あらすじ
科学技術は日々進歩している。消費社会もまた、新しい「技術」や「便利」を生み出し続けなければならない運命にある。「進歩」には益もあれば害もあることを知っていても、我々はそのゲームから降りることはできない。「便利」と「幸福」の間の、ほどよい着地点はどのあたりにあるのか――気鋭のサイエンティストがさぐる。
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Posted by ブクログ
東日本大震災と原発事故。
その危機はずっと以前から指摘されていたが、利益利権の追求の流れの中で亡きものにされた。そして発生した事故。
誰も責任を取らない政治と社会の構造。
いつの間にかそうなっている。
便利を求めて企業がサービスを提供して恩恵を預かって原発の片棒を担っていた国民の責任もゼロではない。
そしてその生活から抜け出せない。そこに未来はあるのか。
若者がどんどん言うことを聞かなくなって出ていって欲しいという著者。
しかし、それが本当に可能になるのか。
そうならないように進歩も学習も妨げているのは上の世代ではないのか。
そうなったら一番困るのは自分達だから。
いろいろな矛盾をはらみながら進むストーリー。
Posted by ブクログ
示唆に富んだ論考が満載の好著だ.ページを捲るたびに納得し共感できるフレーズが出てくる.多くの人の意見を聞いて、それを咀嚼できる抜群の能力をお持ちの著者だ.これだと思った内容が多すぎるが138頁に出てくる次の言葉に共感する.「日本の組織や社会は、既得権益を守ることが最優先の目的なっており、そのため、外的環境の変化に合わせて適応することができなくなっている」
Posted by ブクログ
世の中は科学技術の発達と共にますます効率を目指し便利になってゆく。しかし、便利になることは良しとするが、依然幸福度は上がらず相変わらずしんどさみたいなものは変わらないのはなぜだろう。著者の考察は2年に及びあいだに東日本大震災を経て、社会や共同体、科学技術とのあり方について思索する。