小野寺健のレビュー一覧
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英米文学の知識があれば、もっと楽しく読めたと思う。
ディケンズの評論は何とか読んだが、他の文芸論は読まなかった。
全編を通して伝わってくるのは、オーウェルの建前論を排した実直さ。
ユダヤ人差別について述べた評論では以下の指摘が鋭い。
曰く、
「ユダヤ人差別について検討しようとするのなら、なぜあきらかに非合理なこんな信念が人々の心をとらえるのだろう?とは考えず、なぜユダヤ人差別思想はわたしの心をとらえるのだろう?という疑問から出発しなければならない。」
また、なんらかの「主義」をもつ人々に対しての、「認めることの出来ない事実」の指摘も手厳しい。
たとえば、平和主義者に対して、
「彼らが暴力を「放棄」できるのは、他の人間が彼らに代わって暴力を行使してくれるからだ」
凝り固まった頭が解れていくような気分になります。
お勧めします。 -
Posted by ブクログ
常套句に騙されるな!
ヒースクリフはどうしてこう誰も彼も不幸にしなきゃ気が済まなかったんだろう?
愛憎半ばする?愛と憎しみは紙一重?表裏一体?
ほんとかよ
愛が深ければ深いほど、それが裏切られたときの憎しみは深くなるのです
ほんとかよ
少なくとも、自分には愛が憎しみに変わった経験なんかないけどね
常套句に騙されていやしないかい?
常套句に自分の思考を乗っ取られてしまってはいないかい?
そんなのはごめんだな
だから言います
ヒースクリフの気持ちは全く理解できない
ただね
ヒースクリフは愛するがゆえに復讐に駆り立てられたってとこも疑わないとだな
そんな簡単なことだったのかな
作者エミリー・ブロンテがヒースクリフに込めたのは百年後に常套句になってしまうような簡単な精神だったのかな〜
教えて廣野由美子さん! -
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リントンが最低。意気地も無く、卑怯で、泣き言でキャシーをつなぎ止めることばかりしている。
これにまんまと同情して、もう会いにこないと言ったと思ったら
すぐにリントンにまたかまうキャシーも
いい加減にさっさと見捨てればいいのにと何度も思ってじれったかった。
半ば無理やりリントンと結婚させられていたけど
この時代、教会に行かず、役所に届けもせず、何を持って結婚した事実ができてしまうのか
しかも相続まで絡んだ結婚が成立してしまうのか謎。
キャシーがあんなにもヘアトンの無知を嘲笑っていたのも
かなり性格が悪いと思う。
ほんとに、ネリー以外にまともな性格のキャラクターは出ないのかと。
ヘアトンがキャシーにそれでも近づきたくて
向学心を持って関係が良くなっていくところは
ちょっと良かった。
しかしヒースクリフ、復讐心とはいえちょっと酷すぎる。
あと、ジョウゼフ、これも狂言回し的な役割だけど
まあほんっとにロクでもない爺さんだった。 -
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キャサリンとヒースクリフは互いに罵り合い、リスペクトのかけらも感じない関係性。
しかしお互いがなくてはならない存在で、男女の愛というよりは、魂の双子の愛、生き物として離れがたい愛で結びつけられている。
ネリー以外は、他社への虐めや軽蔑、憎悪を隠そうともしない登場人物ばかりで、
もっと人に寛容になろうよという気持ち。
キャサリンの癇癪持ちっぷりもひどい。
思い通りにならないも家政婦のネリーをつねりあげるなど
性格がとにかくよろしくない。
ヒースクリフを下男同然に扱うヒンドリーといい
他人にどう思われてもいいトランプ的なキャラクターが実に多くて
寄宿学校で育ち広い世界を知ったとは言えない
ブロンテがどうやってこんな苛烈な
人物たちを創造したのか不思議な気がする。 -
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結末としては救いのある終わり方だったが、物語の大部分はヒースクリフの非道な行動によって占められている。彼は自分の子どもに対しても愛情を示さず、復讐の手段として利用していた。その結果、リントンは全く幸福を得ることなく、物語の中でも特に痛ましい存在だった。
ヒースクリフの死後、キャサリンとヘアトンの関係は一気に幸せへと向かう。そのシーンがあまりにも突然で驚いたが、幸せそうでキラキラしていた。
終盤に描かれるヒースクリフとキャサリン(母)が丘のふもとに佇んでいるという描写にはなんだかホッとした。ヒースクリフがようやく心の安定を得てよかったなと思った。 -
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1920〜30年代のパリ・ロンドンの最底辺の生活を描いたルポ
貧乏の酷さと汚さ、非人間的な労働環境などがリアルに書かれている。本当に酷い生活なんだけどどこか楽しそうにも見える。それは周りの人間の面白さだったり、人生に対する吹っ切れ方からくる。でも貧乏を肯定するわけではなく、社会の間違った構造や無駄な消費が、貧乏や非人間的な労働を生んでいるという指摘もしている。
貧困に生きる人々を愛おしく描きながら、その背景にある構造には厳しく批判を入れているのである。
パリとロンドンの違いも面白い。パリの方は取り繕うことが少ない、全員が自分のために勝手に生きているって感じ。あと出てくる人が多様。大陸だからなのか。
ホテルの仕事があまりにも忙しすぎて、仕事中に従業員同士で罵倒しあうけど、仕事が終わったら謝るっていうエピソードが良かった。
ロンドンは労働の場面があまりなく、職がなく救貧院をめぐって放浪する。ロンドンでは最底辺でもルールに縛られる。本当に最低限だが福祉があるゆえに、全く無益に放浪するだけの人がいる。
ボゾが星を見るところが良かった。
以下好きな部分メモ
p108
食べ物には高い金を払えば払うほど、それだけ余分な汗と唾をいっしょに食わされることになる。
p172
汚れというのはじつに人を選ぶものだ。いい服装をしているときには寄りつかないのに、襟からカラーが消えたとなると、とたんに四方八方から飛んでくる。
p246
慈善を受ける者は、必ずと言っていいほど、与えてくれる人間を憎むものだ
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オーウェルといえば政治的な要素を含む小説やエッセイのイメージだったので、食事や家事、流行りの音楽、洋服などの日常生活に関するエッセイが入っていると聞いて気になり購入。当時のイギリスの生活に密接した内容なので興味深かった。
本来のオーウェルの人柄がより伝わってくるような気がしたしTHEステレオタイプ的なイギリス人ってかんじの皮肉も聞いていて文章としてとても面白かった。
代表作が重い内容であるからこそ本人の人柄や価値観を知ることによって、その作品で何を伝えたいのかということがより分かりやすくなるような気がするのでこういうエッセイは好きです。 -
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ネタバレ読書期間 2025/2/5〜2025/2/7
面白かった!英文学の名作と言われるのがよくわかった
エドガーかヒースクリフかと言われたら私はヒースクリフ派だな。新しい世界を見せてくれそうだし、何しろ世界を敵に回しても愛してくれそうだし
主人公のロックウッド、勝手に押しかけたのに送って貰えずにキレるの図々しくて面白い。同級生が卒論で「ロックウッドは人付き合い嫌いと言いながら、ヒースクリフに興味津々で、人嫌いとは言えないのではないか」と言っていたのを思い出し、面白く読んでいた
正直登場人物はネリーとエドガー以外感情移入できる人はいなかったかなぁ。キャサリンはわがままで自分勝手だし、アーンショウはめちゃくちゃ暴力的な人だし、ヒースクリフも恐ろしいし、、っていう感じで
普通に、自分がエドガーの立場だったら奥さんにヒースクリフみたいな「元好きな人」が近づかれたらめちゃくちゃ嫌だもんな。キャサリンが一時の気の迷い?で結婚したせいで、ヒースクリフと二人で周囲を振り回してる感じ。でもいいよ、この相思相愛感私は好きだよ
語りの感じは引き込まれて、情景が頭に浮かぶ、とても良い語り。すぐに読み終わった
かの有名な”I am Heathcliff”のセリフを割と序盤で言っててびっくりした。
後半も楽しみ
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ネタバレタイトルだけは知っていた古典作品を読むシリーズ。身分の違いに引き裂かれた恋に対する復讐の裏で生き続ける純粋な愛の話。かもしれないし精神的に不安定な一族とそこに訪れる外部の人間との交わらない生の模様なのかもしれず、荒野に佇む幽霊の話なのかもしれない。多様な側面がある物語。
舞台となるヨークシャーの寒村にある嵐が丘、スラッシュクロス、アーンショウ家、リントン家と家の外からやってくるヒースクリフ、ネリーをはじめとした使用人達。そして訪問者のロックウッド。一人もまともな奴がいない。あえていうならネリーが常識人に近いと言えるか。そのネリーは単なる善良な平民ではなく、物語世界を解釈して語る物語の進行者である。
ネリーによって語られる物語は恐ろしくも哀しいヒースクリフの復讐劇とその背景にある何人も立ち入ることのできないヒースクリフとキャサリンの間の絆。本当にネリーの語る物語としてのヒースクリフとキャサリンの言葉の通りに絆が存在したのか。それはわからない。それでも幽霊としてロックウッドやそこに住む人たちに現れるのであればその思いは確かに存在したのだろう。そして荒野の墓地はまだその余韻を響かせている。