間〉という二項対立を越える議論は数少ない。
    本書は「環境と人間は生物の進化の織りなすDNAメタ・ネットワークとして一体化する」という立場から、環境問題とは情報の肥大化した文化によって人間が危機に立っていることを意味するとして、コンピュータに希望を見る。
    生命をめぐる現代思想を軽快に駆け抜けて展開する論考。

    [ 目次 ]
    第1章 見取図(現状;思想的背景)
    第2章 環境(環境問題複合体における環境、あるいは人間にとっての環境;生態学の環境、あるいは人間を含んだ環境;進化論の環境、

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    2011年03月30日
  • 現代思想としての環境問題 脳と遺伝子の共生

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    理解及ばず。

    ニッチ: n次元超空間(三次元、気温、湿度、日照時間…) エドモンド・バッチントン

    〇環境認識の違い(資源か否か)

    環境の破壊とは、…DNAメタネットワークとしてのあなた自身の危機(114頁)

    遺伝的進化
    文化的進化

    両者のギャップが破壊を引き起こす

    遺伝子(生命)→脳・ミーム(文化)→機械(コンピューター)→遺伝子?

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    2009年10月13日