小野寺健のレビュー一覧
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ジョージオーウェルと言えば動物農場...と思いきやこんなルポ的な旅日記のような、そんな本も書いていたんですね。
しかも1933年と、かなり若い時の執筆です。
パリとロンドンでの底辺暮らしの経験をみずみずしい感性で綴ったエネルギーを感じる一冊です。
個人的には前半のパリの話の方が好きです。Posted by ブクログ -
前半のパリ編が秀逸。
20代の1年半をパリで過ごしたからこそ描写できた街の一面。南京虫と悪臭漂う底辺の暮らしを、ヨーロッパ中から集まってくる様々な人の人生との出会いを通して、生き生きとどろどろと描きだしている。
20世紀前半のこの時から、パリの根本部分は変わっていないと思う。Posted by ブクログ -
オーウェルの突撃ルポ、デビュー作。1927年から3年間、パリ貧民街とロンドンのホームレス界にどっぷり浸かって取材。やはり性来の裕福さがポジティブな行動と考え方を生んでいる感はあり、よくある王子さまが身分を隠して庶民の中で生活をして学んだり、社長の息子が平社員として素性を隠して研修するという、ベタな物...続きを読むPosted by ブクログ
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「ナショナリズムとは何か」と問う時、最も明確な指標を与えてくれる作家。ナショナリズムが帰属するのは国家民族に限らず、本質的に権力志向と結びついている。WWⅡ当時の英国-ソ連間の国民意識についても詳述されており興味深い。Posted by ブクログ
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1984年の著者で有名なジョージ・オーウェル。
若い時に、あえて貧乏生活を自分に課して
どんぞこの生活をする。
3日に1日のパン。寝る暇もない労働。浮浪者となりイギリスを彷徨う。。
自分が見ている世界とまったく違う世界。
それが目の前にあるように感じられるように書いている。
純粋に面白い。
こ...続きを読むPosted by ブクログ -
あまりに飄々としていてユーモラスなんで、
フィクションかと思えてくるんですけどルポタージュなんですよね。
いや、それくらい楽しい本ではあるんです。
フランスでの変人に囲まれた貧乏暮らしにしても、
ロンドンでの浮浪者暮らしにしても、
20世紀のヨーロッパの裏側が見える感じがいいですね。
それにしたっ...続きを読むPosted by ブクログ -
自らに貧乏生活を課し、パリとロンドンで浮浪者となった作者の生活と、出会った人々達とのエピソード集。
文体から彼の誠実な人柄が伝わってきて面白い。パリ編はコミカルだが、ロンドンでは浮浪者に対する扱いの差が起因しているのか、重々しい。
一人一人の浮浪者達が生き生きと描かれていた。浮浪者も、金持ちも、...続きを読むPosted by ブクログ -
ラストがやや弱いかなと感じたけど、ヒースクリフの執念に感服。
愛のための殺人は小説でよく題材にされるけれど、情熱的な愛と冷静な法的手段を併せ持ったヒースクリフこそ、完全な復讐鬼だと感じた。Posted by ブクログ -
大した家柄の筆者が身をやつして、戦間期のパリとロンドンで最下層の生活をレポートする。戦勝国にもロクでもない生活があったという当たり前の事実に気付かされるとともに、ロクでもない生活を最大限に楽しむ心意気を感じられる。
この筆者はなぜここまでやるのだろうという興味がムクムクと湧く。筆者がこの後にスペイン...続きを読むPosted by ブクログ -
帯の強くて脆い愛とありましたが、どこが!と全力で言える。
登場人物全員過激で辛辣で非情です。
今のところ誰も好きじゃないんですけど、この先がどうなるのかすごく気になる。
一番可哀想なイザベラ・・・せめてイザベラだけでも救いがあればいいのですが・・・Posted by ブクログ -
『1984』や『動物農場』で知られるジョージ・オーウェルは、世界恐慌の余波がまだ残るパリ、ロンドンを放浪していた。そのときの悲惨な貧困生活をユーモア溢れる文章で記したのが、この『パリ・ロンドン放浪記』。
特に興味深いのが、オーウェルがどんなに貧しくなっても、虚栄心を捨てきれないという描写。例えば...続きを読むPosted by ブクログ