小野寺健のレビュー一覧

  • 嵐が丘(下)
    文学史上に残る世界的な傑作……とされているが、個人的にはそこまで評価したいとは思わなかった。理解が難しいこともあるが、そもそも内容が暗すぎるのである。とくにヒースクリフは、いまでいう「サイコパス」としか思えない。屋敷を2つとも手中に収め、両家の家族をバラバラにしてしまうその様は、人こそ殺してはいない...続きを読む
  • 嵐が丘(上)
    文学史上に残る世界的な傑作……とされているが、個人的にはそこまで評価したいとは思わなかった。理解が難しいこともあるが、そもそも内容が暗すぎるのである。とくにヒースクリフは、いまでいう「サイコパス」としか思えない。屋敷を2つとも手中に収め、両家の家族をバラバラにしてしまうその様は、人こそ殺してはいない...続きを読む
  • 一杯のおいしい紅茶 ジョージ・オーウェルのエッセイ
    タイトルになっている紅茶の淹れ方(ミルクが先か紅茶が先か)から始まるエッセイ。
    冬に故障する水道管や終わらない皿洗いに文句を言っていたりはわかるぞ、となる。

    手紙に丁寧に自分の住む田舎への行き方の記載(何時の船に乗って、ここからはハイヤーで、この町で宿をとった方が、等)が細かく丁寧。

    しかしよく...続きを読む
  • 遠い山なみの光
    英国で暮らす日本人女性の回想話。
    登場人物は皆、表面上は友好的なのに今一つ会話が噛み合っておらず、どこを読んでも「ん?」と頭を捻らされる。強い階級意識と罪悪感のようなものが心の交流を困難にしているのだろうか…と思ったがどうやらそれだけではない。

    なぜ主人公の女性の娘は自殺してしまったのだろう?と疑...続きを読む
  • 遠い山なみの光
    こういう過去を振り返っていく小説好き。その中でもカズオ・イシグロの作品は、身の上だとか何に苦悩しているかだとかが徐々に明かされていくとことか、語り手自身の解釈/脚色が入った記憶を語るところとかが面白いなと思う
  • 遠い山なみの光
    この本は、戦後、将来の見えない薄暗闇の中を、手探りで生きている女性の人生を描いたものでした。
    とても息苦しいような読後感になりました。

    ぜひぜひ読んでみて下さい。
  • 一杯のおいしい紅茶 ジョージ・オーウェルのエッセイ
    『1984年』のジョージ・オーウェルの随筆および書簡集とあったので読んでみた。
    これを読むと、ごくありふれた生活感情の持ち主だったことがわかる。紅茶の淹れ方のこだわりや、ビール大好きなところなど、何だか微笑ましくさえ感じられる。だからこそ、『1984年』や『動物農場』がこの人によって書かれたのだとい...続きを読む
  • 遠い山なみの光
    英文学というのを忘れて読んでしまうほど、自然。
    ただ、夫を名前で呼ぶのには少し違和感があった。
    原爆という背景をもちつつも詳細に語る事なく、悦子の家族、佐和子と万里子の物語が展開される。
    悦子しかり、義理父しかり、過去の自分の行動に対して本当に良かったのだろうかという念が感じられる。
    結果的に悦子は...続きを読む
  • 遠い山なみの光
    遠い山なみの光

    著者:カズオ・イシグロ
    訳者:小野寺健
    発行:2001年9月15日
    『女たちの遠い夏』(筑摩書房):1984年
    『女たちの遠い夏』(ちくま文庫):1994年

    カズオ・イシグロの処女長編作。日本では『女たちの遠い夏』として1984年に発行されたが、その後、邦題改訂、訳の手直しもして...続きを読む
  • 遠い山なみの光
    処女長編小説ということだが、回想が小説の大半を占めるのは最初からだったようだ。悦子はイギリスでの現在の生活と長崎での過去の経験とを重ね合わせて回想している。私は過去の自分とこんなにはっきり会話できるだろうか。
    過去はおぼろげなものだとしても、私のそれは虫食いだらけで、ぜんぜん掘り返せない。

    会話の...続きを読む
  • 一杯のおいしい紅茶 ジョージ・オーウェルのエッセイ
    1984の作者ってこういう人だったのか、という驚き、安心。最後の「なぜ書くか」があって1984の見方が変わった。
  • パリ・ロンドン放浪記
    ジャック・ロンドンと違い、著者はイギリス人=ヨーロッパ人であること、そして、必要に迫られて貧乏暮らしをしたことなど、貧しさが他人事ではない印象。
    そして面白いのは、母国については批判的なのに、パリに対しては友人のような気安さがある。

    「金が人間を労働から解放してくれるように、貧乏は人間を常識的な行...続きを読む
  • パリ・ロンドン放浪記
    オーウェル最初の単行本のせいか、それとも小説よりこういうルポのほうが本人の気質に合っていつのか、実にイキイキして面白い。1920年代の貧乏な人々の暮らしと息づかいが目の前に。
  • 嵐が丘(上)
    個性のある登場人物たちが出会い、化学反応を起こながら話が展開していく。冒頭の人物関係図は読むのに役立つが、反面ネタバレ要素もあり微妙なところです。話の中心人物であるヒースクリフの高等が謎で、キャサリンを差し置いてなぜかイザベラと結婚してしまう謎は下巻でもう少し明らかになるのでしょうか。上巻での説明で...続きを読む
  • 回想のブライズヘッド 下
    これの上巻も含めて何冊か自分が読んだウォーの本の中で、一番文章が心に響いた。英国貴族の没落を描いてアメリカでウケたという内容(ヒイ)。テーマはカソリックにこだわって自分の幸せを見出だせない愚かな生き方なのだろうか。メンツって大事だけど「なんのためのだ?」と気付いちゃうと全てが崩壊する。下巻で全く出て...続きを読む
  • パリ・ロンドン放浪記
    BRUTUSの危険な読書特集で気になった一冊。
    「放浪記」なので、多少は「旅行記」的な内容も期待してはいたんですが、まったくそんなことはなく、1920年代当時のパリとロンドンの底辺での生活を、文字通り放浪しながら綴ったルポタージュ。
    ジョージ・オーウェルって「1984」で名前を聞いたことがあったけど...続きを読む
  • 嵐が丘(上)
    海外文学は敷居が高いように感じていたのですが、手始めに母が少女時代に読んでいたというこの作品を手に取ってみた。
    アーンション家一族、気性が荒すぎて恐怖さえ抱きます。狂気じみてる。下巻が楽しみです。
  • 嵐が丘(上)
    初めてのブロンテ、と言うより元々海外の小説はあまり読まないので、こんな有名な3姉妹作家と作品それ自体の存在を知らなかった…。何人かの友人はこのウェブ本棚を見てくれているので、幾人かが失笑している顔が思い浮かびますw。

    まだ下巻を残しているが、この小説は間違いなく当たり。血縁、愛憎を用いて地獄絵図を...続きを読む
  • 嵐が丘(下)
    私は『嵐が丘』というのは、イメージで恋愛ものだと思っていたけど、読んでみて要素はあるけど、とんでもない!復讐なのだ。

    狭い世界で数人しか知らない中で暮らしている。そんな中での復讐劇。

    最初の方で、家系図があり、なぜこの3人が一緒に暮らしているのか、とても疑問に思った。組み合わせがおかしいではない...続きを読む
  • 嵐が丘(上)
    ヒースクリフもキャサリンもなんて気性が荒いの。ヒースクリフは恐ろしいな。こんな人たちと暮らすなんて無理!
    レビューは下巻で書く。