小野寺健のレビュー一覧
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ネタバレ■ほかの訳も読んでみないと最終的に結論を言うことはできないんだけど、でも、イメージしてたよりもずっと「恋愛モノ」じゃなかった。いま私たちが言うところの「恋愛」とは違う。さらに、キャサリンとヒースクリフの間には身分差があるけど、社会的な問題提起をした小説でもない。
■キャサリンとヒースクリフの「愛」って、小学低学年ごろから二人で冒険や悪戯をしてきて、「こいつとは、同じことを同じように楽しめるし、同じことを嫌悪できる」っていう、ほんと「一体感」。この感じって、いわゆる恋愛とは違う。この二人の会話シーンも大人になってからも全然艶っぽくない。キャサリンが出産してそのまま死んじゃう前日まで、怒鳴りあって -
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ネタバレ主人公の悦子は記憶の中の佐知子に自分の罪を投影していたのだろうか。それとも佐知子は本当にあんな女だったのだろうか。とにかく佐知子は愚かで嫌な母親のように描かれている。娘の万里子は完全に被害者だ。女の子の唯一の心の支えの子猫を殺してしまうシーンは本当に心が痛んだ。子供のことをよくわかっていて、誰よりも考えているようなことを言うが、結局なにも見えていない。少なくともそのように読者の目には映る。しかしそれは佐知子が本当にそういう人間だったのか、それとも悦子が佐知子を通して自分を責めていたのか、わからないままだ。
なぜ悦子は二郎と離婚し、イギリスへ渡ったのか。なぜ景子は自殺してしまったのか。そのあたり -
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ネタバレ下巻に入るとヒースクリフの暴力、横暴支配はさらに加速し、キャシーとネリーを強迫監禁し、キャシーと息子リントンを強制結婚させるまでになる。しかしこのリントンがなよなよしていながら父譲りの暴君っぷりで本当に嫌な奴(作中で一番嫌い)で、こいつをキャシーが甘やかすから上巻より読んでいてストレスがたまった。
それでもマグマのようなエネルギーを感じてあっという間に読めてしまうのがこの小説のすごいところなのだと思う。解説に書いてあるような根源的な自我とか精神的エネルギーとかを感じとるまでには至らなかったけど、作中の恋愛なんてはっきり言ってどうでもよくなるくらいの怨念のすごみは感じることができる。
最後はヒ -
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ネタバレ演劇とかになってる、荒涼とした土地のお屋敷での恋愛・復讐劇…くらいの前情報で読み始めたのだが、想像を超える登場人物たちの暴れっぷりにびっくりしてしまった。性格がひねくれてるとかいうレベルではなく、もれなく全員性格が悪すぎ、被害妄想、ヒステリー、陰湿、暴力、精神錯乱などの常軌を逸した人物のオンパレードとなっていて彼らの乱闘、罵倒の応酬は読み応えがある。怖い。
冷えに冷え切った人間関係の中でヒースクリフとキャサリンだけは想い合っているという設定なのだが、キャサリンは登場人物の中でも断トツで頭がおかしくて別の男と結婚するし、二人の間にももちろん大喧嘩があってロマンチックな感じは一切しない。
ヒースク -
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『嵐が丘』って、こんな話だったのか……と読みながら何度も思った。
ヒースクリフの復讐があまりにも強烈で、自分とキャサリンを引き裂いたヒンドリー本人ではなく、その子どもに復讐する姿には言葉を失う。まだ幼いのに、あまりにも残酷で、正直ヒースクリフにはまったく共感できなかった。
キャサリンもどこか気持ちが定まらず、ふらふらしているように見える。ただ、この時代に女性が生きていく現実を考えると、生活の安定を求めてエドガーを選ぶのは、仕方のない選択だったのだとも思う。
物語としてはとてもおもしろいのに、ヒースクリフがあまりに怖すぎて、下巻でどんな展開が待っているのか心配。 -
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モームの世界十大小説のひとつ。(読むのは、カラマーゾフの兄弟、戦争と平和、ゴリオ爺さん、赤と黒、傲慢と偏見、に続いて6作目)
上下巻もののまだ半分なのでちゃんとした感想は下巻で。
今のところ、まともなひとは、女中のネリーただひとり。奇人変人のオンパレード。
最初の場面で登場するヒースクリフとひと世代下の女性と男性の関係が全く分からず、巻頭の人物関係図を見ても想像がつかず、大混乱の中、昔語りで、徐々に謎解きが進む。
でも、誰も幸せにならないことは冒頭の場面でハッキリしていて、ひたすら地獄に向けて物語が進みそう。読み進めても爽快感がゼロであることは分かっているけど結末は気になるので下巻へ。 -
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ネタバレ閉鎖的な場所でアルバイトをしたことを思い出しました。
嵐が丘でロンドンから来た人がさっさと去って行くように、新しい人はすぐに辞めて行きます。
残るのは、ずっと不満を言い続けてるが、辞めない人達。
去年と全く同じことを毎年してる。
だから、今の状況。
環境と教育とお金の余裕は大事。
仕事の遅い人と2人体制だったので、私の方に皺寄せが来て迷惑だった。
勤務実態調査が時間記入のみ。
100の仕事量を1時間で出来る人もいれば、10時間かかる人もいる。
仕事が遅い人は仕事量が多いと思われてた。
変な人、会社には関わらない。
元はと言えば、その病気で美人で独身40代後半のキャサリンが手一杯だったから、 -
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小説を読む限りは、佐知子は実在した人物で、過去の悦子にとってはその価値観に腹の底からは承服しかねる異質の存在だったように解釈していたが、映画ではそれは実は悦子そのものであり、そういう人物がいたかのように二キに嘘をついていたと最後にネタバレをして終わるように脚色されていた。原作に対してあまりにも分かりやすく説明し過ぎであり、火曜サスペンス劇場のような単なるエンタメサスペンス映像になってしまっており、舞台のセットや俳優陣は豪華であるものの、映画としてみると☆1。
記憶を無意識に変えずしては思い起こすこともはばかられるような過去を抱えながら、強く生き抜いてきた当時の人々の人生が思い起こさせられる。