佐倉統のレビュー一覧
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科学とどう付き合っていけばいいか、ずっと知りたいと思っていたことへの答えをの一つバチッと知ることができました。
「論文によると〜」というようなセリフに対して、これってどのぐらい信じていいことなんだろう、という疑問を自分は以前から感じていました。
この本では、その疑問への解を提示してくれてると思いま...続きを読むPosted by ブクログ -
トランスサイエンスやコミュニケーターなど、科学と社会を繋ぐ役割を考えさせられた。社会科学出身者が自然科学と向き合うためにも有用だと思う。Posted by ブクログ
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・科学とはなにか、とは、これまで私が考えてきたように普遍的な一意の答えを求めるものではなく、人間社会と切っては切り離せない中で時代にも応じて常に探し続けなければならないことを教えてくれた
・著者の個人的な俯瞰であるとは注釈があるものの、新しい視点を与えてくれて大変な名著であったように思うPosted by ブクログ -
読み終わった。タイトルから原論っぽい印象を受けるが、社会(特に日本社会)における科学のあり方の変容みたいな感じの内容。知らないことがたくさんあった。Posted by ブクログ
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東日本大震災と原発事故。
その危機はずっと以前から指摘されていたが、利益利権の追求の流れの中で亡きものにされた。そして発生した事故。
誰も責任を取らない政治と社会の構造。
いつの間にかそうなっている。
便利を求めて企業がサービスを提供して恩恵を預かって原発の片棒を担っていた国民の責任もゼロではない。...続きを読むPosted by ブクログ -
示唆に富んだ論考が満載の好著だ.ページを捲るたびに納得し共感できるフレーズが出てくる.多くの人の意見を聞いて、それを咀嚼できる抜群の能力をお持ちの著者だ.これだと思った内容が多すぎるが138頁に出てくる次の言葉に共感する.「日本の組織や社会は、既得権益を守ることが最優先の目的なっており、そのため、外...続きを読むPosted by ブクログ
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科学技術をどのように使っていくか?
科学(知識)と技術(力)の社会における在り方や認識を時代を追って特徴を明らかにし、これからの科学技術に携わる者、つまり専門家だけでなく一般の人々含めすべてが、どのように科学技術を扱うべきか述べた本。
科学の知識は何か人が行動するときの理由付けの手段となる。しか...続きを読むPosted by ブクログ -
自身の体験や、科学の歴史的な歩みを追いながら、科学と社会の関係を俯瞰的にみつめ、科学技術のあり方や向き合い方を提案してくれる。示唆に富んだ本。Posted by ブクログ
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世の中は科学技術の発達と共にますます効率を目指し便利になってゆく。しかし、便利になることは良しとするが、依然幸福度は上がらず相変わらずしんどさみたいなものは変わらないのはなぜだろう。著者の考察は2年に及びあいだに東日本大震災を経て、社会や共同体、科学技術とのあり方について思索する。Posted by ブクログ
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十五年ほど前の著書になるが、その意見の射程は十分今に届いている。
むしろある程度環境問題の内実や、”エコ”という概念が蔓延した現代だからこそ効果を発揮するように思う。
しかし、最後にコンピュータの環境問題に対する有効性が述べられているが、コンピュータを含む情報環境は当時から予想を上回る進歩をしており...続きを読むPosted by ブクログ -
科学とは誰のためにあり、何のためにあるのか。
科学は、事実を語るもので価値を語るものではない。価値を語るのは、人文である。
専門家の鼻持ちならない上から視点はあかんし、科学的視点のあやふやなシロウトの傲慢もまた、害である。答えはその間のどこかに。
必要なのは、科学の「縁側」。
玄関から正面切って...続きを読むPosted by ブクログ -
科学そのものというより科学技術と社会の関係を中心とした科学技術史という感じ。期待とは少し違った内容だったけどあまり考えていなかった視点や角度もあり楽しめた。特に面白かったのは日本における科学の受容のされ方で明治時代に「科学技芸」という語が使われていたこと。職人による技術や言語化し得ない感覚も含む「◯...続きを読むPosted by ブクログ
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正直なところ、作者の思い出話しとか科学の歴史とか、第4章まで眠い。読み飛ばせばいい。
本書は第5章から本筋が始まる。ここの出来は良いと思う。
本書はブルーバックスです。
全てのブルーバックスの最終ページにある「科学はむずかしいという先入観を改める表現と構成」なる言葉から逸脱したような本書は誰に書い...続きを読むPosted by ブクログ -
科学について語っているのは間違いないし,大事な側面について語っているのだけど,「科学とはなにか」と言われると個人的には「科学研究」あるいは「科学とはどういう営みか」と感じてしまう。
そういう側面がないわけではなし,科学とは科学研究だけではないので,私の認識の問題(偏り)でもあるけれども,本書はどち...続きを読むPosted by ブクログ